亀田の粗利
ボクシング的には、マッチメイキングのミスということ以外に、特に言うべきことはない。
亀田二号は、ガードを固めて突進するだけ。まあ、実力差からして、倒されないためには、ああするほかにどうしようもなかったのだろう。
結局、左右の目の上に切れやすい古傷を持ったチャンピオンがバッティングをこわがったため、倒されずに済んだわけだ。
反則も想定の範囲内。ずっとやってきたことだし。
バッティング、ローブロー、ホールディング、サミング、足踏み、頭から当たりに行くタックルなど、例によっておなじみの反則を展開していた。
ただ、12ラウンドに見せた吊り落としとグラウンドレベル(←という概念自体が非ボクシング的なわけだが)でのサミングは、新技に認定して良いと思う。
というわけで、ボクシングについての論評は以上で終了。
むしろ私が注目していたのは、TBSがどうやって軌道修正をはかるのか、だった。
が、もはや後戻りできないところに来てしまっているという判断なのか、あるいは現場が暴走して、上層部のコントロールが届かなくなっているということなのか、現場は意外にも、亀田ヨイショ放送に終始していた。
正気だろうか。
半年ほど前から、TBS本体は、どうも亀田との心中をいやがっているようにも見えたのだが、まだ、現場には色々な権力抗争があるのかもしれない。
ただ、土井アナは、さすがに実況を逃げたようだ。
まあ、いまさら逃げても遅いけど。
いままでの実況があまりにも黒過ぎたから。
むしろ、このタイミングで逃げたことで、かえって卑怯な印象を残してしまったのではなかろうか。
最後まで亀田ヨイショで行って、もろともに滅びる運命をまっとうしたということなら、それはそれで、最悪な中でも義理堅さだけは認めてもらえたかもしれない。
でも、土井ちゃんは、逃げた。
で、内藤側のリポーターなんかをやっていた。
いけしゃあしゃあ、と、だ。
これまで、亀田一家と組んで、思いっきり亀田寄りの実況を展開してきたのに、その亀田が落ち目になると見るや、いきなり逃走、と、そういうことですか?
あんまりだと思うな。
悪党としての最低の仁義さえ欠いている、と思う。
きつい人生になるぞ。
良識派からは眉をひそめられ、パンク派のやんちゃ万歳系の人々からは裏切り者扱いだからね。
で、かわいそうに、落ち目の亀田一家の実況を引き受けることになったのは、後輩の新夕とかいうアナウンサーだったのだが、これもひどかった。
型通りの偏向実況。
しかも、偏っている上にヘタ。
おまけに、偏っていてヘタな上に気持ちがはいっていない。
腐っても実況テクだけはあった土井アナよりも、さらにダメな実況だった。
まあ、かわいそうだけどね。あんな状態の亀田を擁護しなけりゃならない立場に置かれていたわけだから。
鬼塚、赤井もどうしようもない提灯解説を展開。
この人たちには同情できない。
だって、自分が半生を賭けてきた競技をこんなカタチで泥まみれにされて、腹を立てないどころか、積極的に泥を塗りに行ってるわけだから。プライドがないんだろうか。
このタイミングで、ぜひとも思い出しておかねばならないのは、ここまで来る間に、とんでもない量の翼賛報道が展開されてきたというそのことだ。
まさにメディアスクラムと言うほかに表現のしようのない、執拗かつ巨大な亀田ヨイショ報道があったからこそ、かくのごとき未熟なボクサーが世界戦のリングの上に立てたのである。このことを、われわれは忘れてはならない。
亀田次男に対してのヨイショだけでも、
みのもんたが、黄金のグローブをプレゼント
訂正:みのもんたが黄金のグローブをプレゼントしたのは、ヌルヌルの秋山成勲選手に対してでした。まあ、これはこれで黒歴史ですが。
いずれにしても、以下、おわびして訂正します(07年10月15日)
みのもんたの激励に、秋山は「勝利の美酒」を約束=HERO’S黄金のグローブプレゼントに大感激
- さんまが黄金のマイクをプレゼント
- キムタクが黄金のマイクスタンドをプレゼント
ということがあった。
おどろくべきことだ。
これは、21世紀のテレビ界の現状で考えられる、最強の大本営翼賛体制だと思う。だって、みの& さんま&キムタクですぜ。これ以上の圧力って、考えられないでしょ?
