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2007/10/12

ピンポンの中味

 TBSの各番組は、試合翌日の今日になって、亀田マターから微妙に距離を置き始めている。
 おそらく、世論の圧倒的多数がアンチ亀田であることを思い知らされて、さすがに擁護しきれないと判断したのであろう。
 まず、「朝ズバッ」で、みのもんたが軽く揶揄する調子で、亀田一家をたしなめた。
 続く「ピンポン」では、局アナがモロな形の亀田批判原稿を読み上げ、福澤がかなり強い調子で亀田の反則をクサしている。
 試合の編集映像も、朝の段階と昼の段階のそれでは内容が違う。
 朝一番に「朝ズバッ」内で送出されたVTRでは、まだ亀田の攻撃場面を多く採用した亀田寄りの映像が採用されていた。が、昼前にピンポンで紹介されたVTRでは、亀田二号の反則場面中心の構成になっている。
 要するに、彼らは、亀田を捨てにかかってきているわけだ。
 卑怯だよな。
 ここまで、さんざん利用してきて、世論が保たないと見るや、いきなりポイ捨てだからね。

 亀田の子供たちの不品行はもちろん擁護できるものではない。
 が、それでも、あの程度の悪口は、ティーンエイジャーならよくある話ではある。
 オヤジも含めて、行儀の悪い家族というのは、どの町にでも一定数いて、それぞれに周囲との間で摩擦を起こしていたりする。たいして珍しい例ではない。
 問題は、だから、亀田家の不行跡そのものにあるわけではない。
 子供たちに限っていえば、犠牲者と言って良い側面すらあると思う。
 むしろ、特筆大書すべきは、公共の電波を任された許認可事業たる放送業者が、あのような無頼無軌道な一家に肩入れして、それを数年間にわたって商売にし続けてきたということだ。
 TBSは、これまで、三兄弟が揃ってアマチュアであった時代から、一貫して、彼らを追い続けてきた。そして、時には事実を歪曲し、伝説を捏造しつつ、亀田家の父親のあの人権無視の教育方針を称揚し、中学にさえ通わせてもらえなかった三男については、地元の学校や教育委員会から注意を促す声が届いていたにもかかわらず、それを無視しながらカメラを回していた。のみならず、自局の番組に出演する芸能人に、亀田擁護を強要(いや、タレントの方からすすんで提灯を持ちに集まってきたのかもしれないけどさ)し、そうやって亀田神話を補強完成させてきた。
 たとえば、みのもんたは、昨日の試合の当日まで、「とにかくあの三兄弟はお父さんのことを心から尊敬している。そこのところは立派だ」てなことを言って、亀田父の無思慮な教育方針(っていうか、教育の放棄)を賞賛していた。
 高橋ジョージ、テリー伊藤、和田アキコ、西川史子といった、TBSと縁の深い(というよりも、TBSないしは特定の番組と露骨に癒着している)タレントは、異口同音に、亀田家の素晴らしさを訴えている。
 あの三兄弟が、父親の命令によく従っているという、みのもんたをはじめとするTBS亀田擁護隊の面々の指摘は、たしかに、事実ではある。ああいう年頃の少年たちが、揃って親に従順であることが、今時珍しいありようだということも、その通りなのだと思う。
 とはいえ、暴力団構成員の家庭に、ああいう子供たち(つまり、幼少時から暴力的に制圧され続けてきた結果、絶対に親に逆らうことができなくなっている、萎縮したか哀れな子弟)が多いということもまた事実なわけで、従順さも時と場合によりけりだ。
 とすれば、親が子供を商売の道具にして、義務教育の現場にさえ通わせずに済ませてしまったあの一家の姿を賞賛するのは、なによりもまず人として無責任だし、父親の尻馬に乗って、三兄弟を商売のネタにしたプロデューサーの所業に至っては、言語道断と言って差し支えないと思う。

 とにかく、TBSの今後に注目しよう。
 もし亀田物件から降りるつもりなら、これまで亀田ノリを主導してきた人間に責任を取らせるべきだと思う。
 そうしないのなら、このまま一本道で亀田と心中するのが男の仁義だ。
 いずれにしても、がんばってくれ。
 応援してるぞ。いや、マジで。

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コメント

TBSは確かに、終戦後軍国主義批判を始めた教育現場みたいですね。まあ日本的なのかも知れないけど。

投稿: koz | 2007/10/12 16:06

亀田は所詮商品でしょ
値が下がればメディアは撤退する
当然じゃないかな?

