子機ぶり奇譚
昨日直ったかに見えていてた子機は、一夜明けて試してみると、元に戻っている。全然直っていない。おい、どういうことだ? 更生したんじゃなかったのか? 悔い改めて一からやり直すと、オレの前で誓ったあの言葉はウソだったのか?
朝起きてボタンを押してみると「3」と「切」は一切認識せず。しかも、充電器に置いても接続が切れない。
- アルミホイルが接着剤で定着していたのはうたかたの夢で、テスト時における数回の成功例は、結局のところ、死に瀕した子機の最期の頑張りに過ぎなかったということだろうか。
- 今朝になってまったくセンスしなくなったのは、アルミホイルの剥落か、はみ出した接着剤による絶縁効果なのか、あるいはもっと致命的な理由による何かなのか、理由はわからない。が、いずれにしても、「切」と「3」は、完全に認識不能になった。
- 接触不良から通信不能へと、修理前と比べて、不安定だった故障の様相が、より安定的な死相に転じたことが収穫と言えば収穫。だろうか。
- おそらく、敵側の作戦の要諦は、「ぬか喜び」といったあたりにある。
- つまり、一瞬の達成感と一夜限りの全能感を与えておいて、しかる後により深い絶望の沼に突き落とすという古典的な手練手管だ。
- でもって、反省とかみたいなことをしてほしいんだろうな、オレに。どうせ。
- 自らの慢心を戒めるとかなんとか、そういう安っぽい自己省察のあげくに、オレがまんまと信仰の道にでも迷い込んでくれれば作戦成功、と。
- つまり、Yダ電機の立場からすると、新規顧客獲得&折伏成功で一石二鳥なわけだ。
- 冗談じゃないぞ。どうしてオレが勤行なんかをする? 南無妙法蓮華経? ふざくんな。
で、最後の抵抗を試みた次第。
- もう一度フタを開けて、再度アルミ箔定着作戦を試みる。ま、ダメ元。っていうか、悪あがきだよ。死んだ子の年をカウントダウン的な。
- あ、ダウンしちゃだめか。
- 案の定ダメ。まるでセンスしない。おまけに、どこかの線を切ったのか部品を脱落させたのか、はたまた何かの拍子にどこかにアルミ箔のカケラがまぎれこんでしまったものか、充電器の接点が完全に反応しなくなっている。これじゃ切れないのみならず充電もできない。
- つまり、「受け」専用の受話器としても生命を断たれたわけだね。うん。
- まあ、ケチなユーザーの迷妄を断つという意味で、自力修理にも意味がないわけではないってことだ。
メーカーのコールセンターに電話してみた。
- 親切なねえちゃんが色々と教えてくれる。
- 細かい話は省略。先方の説明の概要は以下の通り
- 「へえ、子機は充電器&アダプター込みで売らして貰っとります」
「値段は16800円だす」
「へへへ、ビタ一文まかりまへんなあ」
「へえ、そりゃまあ、販売店さんの中には割引をしてはる店もあるんちゃいまっか? でも、ワテら、小売店さんのことはよう知りまへんのデスわ。すんまへんな」 - と、ねえちゃんは必ずしも関西弁でしゃべったわけではないのだが、会話の内容をよりリアルに再現するために、関西ライクなトークを採用した次第。どっちにしてもオレの負けだ。販売店にしたところで、たいした値引きはしないだろう。だって、こういう場合、競合する売り手が無いわけだから。
- 子機のみで16800円という値段は、新品の親子電話より高かったりするわけだが。つまり、親のみの値段はタダ以下ということだろうか? それとも、ある種の人身売買の場合と同じで、親付きだとむしろ値段が落ちる(←いや、詳しいことは知らないよ)てなことなんだろうか。
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コメント
修理成功のお祝いを述べようと思っているうちに
まさかの新着記事が…。
どうか、お気を落とされませんように。
投稿: HN忘れ | 2008/07/01 17:29
そうでっか。ほな買いますよって、ほれで派遣の人の給料の足しにしたってください。お布施ちゃいますよって。あんじょう。
くらいは言って貰いたいところです。
投稿: 古今亭 | 2008/07/01 17:47
たぶん「寒の戻り」と同じだと思います。
「あぁ~春がきたわぁ~」と油断して腹筋を緩めたところに後回し蹴りみたいな。
ゆめゆめ油断したらあきまへんで~。
投稿: 豆腐エンジン | 2008/07/01 17:54