いったい、どんな報酬が介在していたのだろうか。
どうして、亀田一家は、こんなメンバーをプロモに駆り出すことができたのだろう。
考えれば考えるほど不思議だ。
いずれにしても、みのも、 さんまも、キムタクも、2006年4月に展開された黄金グッズプレゼント事件を、今後、黒歴史として、決して語らないだろう。マスメディアも、二度と振り返らないだろう。が、オレらブロガーは、ことあるごとに、この歴史的事実を執拗に反芻せねばならない。
ああ、あの亀田の次男に黄金のマイクスタンドをプレゼントした木村タクヤさんですね、と、今後、もしお会いする機会があったら、そういうふうに声をかけてみたいものだ。
たかがボクシングと笑ってはいけない。
おそらく、大東亜戦争における戦時報道にしたところで、発端は、「人気映画女優が予科練を慰問」みたいなミーハー乗りの世論誘導から始まったものであるに違いないのだ。。
時の文豪だとか、国民的歌手だとか人気俳優だとかいった連中が、異口同音に大日本帝国万歳を唱える中で、反戦方面の意見を持った人々が次第に声をあげにくくなって行ったのと同じようななりゆきが、少なくともTBS局内と、その関係者の間にはあったはずだ。
以下に、参考記事をあげておく。
「弁慶、さんまに、キムタクで、“カリスマ”の合体や!=5.5「亀田の日」兄・興毅は世界タイトル奪取へ慢心なし 」
スポーツナビ06年4月25日の記事です。
スポナビもある意味犠牲者でしたね。
マジメなサッカー記事や独自の切り口で頑張っていた野球報道を通じて築いてきた読者の信頼を、亀田関連の提灯報道(およびプライドがらみのヨタ記事)で、一気に失ってしまったわけだから。
ということで、さあ、仕事に戻るぞ(←棒読み)。
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コメント
減点をとられ、レフェリーに注意を受けているとき
妙なガッツポーズをしていた。もしかしたら
彼は何をレフェリーから言われたのか気づかずに
もしかしたら褒められている?って勘違いしたのかもしれない。そこらの酒場でボクシング談義をしている
オヤジの方がボクシングのルールを理解しているのかも
しれません。12Rの投げ技のときは、向かってくる内藤
を確認し、足を見て、しゃがんで、手を広げて
内藤の股に手を通し、抱えて、投げている。
”もうどうにでもなれ” って投げているのでは無く、
「投げる」との確信にもとづいて投げている。
あれは、反則失格のレベルじゃなくて、ライセンス
剥奪とは行かないまでも、懲戒やら一定期間の
制裁を受けるべき、朝青龍の髷掴み以上の、
タイソンの耳噛み以上の、歴史的大反則じゃないですかね。
投稿: slider | 2007/10/12 01:00
亀親子は、ただのヤンキーなんだろーな、と今日の試合見て思った。
ボクシングは喧嘩じゃないれっきとしたスポーツだとはとらえてないですよね。
この試合『蹴り』くらい入れてれば、即刻消えてもらえたのに。
つり落としの投げはすでに角海老宝石の渡邊もやっていて、反則負けになてないですから。
そんなことも刷り込み済みだったのでしょう。
投稿: katharine | 2007/10/12 01:00
いつもながらの鋭い分析で読み応えがありました。
亀田家にとっては、KO負けよりも、これ以上ないくらいの無様な負け方でしたね。
内藤の「思ったより、パンチが当たらなかったけど、ポンサクより全然弱い」という、アップダウンのある嫌味も秀逸でした。
ただ、この結果を受けても、個人的には、まったくもって、スッキリしません。やはり、彼らのおかげでボクシングが、取り返しのつかない傷を負わされており、今更彼らが没落しようが、手遅れな現状に絶望しているからだと思います。
しかし、同じTBSでもTVと違い、ラジオは何故あんなに公正なのでしょう?
