古舘伊知郎 地球人を叱る
テレビをつけると、おお、古舘伊知郎が演説をしている。
「テレビ朝日開局50周年記念特別番組 ~地球危機2008~」
だと。
なるほど。
温暖化は待ったなしです、だっけ?
古舘君はどうかしたのだろうか。
どうしてあんなに必死なんだろう。
見る度に顔つきが険しくなっている気がする。
仕草も操り人形みたいにデカくなってきている。
大丈夫か?
昔の、いいかげんで、口から出まかせの、軽妙で、肩の力の抜けた安っぽい古舘に戻ってくれよ。
石橋とやってた「第四学区」は面白かったぞ。オレは大好きだった。
それが、この2年ぐらい、古舘のアタマの中は、どうやら二酸化炭素で一杯になっている。で、かわいそうに、脳味噌の居場所がなくなってしまっている。
キミは一体地球の何なんだ。
森と海と空の代弁者なのか?
それとも「環境詩人」みたいな立場を目指しているのか?
で、オレらは、古舘の地球を痛めつけ、古舘の警告に耳を傾けない愚かで意識の低いかわいそうなレミング系の衆愚地球人だと、キミのアタマの中では、そういうスジの話が進行しているのか?
仮に、今年の夏が冷夏に終わったのだとしても、古舘は
「地球規模の温暖化の影響がこんなところにも」
ぐらいなことは言うだろう。
きっと言うな。
「冷夏もまた、温暖化のひとつの顕在化した姿であると私には、そういう気がしてならないのです」
とかなんとか。
おお、
「先進国は、世界同時謝罪をしてもらえないだろうか」
と、古舘が演説をぶっている。
すごいことを言うなあ。
「そうしないと、地球の未来は無いのではないか」
と言っている。
「真っ先に謝ってほしいのはアメリカです!」
と、人差し指で画面を指さしてそう叫んでいる。
大丈夫だろうか。
古舘よ。
もうそれぐらいにしておいたほうが良いと思うぞ。
な。
肩の力を抜けよ。
※コンビニ
京都市では、地球温暖化対策の一環として、コンビニに深夜営業の自粛を要請するつもりでいるらしい。
石原都知事も賛成しているのだそうだ。
まあ、店が開いているよりは閉まっている方が、確かにエネルギー消費は抑えられるだろう。それは間違いない。
でも、どうしてコンビニなんだ?
だって、どんな業界のいかなる業種であっても、営業規模が縮小すればCO2排出量は低下するはずで、そんなことは自明の理じゃないか。
結局、京都市なりほかの自治体なりが、あえて営業自粛を求める裏には、コンビニの深夜営業を「不必要」「有害」、ないしは「無ければ無しで済むはず」と見なす思想があるはずなのだ。
でも、どうしてコンビニなんだ?
私にはその理由がよくわからない。
深夜に煌々と明かりをつけて店舗を営業しているありさまが、無駄な感じを与えるということだろうか?
若い者がタマるから?
主婦の手抜き料理のベースになっているから?
あるいは、夜寝ない子供が増えることの理由になるからだろうか?
まあ、そういう側面もあると言えばあるかもしれない。
でも、無駄というならディズニーランドや温泉宿の方ががずっと無駄(つまり、生活の必要に根ざしていないということ)だし、青少年の非行に関連しているというのなら、パチンコややくざ事務所こそが、真っ先にツブされるべきではないのだろうか。
以下、営業自粛の対象として、コンビニに白羽の矢が立った理由について考えてみる。
- 歴史の浅い業界は、影響力の強い同業組合を持っていないから。たとえば、パチ屋の業界や競馬の団体は、強力な圧力団体を備えており、政官界に太くて暗いドロドロのネットワークを築いている。だから、こういう時に営業自粛を求められるような間抜けなハメには陥らない。対して、コンビニ業界はできたばっかりで、統一的なロビー活動回路を持っていない。天下りの官僚も受け入れていないし、政治献金もしていない。だから狙われる、と。
- アタマの古い人たちは、無駄でも、良くなくても、古くから存在しているあれこれに対しては寛大に構える傾向がある。たとえば、パチンコ、競馬、酒、タバコ、売春みたいな、百害あって一利ぐらいしか無いタイプの習慣でも、それらの昔なじみの悪徳は、あんまり問題視されない。「そりゃ、たしかに良いものじゃないけど、世の中っていうのは、そういう良くないものも含んだ上で成り立っているわけなんだからさ」てな調子で、なんとなく容認される。ヤクザも。「一種の必要悪だよね」ぐらいで。ところが、パソコンだとか、携帯電話だとか、紙おむつだとかコンビニだとかみたいな、年寄りにとって「オレが若い頃はそんなものはなかった」と言い切ってしまえるタイプのニューカマーは必ずや異端視されることになっている。善し悪しや功罪とは無関係に。だって、なんとなく気に入らないから。
