2011/12/17

イニエスタ脳内インタビュー

トヨタ・プレゼンツ・クラブワールドカップの決勝が近いので、ハードディスクの片隅にあった古い原稿を再録します。
2009年の10月に書かれたテキストです。
「浦和フットボール通信」という浦和のフリーペーパーで連載していた、「スーパースター脳内インタビュー」というコラムのコーナーに掲載しました。

    『イニエスタとの会話』

「やあ、顔色が悪いね」
「うん。で、キミは誰?」
「レッズサポだよ。デカくもないんだね」
「うん。身長は170センチ。むしろ小さい。で、レッズっていうのはどこのチーム?」
「しかも細い。こんなフィジカルでよくプロのピッチに立てたもんだね」
「キミはケンカを売りにきたのかい?」
「インタビューだよ。それからレッズというのは日本のフットボールチームさ」
「オシムが代表監督をしてる国だね」
「オシムは辞任した。とても残念なことにね。脳梗塞。不幸な発作だった。顔色はわりあいに良かったんだけど」
「どうしても僕の顔色について話がしたいんなら、これは生まれつきだよ。色白なんだ」
「白いというより、黄色いね。しかもアオい。まるでレタスの芯だ」
「うん。小さい頃よくいじめられたよ。血色が悪いって」
「どうしてそんな顔色でサッカー選手になろうと思ったんだい?」
「やっぱりケンカを売りにきたんだね」
「違うよ。ライターっていうのは原稿を売って反感を買う商売なんだ。イヤな稼業だよ」
「いまのはジョーク? それとも愚痴?」
「警句だよ。で、どうしてサッカー選手になったのだね? そんなフィジカルで」
「重要なのはフィジカルじゃない。顔色でもない。スピードでもパワーでもない。フットボーラーの命運を決するのはスキルだ。あるいはテクニック。わかるかい? 卓越した技巧だけが局面を打開する。あるいは正確な技術があれば、ピッチの上のどんな場所でも敵を恐れる必要はない。そういうことだよ」
「なるほど。ということは、軽くて小さいうちの国のフットボーラーも、努力すればワールドクラスになれるってことだね?」
「もちろんだ。弱くて低くて遅くても大丈夫。スキルが超絶的であれば」
「顔色が貧血のウサギみたいでも?」
「全然大丈夫。起き抜けのナメクジみたいな顔色でもスキルがあれば心配ない」
「怒らないんだね」
「うん。冷静さもぼくの持ち味の一つだ」
「感心したよ。少なくともメンタルはディエゴよりずっと強い。ロナウドよりも」
「ありがとう。スキルとメンタル。フットボーラーにとっての二つの宝物だ。この二つがあればどんなハンデがあっても心配ない」
「顔がせんだみつおに似ていても?」
「もしかして、シャビの話をしてる?」
「どうしてせんだを知ってるんだ?」
「スキルとメンタル。それから、情報収集能力と洞察力。フィジカルを埋めるためには様々な要素が必要なのだよ」
「キミをバロンドールに推薦しておくよ」