解説の川島が亀バカの事をボロクソに言っていました。
さて、次は長男ですが、どうすんでしょ?
内藤に対しては実力、相性共に、分が悪いのは明白だと思うのですが。、
投稿: m | 2007/10/12 01:09
>同じTBSでもTVと違い、ラジオは何故あんなに公正なのでしょう?
TBSラジオは聴取率トップの局ですから、テレビ側も「ラジオでも放送してね」以外の口出しはできなかったのでは?と想像します。
投稿: j | 2007/10/12 01:47
先ほど録画を見たのですが、試合内容や報道はさておき、亀田選手が18才とは思えないほど落ち着いて試合していたのに驚かされました。ゴング後の手打ちのパンチの乱打や、傷口へのホールドからかち上げ気味のバッティングなどは、冷静でなければできない反則です。
おそらく、息子は父親に教え込まれた技術を愚直に実行していたのでしょう。ボクシング技術にとどまらず、人生の全てを父親に刷り込まれた息子達の将来について、なぜマスコミは言及しようとしないのでしょうか。
他人を殺傷することの専門家である格闘技者こそ、常識ある人格と、社会人としての責任が必要であると、競技者の一人として、常に思うところなのですが、最近の相撲協会の問題にしても、マスコミが格闘技者(に限りませんが)を世間常識から逸脱した怪物として祭り上げ、非常識性を黙認することこそ根本的原因ではないかと思います。
亀田の父親は息子たちを中学の授業にほとんど出席させていないそうで、通常の登校日なのでも、平気で合宿の映像などをTBSは報道しておりました。義務教育を放棄する父親を黙認する各マスコミやテレビ局が、教育問題云々を語る様は、醜悪を通り越してもはや喜劇です。
最近、先生の学歴についての著書を拝見させていただきましたが、高学歴者が集結するマスコミ側は、彼らの行動を黙認することで、逆に彼らを差別しているように思えてなりません。今回の試合でこのことが一番印象的であり、また悲しくもありました。
投稿: サイボーグMSX | 2007/10/12 02:34
>同じTBSでもTVと違い、ラジオは何故あんなに公正なのでしょう?
かつては同じ会社だったけど今は別組織。
だからたいした拘束力はない。
TBSラジオはかねてから亀田に対しては極めて批判的。
ラジオでは昨日の試合で「目のカットはバッティング」「明らかにわざとタックル」「内藤を巻き込んで倒れてる」「ボクシングになってない」「これは最低の試合だ」などとテレビとはまったく違った実況がおこなわれていました。
投稿: すう | 2007/10/12 05:07
ライターの片岡亮さんがブログで当日の試合の舞台裏を書いていますので参考までにどうぞ。
http://boxing.10.dtiblog.com/blog-entry-413.html
テレビで伝わらなかった試合内容から会場の様子から記者たちの混乱まで書かれててます。
投稿: すう | 2007/10/12 05:14
>すうさん、jさん
なるほど。ご教示頂き有り難うございました。
投稿: m | 2007/10/12 05:52
366 名前: 渡る世間は名無しばかり [sage] 投稿日: 2007/10/11(木) 20:49:40.14 ID:E6L6ywyN
確かに
世界を頂く者に共通の緊張は無いな ただ亀田家を突き動かす動機を知りたい
>>3
女の出る幕じゃねえ
投稿: FF2遣い | 2007/10/12 08:34
大毅の「おにいちゃん」の「お」だけは一貫に水を差すと、かねがね。
お先兵。
投稿: IE7遣い | 2007/10/12 13:09
スポルティーバ誌で、山崎コーちゃんともども、中田英寿マンセ~対談しかできなかった小田嶋さんも、似たようなもんかな(爆)
亀田ファミリーが×で、中田ヒダが○なのは何故なのかしら?