投稿: 火山灰 | 2007/10/12 21:37

 小田嶋先生、これは商売のネタにするしかないですよ。エッセイで小銭稼ぐなんて細かい商売じゃなくて、単行本にする。
 内容はスカスカでかまわない。
「これは亀田現象をバッシングする本です」という印象を与えるように表紙をデザインするだけでいい。
 「水に落ちた犬はたたく」のが麻雀の基本ではありませんか。
 この手の本が今年中に出なかったら、私は日本の出版界の能力を疑うな。

「疑惑のリング」って本が昨年出版されましたが、キワモノネタをおいかけているだけで、亀田商売の批判になってない。

投稿: Inoue | 2007/10/12 22:22

世の子供達は成長過程で一度はグレたりするものです。
まぁなんというか、親を困らせる行動を無意識にとり、
それが成長って言う奴なんでしょうね。
親と対峙することで自分の足元が見えますからね。

つまり亀田家でのグレルって行為は、学校に通い
勉強することな訳で。

投稿: slider | 2007/10/13 02:09

38歳で未だ反抗期な俺が

誇らしくなってきました

のである

投稿: FF2遣い | 2007/10/13 04:48

亀田兄がランダエタに勝って世界チャンピオンとやらになった後、つまり八百長叩きが凄かったころの京都新聞スポーツ欄に、亀田騒動を考えるみたいな小記事が載っていました。そこで「普段の亀田兄弟は礼儀正しいし、ちゃんと敬語も使える」みたいな事がハッキリ書いてあったと記憶しています。あのキャラがプロレス的な演出であることをバラされていたわけですが、話題にはならなかったようです。京都新聞のオリジナル記事かどうかも分からないのですが、他に読まれた方はいないのでしょうか。保存しておけばよかったと思います。

投稿: アベドザデー | 2007/10/13 08:15

マスコミに利用されたという点では同情しますが、亀田父はそれを利用して子供たちを金儲けの道具として利用してきたと思います。
ボクシングは格闘技の中でも最も命に関わる危険をともなうスポーツ。選手は覚悟して試合に臨んでいるとはいえ、故意に反則を繰り返すことは傷害などの犯罪と一緒です。
後半のラウンドは勝つためでもなんでもなく、次に亀田兄が試合をするときのためになるべく多くのダメージを残すために反則を繰り出したようにしか見えません。若さゆえというなら玉砕覚悟でKO狙いに行くと思います。今回はまったく勝ち目がないので、最初から出血によるTKOだけを狙って頭から突っ込んでくるようなスタイルでボクシングとはいえません。
これまで亀田家ボクサーは勝つための反則を当然のものと思ってやってきましたが、他のスポーツで反則するのとは訳が違います。それなりの処分を受ける事は当然だと思います。

投稿: YURI | 2007/10/13 14:47

TBSサイドから見るとマッチメイクのミスではなく予定通りの
展開であったとは考えられないでしょうか?亀2の実力は素人目にもあきらかで将来性やカリスマ性も乏しく亀1の捨石として次戦の内藤×亀1の話題づくりとして今回の試合を組んだと。
判定、KOどちらで負けても若く経験不足といういい訳が成り立つ(現に使われている)し亀1の復讐戦の陳腐な筋書きが分り易くクサイ物語としてはピッタリだったのではないでしょうか。

局側の意向で進んだ話で実際にプロモーションとしてはジムにもましてや亀家にもその力はない。同時期に組んだ亀1の試合も普通に負けてくれていれば注目度は維持できたはず。
親亀にも勝つチャンスは充分あると吹き込み負けるのを待った。そして年末には内藤戦。ぎりぎり間に合うタイミングだが延びてもそれはそれでOK。
しかしこのDV家族のドキュンぶりは計算外だった。親亀は負けたくなかったのだ。現実を受け入れられる度量とその先のそろばん勘定ができなかった。挙句の果てには言質をとられとぼけることも出来ず。しょうがないので火消しに回りおかしな文面を発表。2週間前なのに対戦相手も決まっていない試合を延期。
ペナルティは馬鹿なヤツらに。ほとぼりが冷めるのを待つ。

投稿: finito | 2007/10/13 16:08

勤さんについていかに頓珍漢言辞まからいとるかかむがへるニ ホイおいそれと肯んずるこたーでけねー棚

投稿: FF2遣い | 2007/10/13 19:31

彼らのビジネスモデルが辰吉である事は明白ですが、辰吉
には、散々罵りあった、薬師寺を押し倒してしまった時に
立たせてあげて、平謝りしてしまう人の良さ、試合後に
「薬師寺は強かった。色々言った事を謝りたい」といえる誠実さ、地元判定での引き分けに涙を流しながら、レフリーに腕を上げられる事を拒絶する勝負への真摯さがありました。
なにより虚像を作る必要の無い、本当の天才でした。

投稿: m | 2007/10/13 19:31

サンデージャポン観ました。
テリーのお見事な掌返しと、ボクシングなどまったく知らないし、愛情もないジョージの、内藤への誹謗中傷(と言って差し支えないでしょ?)が噴飯モノでした。

投稿: m | 2007/10/14 11:49

ひにひに泣いたあかおにめいてきちよるでふある

投稿: FF2遣い | 2007/10/15 08:42

ホリヱトオナシニナツチタ

NEVER L EAR NED PEOPLE

投稿: FF2遣い | 2007/10/16 08:44

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