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2011/08/04

追悼

松田直樹選手が、本日午後一時過ぎ、入院中の病院で亡くなりました。
残念です。

松田直樹さん死去 家族に見守られ…

「週刊Spa」の書評欄に書いた原稿がハードディスクに残っていたので、掲載します。2009年6月に執筆したテキストで、内容は、松田選手の自伝を紹介したものです。

書名:闘争人 松田直樹物語
著者:二宮寿朗
出版社:三栄書房
価格:1524円+税
発売時期:2009年6月15日初版発行

 横浜Fマリノスのディフェンダー松田直樹の半生記だ。ライターの手になる伝記的テキストのほかに、本人による手記、高校時代の監督、球団のスタッフ、チームメート(井原正巳、安永聡太郎、佐藤由紀彦、三浦淳宏、栗原勇蔵)のインタビューを含んでいる。で、最後に本人のインタビューが付属している。いずれも非常に熱い。
 松田は今年32歳になる元日本代表選手だが、「元」という言い方を、本人は嫌うはずだ。おそらく猛然と反発する。「引退するまで《元》なんてことは無い」と。その通り。復帰の余地はある。
 とはいえ、彼には、トルシエの時代に代表の合宿を辞退した過去がある。ジーコのチームでは、サブの扱いに納得が行かず途中で帰ってしまった。そういう性格なのだ。本書を読むと、松田直樹が代表に選ばれ、外され、再び選ばれ、辞退し、再々選出され、定着し、離脱し、突如帰宅するに至る、その背景がよくわかる。松田の側からの事情が、ということだが。要するに、この選手はメンタルにムラがあった、と、そういうことだ。
 が、「メンタル」は、ムラが無ければそれで良いというものではない。闘いに臨む者は、強烈な怒りと、激しい情熱と、鋭い反発心を持っていなければならない。でないと向上することができない。というよりも、闘争心を持たない男は、そもそも戦場に立つことができないのだ。であるから、アスリートは、その精神のうちに強力な爆弾をかかえながら、なおかつそれを統御する術を身につけているべきなのであって、単に温度が低いだけの安定は、意味を持たないのだ。その点、松田直樹は、どこまでも熱い。その熱さをコントロールできるようになったのは30歳を過ぎてからだ。ということは、本当のピークは今後にある。
 ぜひそうであってほしい。

 ご冥福をお祈りします。

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2011/08/03

松田直樹選手のために

JFL松本山雅所属のディフェンダー松田直樹選手(元横浜F・マリノス)が、練習中に倒れたというニュースが伝わってきました。
現在、治療中で、状態は予断を許さないとのことです。

俊輔、窓越しに松田見舞う「回復信じる」(日刊スポーツ)

松田選手の回復と、一日も早い復帰を祈願して、5年ほど前に書いた原稿を公開します。

「フッチバル」(ソニーマガジン。現在は休刊中)という雑誌で連載していた「モンスター・ア・ラ・カルチョ」というサッカーコラムのために書いた原稿です。執筆は2006年の4月はじめ。おそらく、5月号に掲載された分だと思います。

 ずいぶん昔、@2ちゃんねるのサッカー板が、まだ現在ほど荒れていなかった頃、横浜F・マリノスのサポーターが集う掲示板の中に、たいそう秀逸な、心あたたまるスレッドがあった。

