パパ・ホーボー
渋谷のセンター街が「バスケットボール・ストリート」(通称:バスケ通り)に改名するというお話が出たので、記念にお気に入りの歌を翻訳して紹介します。
ポール・サイモンの「パパ・ホーボー」という歌です。1972年発売の「ポール・サイモン」というアルバムの中に収録されています。
ホーボーというのは、「放浪者」「路上生活者」を意味する言葉で、古いフォークソングでは、わりと一般的な主題です。
怒りのぶどう、ケルアックの「路上」、ウディ・ガスリーや、ミスター・ボージャングルズ、アメリカの60~70年代の人たちはホーボーが大好きでした。まあベトナム戦争がおこなわれていた時代には、それだけ閉塞感があったということなのかもしれません。
この歌を取り上げる理由は、歌詞の中に「バスケットボール・タウン」という言葉が出てくるからです。
地味な佳曲です。
ほかにも、「ウェザーマン」「ゲータレード」「ゲッタウェイ」など、懐かしい単語が並んでいます。
- ウェザーマン:70年代のアメリカで活躍した極左テロ組織
- ゲータレードは、フロリダ大学のフットボールチーム、ゲイターズ(ゲイター:アリゲーター=ワニのこと)の協力のもとに開発された世界初のスポーツ飲料。直訳は「ワニの果汁」。
- ゲッタウェイ:1972年公開のアクション映画:主演はスティーブ・マックイーンとアリ・マッグロー
「パパ・ホーボー」
それは一酸化炭素
懐かしのデトロイト香水
朝のうちからハイウェイを漂い
正午までには君を打ち倒してしまう
おお パパ・ホーボー
見ての通り、ぼくはスクールボーイみたいな姿をしているけれど
心は道化師だぜ
わかるだろ?
それが、このバスケットボール・タウンで身に付けた
自然なリアクションってやつなんだ
一枚残らず
すっからかんになるまで、虎の子のチップをまきあげられて
ワニの果汁で命をつなぎながら
個人的な脱走劇を計画する
デトロイトデトロイト
ホッケーチームにかけられた呪い
オートモビルの夢にサインさせるいかがわしい手口
おお、パパ、パパ・ホーボー
ぼくをどこかに連れていってくれ
朝食後には路上に立っている
ウェザーマンがウソをついたから
英語の歌詞も載せたいところなのですが、ゲシュタポ…いや、シャイロック、じゃなかったジャスラックがすっ飛んでくると面倒なので、リンクを紹介するだけにしておきます。
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