だから、コンビニにしても携帯にしても、若いヤツらがわけのわからない犯罪をやらかすことの有力な原因にまつりあげられている。なぜかって? オレらの若い頃にはそんなものはなかったからだよ。
結局、無茶に見える施策でも、世論からの一定の支持がなければ実行されることはないわけで、その意味では、コンビニはやっぱり嫌われているのであろう。必ず投票に行くヒマな年寄りに。
私見を述べれば、コンビニより何より、ツブすならパチ屋だと思うのだが、ああいう無駄で下品で罪深いものに限って絶対にツブれないのだろうな。なにせおまわりさんの末の弟みたいなヤツだから。うん。次兄はヤクザ。でもって伯父が議員で従兄弟は芸能人。
ん? 古舘君は、ほとんど絶叫してるぞ。
おーい、落ち着け。
アタマを冷やせ。
な、古舘よ。
まず、自分のアタマの温暖化をなんとかしてから語ると良いと思うぞ
ハエも集まってきてるみたいだし。
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コメント
>京都市では、地球温暖化対策の一環として、コンビニに深夜営業の自粛を要請するつもりでいるらしい。石原都知事も賛成しているのだそうだ。
いかにも他の自治体も「じゃ、ウチも」ってことで後追いしそうです。私のトコもやりそうだ。
投稿: キリハラ | 2008/07/06 01:17
CO2削減云々はばかばかしい話ですが、何かしらの省エネを深夜営業の自粛で実現するのなら、まず自動販売機じゃないですかね。
あれ一台で、一般家庭と同程度の電気を食うと言いますし、その割にせいぜい缶入りドリンクの販売しかできない。
夜はタイマーで自販機の電源を切るのが、早々にできて、消費者にもメーカーの売り上げにも実害がない省エネじゃないでしょうか。
投稿: よみびとしらず | 2008/07/06 07:06
>私見を述べれば、コンビニより何より、ツブすならパチ屋だと思うのだが、
そうですよね。盛大に電気を食う業界から自粛すべきでしょう。
優先順位からいえば、テレビ局もそうですよね。
投稿: kt01mk | 2008/07/06 10:14
そういえばゲームソフトをいち早く有害図書指定した某県知事もコンビニ深夜営業自粛に賛成してましたね。
投稿: Noisy | 2008/07/06 11:15
テレビこそ止めちまえば良いのに。
無駄な番組をたくさん流すのみならず、
くだらない製品のコマーシャルをたくさんはさんで、
くだらない製品をたくさん消費者に買わせて。
日本国中からテレビ放送がなくなれば、
あっという間にCO2なんかか削減できるんじゃねーの。
投稿: 774 | 2008/07/06 12:49
まじめに「コンビニ深夜営業自粛」に反論すると、夜間電力はもっぱら水力、原子力であり、昼間電力の大半は火力で釜を炊いているのだから、むしろ自粛すべきは昼間営業だし、深夜生活をやめるよりも、深夜に活動(遊ぶにしても働くにしても)することを推奨する方が省エネ、省資源なんですが、CT撮ると脳室が大きく、脳溝も開いて、スカスカ頭になっている人たちにはそんな理屈も通用しないのかもしれません。
投稿: Inoue | 2008/07/06 18:43
何たる痛快な指摘、それがこのサイトに迷い込んで最初に思った雑感。単なる批判ではなく、胸のすく思い。古館氏関して言えば、氏のかつてのマシンガントークのシンパにとって、ここ数年の氏の活動は、踏んではいけない地雷を自ら踏んでしまったという自戒を抱えていた。その延長で考えれば、いつまで氏の真骨頂であるトークの真髄を封印し続けるのか、正視に耐えない。正論の裏側に真実が在る、そこを探り自らの理論によって喝破する、言いたい放題トークを封印するが故に、氏の人相が変わり存在意義が薄れていく。マスメディアの歯車に組み込まれまいとする努力の影に常に見え隠れするアイデンティティの残像。ジャーナリストとしてのプライドと鮮やかなセンサーをブラッシュアップして、再度本来の輝きを取戻して欲しいと思うばかりである。
コンビニ夜間営業の是非については他の才人にその場を譲るが、私見を言えば産業構造をもっと把握して決定すべきである。自分を含めてすべての利便性を放棄する覚悟が無ければ取り組めない筈。力の強い者が勝つ、その結論を予感してしまうのは愚者の嘆きか?