 当時私は、すでにガチガチのレッズサポで、マリノスについては油断無く敵視している側の人間であったのだが、このスレッドだけは、あんまり面白かったので、時々覗いていた。
 そんなわけで、当時のマリノスには、ちょっと詳しいわけだ。
 まだ川口能活がいて、俊輔や波戸が同時に在籍していた時代だから、おそらく2000年ぐらいのことだったと思う。発生当初の細かい事情までは詳しく覚えていないが、とにかくそのスレッドは、ある時期から、現実のF・マリノスとは別の、「フラット・マリノス」と呼ばれる架空のチームについて語る場となり、いつしか、完全なネタと化し、最終的には、あんまりシュールになりすぎて、空中分解した――そういうスレッドだった。
 で、その、マリサポの狂ったイマジネーションの泥の中に咲き乱れた幻想のチーム「横浜フラットマリノス」における、最大の人気キャラクターが「マツさん」こと松田直樹選手だったわけだ。
 ほかにも、「微妙にチームから浮きあがりつつも、一人で熱血している永遠の青春野郎《テソ》こと《キャプテソ川口》」「独立独歩のオタクながらも、技術は天下一品の左甚五郎的職人キャラ《キノコ》」「俳句が得意な風流人、超地味王こと遠藤兄」など、多士済々だったが、そんな中にあっても、破壊王マツのスター性は別格だった。
 実際の松田直樹がどんな性格の持ち主であったのか、私は知らない。
 が、フラットマリノスの「マツ」についてなら、よく知っている。
 マツは、怒りんぼの、感激屋の、それでいてやる時はやる、まるで少年漫画の主人公みたいに素敵滅法な猪突猛進キャラクターだった。
 「ごるぁあああああ」と喚きながら、敵陣ペナルティーエリアに突入して行くマツ。敵方軟弱キャラ・ヘナギを後ろから削って不適に笑うマツ。「てめちくしょう、ざけんな××」と、主審を罵倒しながらスローイングのボールを敵の股間に投げつけるマツ。うっかり愛娘・クルミちゃんの話題を振ると「まあ、そこに座れ」と言って長話をはじめずにはおかないマツ……マツさんは、いつでも百パーセント全力疾走の男だった。
 もちろん、「マツさん」の面影は、ファンの幻想に過ぎない。
 でも、サポーターが描く幻想には、必ず切実な真理が含まれている、と、私はそう考える者だ。たとえば「マツ」の中にある熱血と怒りは、おそらく松田直樹のうちにある情熱とほとんど同質の成分を含んでいるはずなのだ。
 顔を見ればわかる。
 実際、松田ほど表情の豊かなディフェンダーは珍しい。
 いや、優れたディフェンダーは、パオロ・マルディーニやマルセル・デシャンがそうであるように、本当なら、ポーカーフェースを身につけているべき存在だ。というのも、敵方のFWに表情を見破られないことが、ストッパーたるものの臨戦第一課だからだ。
 でも、マツは違う。
 マツは、あまりにも多彩なその表情に敵が混乱しているスキに仕事をする。
 憤怒。笑い。恫喝。そして突然の涙(そう。松田は、負けているのに攻めて来ない敵のあまりのふがいなさに、涙を流しながらプレーしたことがあった)。松田の表情は敵にも味方にも、サポーターにも瞬時に伝わる。
 というのも、彼の表情は、単に顔面表情筋の緊張と緩和が生み出す瑣末な相変化とは別次元の、全身の動きとオーラで表現されるひとつの叫びに似た何かだからだ。
 たとえば、奈良興福寺の阿修羅像を見たことがある人は、松田直樹の面影に、阿修羅のオーラが宿っていることに気づくはずだ。
 ありがたい仏様だが、なにしろ激しく、そして美しい。
 「阿修羅身は三面六臂にして青黒色、忿怒裸形相」と、仏典にある通り、三つの顔と、六本の腕を備え、正面の顔には沈んだ怒りの表情を浮かべている。
 それもそのはず、阿修羅は、サンスクリット語・パーリ語の「アスラ」で、もともとは、ヒンズーの悪神だった。インドの大叙事詩『マハーバーラタ』には、ビシュヌ神の円盤に切られて大量の血を吐きながら、刀、槍、棍棒で打ちのめされたアスラたちが戦場に横臥し、血に染まった彼らの肢体が、褐色の岩の頂のように累々と横たわっているようすが描かれているという。
 で、その争いと血を好む鬼神アスラが、仏に帰依して、仏教を守る八部衆に入った姿が、阿修羅像ということになる。
 いや、細かいことは良いのだ。どうせ受け売りだし。
 大切なのは、阿修羅が、改悛した悪の化身で、そこから彼の本領が発揮されたというところだ。
 松田の場合はどうだろう。
 熱血キャプテンとしての顔、甘々な父の顔、そして、悪鬼の如きストッパーの顔という3つの面を持ち、6つの技を持っているという点では、三面六臂だが、それ以上にポイントになるのは、「改心」「帰依」である。
 キャプテンをまかされた円熟のマツさんが、あの頃のマツさんではない……のだとしたら、これは大変なモノになると思う。
 あの「マツさん」が、審判に対する暴言を断念し、ムカつく敵への報復をあきらめ、無謀な上がりを自粛したら、これは、大変な選手になる。いや、実際、今シーズン、キャプテンをまかされている松田直樹には、阿修羅松田いや、アフラマツダ(←ゾロアスター教における全知全能の最高神)の面影が宿っている。
 とすれば、ジーコは、ぜひ代表に呼ぶべきだ……と思うのだが、なにしろ異教徒だからなあ。
 合掌。

 なお、この原稿は、拙著「サッカーの上の雲」(駒草出版:たぶん絶版)の中に「苦しい時の阿修羅頼み?」として収録されています。

 参考までに掲載時に付加したイラストも。あんまり出来がよくありませんが。

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2008/07/21

川崎戦

 浦和vs川崎@埼玉スタジアム

 久々の生観戦。五月の鹿島戦以来。
 比較的涼しいので、自転車で出動することにする。
 キックオフは午後6時だが、4時前に家を出る。
 2時間は見ないと不安なので。

 というのも、2日ほど前、寝違えて(←昼寝中に地震。びっくりして素早く身を起こしたのが良くなかった)、以来、首がうまく回せないから。ゆっくりなら振り返れないこともないのだが、自転車運転中の後方確認とかは無理。
 せめてiPod走行をやめれば良いとは思うのだが、風の中を走るのに音楽抜きは淋しい。
 というわけで、後方確認のためにヘルメットをかぶって行くことにする。私のヘルメットにはバックミラーが付いてるので。
 往路は順調。約1時間ちょっとで埼スタに到着。でも汗だく。

  • 試合は、1-3で負け。
  • 1-1までは押し気味の展開だったが、2点目を取られてからは、良いところがなかった。
  • 最近の浦和の傾向として、攻撃が機能しているゲームは落とすことが多い。逆に、ベタ引きでタコ殴りに耐えているみたいなゲームは、けっこう場合勝っていたりする。
  • 良いんだか悪いんだか。

  • 家に帰って録画を確認してみると……
  • おお、後半20分、浦和が攻め込んだ場面で、川崎の誰かがゴールマウスの中で、手を使ってボールを跳ね返しているじゃないか。
  • 間違いない。テレビ埼玉は、執拗にリプレイをしている。鬼の首を録画したみたいに。
  • で、浦和の選手がハンドをアピールをしている間にカウンターが発動。チョン・テセのファインゴールが決まって2点目。ああああ。
  • あそこで、正しい判定が為されていれば、展開は違っていた……かどうかはわからないが……

 寝よう。
 

 Reds080721
※試合前の練習風景。客席は、夏休みということで、子供連れが多かった。

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2008/06/30

EURO2008決勝

EURO2008 スペインVSドイツ

 早起きしてスペインVSドイツ戦を生観戦。
 結局、今回のユーロは、半分ぐらいナマで観戦(残りは録画で確認)した。
 おかげで早起きの習慣が……というよりも、現在は国内時差ボケ状態にある。以下、雑感など。

  • スペインはチームのバランスが良かった。
  • 今大会で一番気に入った選手はセスク・ファブレガス。プレーの正確さが素晴らしい。キープ力、パスセンスも秀逸。派手なドリブル突破はしないが、効果的なプレーをする。まだ21歳だとか。素晴らしすぎる。
  • フェルナンド・トーレスも良かった。少女マンガライクな見かけからは想像できない仕事をする。巧くて速いだけではなくて、小ずるい駆け引きも上手だったりする。さすが。
  • ドイツでは、決勝まで来てシュバインシュタイガーが不調だったのが残念。クローゼもアタマ悪そうなプレーばっかりだったし。
  • 大会全体の印象として、カメラワークが優秀だった。一昨日しばらくぶりに見たJリーグ中継(ジュビロ磐田VS横浜Fマリノス:NHK-BS1)と比べると中継力の差はあまりにも歴然としている。
  • Jリーグ中継のカメラは、1.遠い 2.少ない 3..リプレーしない という点で最悪。
  • なにしろカメラの数が物理的に少ない。たぶん3台~5台程度。ゴール裏にさえカメラが無い。どこの貧乏リーグだ?
  • 引き比べてユーロの試合(プレミアリーグの中継も)では、おそらく20台ぐらいはカメラが設置してあるはず。とにかく割かれている人数が違う。
  • だから、カメラマンのウデとかスイッチャーのセンスをどうこう言う以前に、資本投下量の点ではじめから勝負になっていない。
  • センスも育たない。カメラは寄らないし引かない。いつも同じ距離で撮っている。しかも際どいプレー(審判の判定の是非にかかわるプレー)は絶対にリプレーしない。チキン。リーグあるいは審判組織から圧力をかけられているのだろうか。
  • せっかく選手がエキサイティングなプレーをしていても、あの中継では視聴者はついてこない。だって、迫力無いし。
  • おっと、愚痴になってしまった。
  • いいさ。Jリーグはスタンドで見るから。