投稿: Sepia | 2008/07/06 21:23
軽薄でお調子者にしか見えなかった頃はどうでも
よかったんですが。最近は痛々しいですね古館君は。
ところで、みんな考えることは同じようなものでしょうか。↓
http://www.akaokoichi.jp/index.php?ID=1125
投稿: およよよよ | 2008/07/06 23:19
■テレビ朝日開局50周年記念~地球危機2008~で報道されたグリーンランドの氷溶解の真偽?!
こんにちは。私も「地球危機2008」を見ました。いろいろまともなことも報道していましたが、確たる証拠もないのに危機感を煽り視聴率をあげるという基本姿勢は崩れていないようです。
特にグリーンランドの氷溶解に関しては、作為めいたものを感じました。従来から海面上昇というフィクションを報道していて、それに対して北極の氷が融けても水に浮かんでいる氷なのでアルキメデスの原理から海面上昇などしないなど、初歩的な間違いを指摘されたり、南極大陸の氷は水蒸気なので温暖化すると氷が増える、逆に寒冷化していた時代には南極大陸には氷がなかったと古文書に残っているなどと指摘されていました。今度は、グリーンランド(大陸)だから、有無をいわせず正当性を強調して危機を煽れるという、意図が見え隠れしていました。いずれにせよ、マスコミの環境問題に関する報道は鵜呑みにすべきではないということが再確認できた番組でした。ここに書くと長くなるので、詳細は是非私のブログをご覧になってください。
投稿: yutakarlson | 2008/07/07 11:39
親愛なるおだじまんへ
聡明なる貴君であれば、ご存知かと思いますが、どんな腐れ業界にも、何千、何万とぶらさがる人たちがいるものです。それも、いわゆる特権階級からかけ離れた、市井のスターダスト達が。
パチンコ業界、確かに潰しても、大勢には何の影響もないでしょう。確かに、環境という側面では、幾ばくかプラスに寄与するかもしれない。
では、貴君が活躍されるモノ書き業界はどうでしょうか?紙という限られた資源を消費するに足る、「崇高な」業界たり得ているでしょうか?
私がここで言いたいのは、私が禄を食んでいる所の、パチンコ業界の正当性を主張することではありません。
昨今のマスゴミが安易な大衆受けを狙って展開する、様々な業界叩きという不毛な構図に、私が敬愛する貴君の論説がダブって見えたことに、極めて失望した、ということを、この場を借りてお伝えしたかっただけであります。
以上、駄文スマソ。
投稿: ふるふる | 2008/07/08 00:45
紙なんてのものが環境に与える影響なんてのは微々たるものですよ。「限られた資源」を削っている主要因とはほど遠い。
問題なのは焼畑やら開発やらのほうです。
投稿: ふれふれ | 2008/07/08 01:30
>ふるふるさま
もとより、どんな業界にも功罪はあります。
色々な職業があり、様々な生計(たつき)の途(みち)があり、それぞれの仕事にそれぞれの光と影がある、と、その旨は承知しています。雪のように真っ白な産業は存在せず、また、どの角度から見ても真っ黒なビジネスがあるというわけでもない。よくわかっています。
その意味では、パチンコも出版も金融もコンビニも、おしなべてグレーゾーンです。一長一短。大同小異。五十歩百歩目糞鼻糞ドングリ100個etc.etc...