 ということで、昼まで寝ます。
 

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2007/12/17

クラブワールドカップ

昨日のゲームになってしまったので、簡単に。
昨日は忙しくて、感想を書くヒマがなかった。

本当は今日も忙しいのだが。まあそこはそれ。関係者の方々はもう少しだけおまちください。
色々と整理がついたら結果が出ることでしょう。

※浦和VSエトワール・サヘル

  • 2対2の同点。PK戦の末勝利。みごと3位を獲得。ワシントンの2ゴールが素晴らしかった。ありがとう。
  • 小野伸二選手がベンチ入りしていなかった。淋しい。コンディションをもう一度作り直して、ぜひ出直してほしい。サッカー選手の現役時代は決して長くない。たのむ。来年こそ本来の姿をみせてくれ。
  • 山田の復帰が嬉しかった。
  • 藤井アナはちょっとサッカーの知識がアレですね。アナウンス技術そのものはしっかりしていると思うんだが。

※ACミラン VS ボカ・ジュニアーズ

  • 4-2でミランの勝利。
  • ここ数年のクラブW杯(トヨタカップ時代を含む)でのベストゲームではなかったろうか。
  • パス精度、スピード、ディフェンスの囲い込みの速さなど、非常にレベルの高い好ゲームだった。
  • 表彰式の演出がグレードアップしてた。やればできるんじゃないか。
  • でも、横浜国際はやっぱりサッカーをやるグラウンドじゃないですね。いろいろと行きがかりはあるんだろうけど、来年はぜひ埼玉スタジアムでやってほしい。無理ならトヨタスタジアムでも可。横国は今回限りにしていただけるとありがたい。

 試合後、表彰式とインタビューが見たくて「総集編」枠の番組を引き続き見ていたのだが、明石家さんま師匠が著しく鬱陶しかった。詳述はしない。ブログが汚い言葉で汚れることになるから。

 明石家さんま氏について、穏当な言葉で、冷静な文章を書くのは、現状では、まだむずかしい。
 書けば、きっと不穏当な言葉が並んでしまうことになる。
 なので、やめておくよ。師匠。
 まあ、先方のテレビ露出が半減したぐらいの頃合い(半年後ぐらいか?)をみはからって、振り返るカタチで書くのがベターなのでありましょう。
 それまではおあずけ。

 さて、仕事仕事。と。

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2007/12/14

善戦

FIFAクラブW杯準決勝 浦和 VS ACミラン @横浜国際競技場

 試合に備えて昼過ぎから午後6時まで寝る。
 で、試合直後からいましがた(14日午前3時)まで寝てました。
 つまりそれだけ体力を使ったということだ。テレビで見ているだけのオレが。
 選手はもっと大変だったはずだ。まずはご苦労様と言いたい。
 ゲームは拮抗していた。
 実力が拮抗していたと言い張るつもりはない。
 でも、ゲームは拮抗していた。
 アウェイのチームがアウェイの戦い方で慎重に来ているのだから、当然、ゲームは拮抗する。
 でもって、アウェイの戦い方をしている慎重なチームから得点チャンスを奪うことは著しく困難なミッションだったわけで、結局、ボール保持率(←前半の終わり頃、実況アナが「61%対39%」ぐらいなことを言っていた。後半は70%対30%に近かった気がする)が示すとおりの、重苦しい闘いが続くことになった。
 かくして、私はかくのごとくに疲労困憊している次第だ。ううう。

 以下、うまくまとまりそうにないので、箇条書きで雑感を述べて寝ることにする。そうだとも、とてもひどく疲れているのだよ。心を酷使したのでね。

  • 点差ほどの接戦だったわけではない。それはわかっている。
  • とはいえ、タコ殴りに遭ったと言わねばならぬほどの大差はなかった。このあたりがサッカーというゲームの素晴らしさだ。不利な側のチームにも必ず何回かの勝機が訪れる。そういう設定になっている。素晴らしいじゃないか。多少の実力差はコンディションとスタジアムの空気と時の運みたいな不確定要素が埋めてしまうわけだから。
  • 浦和のサッカーが世界に通用した、と叫ぼうとは思わない。
  • でもイタリア人の歌舞伎やミラネーゼの書道よりはずっとましなものをお見せできたはずだ。
  • ジローラモの日本語、ぐらいだろうか。
  • いや、デーブ・スペクターぐらいのレベルには来ていたと思う。そこいらへんの素人よりはずっと達者な軽口。駄洒落だって自由自在。足りないのは思慮だけ。
  • カカは、あれは1対1では絶対に止められない。テクニックもさることながら速すぎる。速度超過違反。ここのところ好調だった坪井がああいう感じで振り切られる姿は、やはり驚きだった。
  • ワシントンのシュートは枠ギリギリのところに飛ぶ素晴らしい弾道だった。
  • にもかかわらず、ジダはきっちりとキャッチしていた。
  • つまり、あのGKが立っている限り、ペナルティエリア外からのシュートは、どんなに素晴らしいコースに打ってもほぼ100%セーブされるということなわけだ。
  • ってことは、きちんと相手のディフェンスを崩した上で、エリア内に侵入して、なおかつ打つかハタくかの複数の選択肢がある中からファインシュートを撃たないと点は獲れない、と。
  • 0点と1点の差はとてつもなく大きい、と、そういうことなのだな。結局は。
  • 勉強になった
  • 実況アナは、セパハン戦の時の人と同じ声に聞こえたが、同一人物だったのだろうか。
  • セパハン戦の時よりは、ずいぶんマトモな実況をしていた。
  • 自分の実況VTRを見て反省したのか、それとも単に慣れたのか、あるいは、ゲーム自体がより緊迫していたということなのか、いずれにしてもめでたいことだ。
  • 放送席にさんまを座らせなかったのも正解。英断だった。
  • ま、ハーフタイムと試合前後に出てくるだけでも十分にウザかったが。
  • ここ数年、さんまは、サッカー関連の話をするにあたって、必ずや国内サッカーに対する侮蔑の念をチラつかせずにおれなくなってきている。わざわざそんなことを言わなくても、「オレは海外サッカー通だよ」と、それだけ言っておればそれで十分なのに。
  • のみならず、「オレらみたいなサッカー通からすると、日本のサッカーなんかアホらしくて見てられんよ」ということを、メディアを通して公言していたりするわけだが。
  • いったい、どういう意図なんだ?
  • 日本のサッカーが、現状において、欧州サッカーの最高峰と比べて見劣りのする水準にあることは、さんまの言う通りだ。
  • そんなことは、一芸人の指摘を待つまでもなく、サッカーファンなら誰でも知っている。
  • でも、サッカーはレベルどうこうだけで見るものではないよ。
  • 強いチームのレベルの高いサッカーを見ることは、サッカーを楽しむ上での重要な要素のひとつではある。でも、それがすべてではない。と、そういうことだ。
  • あたりまえの話じゃないか。
  • サッカーを見ることと、チームを応援することは別だ。
  • サッカーを観賞することと、プレイを見ることもまた別次元の話になる。
  • だからこそ、世界中のサッカーリーグに強いチームと弱いチームがある中で、それぞれのチームに地元のファンがついていて、それぞれが熱い声援を送っているわけで、要するにサッカーというのは、スタジアムの座席に座っているファンの数と同じだけ、毎日新しく生産されている、個人的でありながら公共的でもある一種不可思議な共同体験なのである。
  • それゆえ、当然のことながら、強いチームのファンがすなわち一流のサッカー通だというわけではないし、高いレベルのサッカーを見ている人間が高級な人種だというわけでもない。
  • むしろ反対かもしれない。
  • 弱いチームの低レベルなサッカーや、マイナーなリーグの凡庸なプレーの中に観戦の楽しみを見出すためには、ゲーム観察者の側により高度なサッカー教養が備わっていなければならないはずだからだ。
  • ……っていのは詭弁だよ。わかってるってば。言ってみたかっただけだ。
  • でも、古い時代のサッカーを知っていることや、遠い国の高いレベルのサッカーについて知識を持っていることが、サッカーファンとしての品格を保証するわけではないんだよ。な、師匠。
  • っていうか、国内リーグのチームが試合をしている場所にわざわざやってきて、海外リーグの知識をひけらかす態度は、人として下品だぞ。
  • 廻転寿司の店先に立って「お前らの食ってる寿司はニセモノだぞ」と言っている人間がいたとする。本人は優越感を表明しているのかもしれない。勝利宣言をしているつもりなのかもしれない。でも、彼は、人々に笑われることになる。「おい、食っている寿司の値段で自ら優位性を主張してやまない人間がここにいるぞ」と。
  • ベンツに乗っている人間は、カローラに乗っている人間に比べて、高い経済力を持っているのであろう。が、ベンツのオーナーがカローラのドライバーに比べて、より高級な人間だというわけではない。
  • アルマーニとユニクロの差も、センスの差というよりは可処分所得ないしはファッション支出の差異に過ぎない。ただ、薄っぺらな人間は、経済力がもたらす格差やファッションブランド発の優越感を、全般的な人格力の差として認識しがちだという、それだけの話だ。
  • さんま師匠は、あるいは高級ブランドの服を身につければそれだけで人間としての品格が向上し、高いクルマに乗れば自分の価値が上昇し、欧州リーグのサッカーを語っている自分はJリーグのスタジアムに座っている人間よりもサッカー人として高い場所に立っていると思いこむような、軽薄な人間ではないのかもしれない。
  • だったら、そう思われても仕方のないような言動は慎んだ方が良いと思う。
  • 手遅れだけど。たぶん。