でも、大きく見ればどれもこれもグレーゾーンなのだから、何だって同じだろ? というふうには私は考えません。
グレーにだって色調の濃淡はあるわけで、その点から言って、パチンコにはやはり問題が多いからです。
なによりあれは賭博です。
にもかかわらず、法律上は風営法の……と、グダグダ書くのもバカバカしいですね。
ウィキペディアを参照してください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%81%E3%83%B3%E3%82%B3
リンク先に書いてある通りです。
ですから、賭博なら賭博で、きちんと賭博らしい外形と設備(つまり、カジノの威容と賭場のセキュリティとギャンブル運営者の覚悟)を整えた上で、賭博を取り締まる法律の範囲内で営業するべきであると、かように考える次第です。
>昨今のマスゴミが安易な大衆受けを狙って展開する、様々な業界叩きという不毛な構図
叩くべき業界があるのなら、それを叩くのは必ずしも不毛なことではないと思います。
それより、「安易な大衆受けを狙って」という言い方には大衆に対する蔑視が感じられないでしょうか。
大衆を自認する者の一人として、ちょっとカチンと来ました。
パチンコ業界の未来はそんなに明るくないと思います。
台湾や韓国で賭博として禁じられていることを見ても、この先、長い目で見れば、正常化(ということはつまり店舗数の減少と、顧客一人当たりの投入金額の縮小、ならびに営業時間および店舗面積の制限、そして賭博性の除去ないしは遊戯性の剥奪:イコール業界全体の縮小化)の途を歩まざるを得ないでしょう。
パチンコ滅亡のとばっちりを受けて職を失うことになる人々の運命には同情を禁じ得ませんが、そうであるからこそ、貴兄のような有能な人材(文章を見ればだいたいわかります)には、なんとか、転進のきくうちに避難してほしいと思います。でなければ、画期的なパチンコ健全化プランを案出するとか。なにしろあれだけの立地と施設を持つ巨大レジャー産業なのですから、その潜在力を賢く生かす方法が見つかれば、化けないとも……って、余計なお世話でしたね。
投稿: 小田嶋 | 2008/07/08 02:18
小田嶋さんのコラムをいつも読ませてもらってます。
思っていても、うまく形に出来ないことを文章にしているのは凄いです。
これからも楽しみにしています。
投稿: A | 2008/07/08 05:38
最近、頻繁に更新されていて嬉しいです。
コンビニ自粛、なんだかな~って感じ。上のほうの774さんのご意見に同感です。
洞爺湖サミット前後に、各局でエコエコやってましたが、いっそのこと毎日1時間でもテレビ番組の包装を短縮すればいいのに。そういうことは、コメンテーターさんたちは何も言わないんですね。
深夜営業のコンビニ、仕事で帰宅が遅くなる自分にとってはありがたい存在です。電気がついていて少なくとも人がいるわけで、夜道で何かあったら駆け込もうと思ったりしています。まあこれは個人的なちっぽけな想いですが。
投稿: もっち | 2008/07/08 11:24
おだじまん様
まずは、貴兄(←貴君改メ。上から目線スマソ)においては専門外(?)でありながら、パチ業界にかくも深い造詣を披瀝されたことに、率直に敬意を表させて頂きます。
ただ、パチ業界の歴史を紐解けば、その誕生からお上のアメとムチに翻弄され続けた歴史であり、警察の「弟」というよりは「私生児」「パシリ」という方が適切かもしれません。
※付け加えさせて頂ければ、今回のサミットに際しても、新台入替え「自粛」という形の規制を、受け入れております。
……っていつから俺は業界の代弁者になったんだ?
パチンコも必死だな。そろそろ寝まつ。
投稿: ふるふる | 2008/07/09 01:14
…
健全な社会は息苦しいとようゆわれますけんとも
どっちかつーと
不健全な社会が息苦しさを生むんじゃねーのすかという
共通理解を得るための ヴァカンスな十数年という了解。
投稿: おくさまのお遣い | 2008/07/10 22:39
私は神奈川県鎌倉市七里ガ浜町内会の者なのですが、七里ガ浜海岸にセブンーイレブンが出来てから、
暴走族、改造車族、旧車会、深夜花火族などが集まり、一晩中続くロケット花火の騒音で、
住民の中には不眠で入院するものも出ました。
セブンーイレブンに買い物客以外停めさせるなと言っても、完全無視。
そこで、今では、鎌倉市民の税金を投入して警備員を雇い、7月1日から8月31日までの午後9時から朝の5時まで、
毎日七里ガ浜海岸を警備しているような状態です。
セブンーイレブンは、「巨悪」そのものですね。
七里ガ浜セブンーイレブンは、深夜でも2~3分おきに車が入って来て、驚きます。
暴走族の苦情も多く、毎日、毎晩、110番され、警察が取り締まりに来ますが、
セブンーイレブン駐車場の中なので、道路交通法で取り締まれず、警察も苦慮しています。
あれは鎌倉とは思えない光景で、環境破壊そのものです。
一度、見てやってください。驚きますから。
そのあまりにヒドイ様子を写真やビデオで撮って、いろいろな人が公開してくれると嬉しいです。
投稿: 鎌倉市七里ガ浜町内会員 | 2008/07/18 21:33
古舘伊知郎のいうとおり、やはり、一番悪いのはアメリカでしょう。なかなか言えない言葉です。はい。
投稿: イカフライ | 2008/08/06 16:15