寝よう。仕事は明日。

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2007/12/11

快勝

 クラブワールドカップ準々決勝
浦和VSセパハン@トヨタスタジアム

 3-1で快勝。
 久しぶりの得点。久しぶりの勝利。というより、久しぶりにサッカーらしいサッカーができた試合だった。
 こういうふうに意図通りのゲームができたのは、夏場以来だったのではなかろうか。秋口にはいってからは、ただただ耐えるだけの亀の子サッカーが続いていたわけだから。
 たぶん、3連敗で開き直ったのが良かったのだと思う。窮鼠猫を噛むというアレだ。ついでにライオンを噛んでくれると良いのだが。
 まあ、単純に疲労が取れたからということなのかもしれないが。ゲームの間隔が1週間以上あいたのも久しぶりだったわけだし。

  • 先発メンバーの中では相馬の活躍が目立った。
  • 相馬に関しては相手が甘く見ていたのか、マークが一枚しか来ていなかった。Jリーグではたいてい二人に挟まれて苦労しているのだが。
  • 阿部と鈴木啓太のボランチが非常に良かった。プレスも速かったし、ボール奪取もけっこうあった。おかげで前後半を通じてほぼ中盤を制圧できた。
  • 途中から出てきた小野伸二は微妙なデキ。足をひきずり気味に見えた。きっとまだ足首に痛みが残っているんだと思う。
  • 失点は伸二のミスが起点。なんとなく蹴ったフリーキックが敵に渡るというイージーなミス。技術や戦術眼というより感覚に起因するミス。っていうか、ボーンヘッドだよね。
  • でもまあ、試合に出ることでしか戻って来ない感覚というのがきっとあるのだろう。そういう意味では、失敗が致命傷にならない展開で、ゲームの空気になじむ機会を持てたのは良いことだった。
  • ちょっと痛い思いをしたことも含めて。
  • 致命的な結果に至らず、なおかつ反省につながったわけだから。
  • って、伸二にはとことん甘いわけだよ。ははは。
  • 永井も好調。ここ3試合ほどの停滞がウソみたいだ。
  • ワシントンは全体的にミスが目立った。とはいえ、得点シーンは完璧。ダサいプレー続きの後に、突然ああいうスーパープレーが出てくるところがこの人らしい。
  • ディフェンスは危なげなかった。
  • 闘莉王のあれは、まあご愛嬌ということで勘弁してやってください。その前後に良いプレーがとてもたくさんあったので。

 13日はミラン戦だ。
 ううう。緊張する。
 勝ったらどうしよう。
 世界中に恨まれるんだろうか。
 ぜひ恨まれてみたいものだ。

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2007/12/07

明石家三文オペラ

  • 日テレのサッカー番組? ええ、見ましたよ。
  • でも、冒頭のところをちょっと見て、あまりにも不愉快だったので、すぐに視聴を中止しました。
  • ネタにせねばならない場合(笑)を考えて、一応録画してあります。
  • そういう貧乏性がちょっと悲しいですよ。わがことながら。
  • 以後、仕事の合間に、時々スイッチを入れてはムカついて消すという動作を繰り返しつつ、断片的に4分の1ほどを視聴しました。

以下、現状で気づいた点などを。
まあ、ネタにせねばならない場合を考えて、ざっとしたところだけを。うん。貧乏性なのでね。

  • さんまは、二度とサッカーの仕事にかかわらないでほしい
  • 半端なウンチクと、古くさいツッコミ。おなじみのサイン自慢。完全に賞味期限切れだよね。芸人として。
  • しかも、大切なはずのサインをスリッパとかにしてるし。
  • テレビタレントとしての価値を云々する以前に、人間としての最低限の礼儀を踏み外してると思います。
  • 結局、テレビの人気者としての生活を四半世紀も続けると、さんまのような男でも尊大になるということだ。
  • 現状のさんまは、一人の哀れなエゴ・マニアックスに過ぎない。
  • 一時期の萩本欽一とダブる。
  • いつか二十四時間テレビで走ってほしいな。半べそで。五年後ぐらいに。
  • さんまの存在以上に不快だったのは、スタジオ中の人間が、およそ面白くもないさんまの話におおげさに感心している、そのテレビの空気の不潔さだった。
  • 何なのだろうね、アレの空気は。
  • 後輩芸人のあのみっともないおべっかは、もしかしてさんまには快適なんだろうか。
  • 視聴者には拷問だよ、あの侍従笑い溢れるスタジオ映像は。
  • さんまは、「さんま御殿」みたいな空間を作ってやらないと出演してくれないのかもしれない。
  • そうまでして出てもらう価値があるんだろうか?
  • 局の側にさんま出演メリットがあるのだとすると、半分ぐらいは、利権がらみだと思う。いずれにしても、視聴率だとか需要だとかとは無縁ですよ。現状。
  • 芸歴の長いタレントと放送局の中の特定の立場の人間の間には、ゼネコンと役人の間に発生しているみたいな相互便宜供与関係が生じるのだと思う。いずれにしても、編成権、キャスティング権、ギャラ、番組予算獲得枠、知名度といったような要素は、局と芸能人の双方にとって、あきらかな利権なわけだから。具体的にキックバックが介在していようがいまいが。 
  • くりぃむしちゅーは早めに消えてほしい。できればスキャンダル発覚とかで。
  • 次長課長は、さんまみたいな先輩とは距離を置くべきだと思う。でないと、小器用な半端芸人から脱却できないぞ。手遅れかもしれないが。
  • 土田も逃げるなら今のうち。ぜひ逃げてほしい
  • にしおかは責めない。出自から経歴から立ち位置から芸風から末路までの一切合切があまりにも哀れすぎるから。
  • さんまとセットになっている「美女」とかの出演陣は、別に映る必要ないだろ? 視聴者の側からの需要はどうせ皆無なわけだから。楽屋妻だとかスタジオグルーピーみたいな扱いで充分。

 まだまだ色々と言いたいことはあるけど。あんまり建設的なコメントは出てきそうにないので、これ以上は自粛しておく。アタマの中にあることをモロなカタチで言葉にしたら、きっと炎上するだろうから。

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2007/12/01

困憊 ler

J1最終節 横浜FC VS 浦和レッズ @日産スタジアム

 ここ数試合、試合に出ているメンバー全員がオーバートレーニング症候群に近い状態でした。
 1シーズンの間、レギュラーの11人に頼り切った選手起用を続けてきたことのツケが、終盤に来て一気に表面化した気がします。
 もっと思い切ってサブの選手を投入すべき時期や時間帯や相手があったように思えるのですがね。後知恵で考えればですが。

 チームの戦術や個人の技術を云々する以前に、最初の一歩が出遅れることと、最後の一歩を追い切れないことがいかにゲームを破壊するのかということを思い知らされました。

 ぜひ、切り替えて、クラブワールドカップでガンバってほしいです。
 ……って、ATOKがイヤな変換をしてきました。
 「ガンバる」だなんて、誰がこんな言葉を教えたのでしょうか。
 じっさい、ここしばらく、レッズは、ガンバじみてました。勝負弱さとか、詰めのスイーツさとかが。

 ポンテが心配です。
 ワシントンがこの状態で、ポンテが怪我では、世界に向けて恥をさらすことになりかねません。
 とにかく、選手の皆さんには一週間、死んだように休んでほしいと思います。
 私も、この先一週間は、死んだように蟄居して暮らす所存です。

 ううう。

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