投稿: あ~胸糞悪い | 2007/10/12 23:24
いや、中田は別に八百長も反則もしてないだろ(笑)。
その二人を一緒にするのは無理がある。
投稿: とーばん | 2007/10/13 12:35
>すうさん
ご紹介の片岡亮さんブログ面白かったです。ありがとうございます。
なんかコメント欄が凄いことになってますね。こういう“炎上”の仕方もあるのか、と。
投稿: かず | 2007/10/13 14:03
イイタイコトはまあ分かります。しかし
>が、オレらブロガーは、ことあるごとに、この歴史的事実を執拗に反芻せねばならない。
…「オレら」の義務なんでしょうか?
そしてそもそも「おれらブロガー」は善なんですかね?
僕にTBSを擁護する気はない。ここで僕がいいたいことは、前置き長くなりますが下の通り。
ブログといった媒体で僕達は「個人の」「正しいと思っている」意見を発信できるようになった。
しかしブログが乗っかるネットワークとて
「ネチズン」と呼ばれるように世論形成がされている。
ここを考えると
僕が思うにブログ(ネット)は
様々な意見を様々な形で顕在化させるんじゃなくて
「大多数=善」といった観念(エクリチュールの方が正確かな?)を見えない形で強化しているような気がして、
それを踏まえるとあたかもブロガーは社会的正義だとして記事を書く(ように読める)貴方の考え方は
それは貴方のいう「大本営」と同じく危険だろうと思う。
勿論、貴方は「貴方の意見」が「個人的に」正しいと思って意見しているのでしょう。
読んでうんうんと頷ける一文一文はあります。けど、
そこにはフーコーやバルトが言うような社会的な力が働いていると思うし、その意味で
>が、オレらブロガーは、ことあるごとに、この歴史的事実を執拗に反芻せねばならない。
という動機に駆られて(僕にはそう読める)世論誘導を批判する貴方のこのトピックには
論理的に矛盾があるとおもう。2chのN速のようにね。
こういう捉え方しないで、もう少し軽めに読んだ方がいいですかね^^;
投稿: 長文ごめんなさい | 2007/10/14 12:55
>長文ごめんなさい さま
ブロガーが社会的正義であるなどと、私はそんなふうに考えたことはありません。
ブロガーは、ブロガー。
色々ですよ。
赤いブロガー、青いブロガー、右のブロガー、左のブロガー。
仮に、ブログを開設している個々の人間のうちに、個人的な正義を信じていたり表明していたりする人物がいるのだとしても、それは個人のご意見だというだけの話でしょう。
>それを踏まえるとあたかもブロガーは社会的正義だとして記事を書く(ように読める)貴方の考え方は
それは貴方のいう「大本営」と同じく危険だろうと思う。
ブロガーが、ブログという本人の庭で、あくまでも本人の見解を述べることを、どうして、「大本営」発の情報発信(←強圧的な情報統制の中から発信される一枚岩の思想)と同一視できるのでしょうか。どこも「同じく」ではありません。むしろ反対じゃありませんか。
ブロガーの意見表明を危険視するあなたのご意見は、結果として、思想信条の自由や表現の自由を妨害せんとする思想に結実しかねません。危険なのは、そういうあなたの考え方だと思います。 だって、愚かな大衆が思想を抱くこと(あるいは表明すること)は、危険であるみたいな、そういう話になるわけですから
>そこにはフーコーやバルトが言うような社会的な力が働いていると思うし、その意味で
>が、オレらブロガーは、ことあるごとに、この歴史的事実を執拗に反芻せねばならない。
という動機に駆られて(僕にはそう読める)世論誘導を批判する貴方のこのトピックには
論理的に矛盾があるとおもう。2chのN速のようにね。
この一文は、貴兄の言っていることそのものがまったく理解できません。悪文ですね。
フーコーやバルトがどんなことを言っているのか私は知りません。
ともあれ、私は世論が危険だと考えているわけではないし、世論誘導が危険だと申し上げているのでもありません。マスメディアによる一面的な情報による世論形成って不愉快だよね、と、そういうスジのお話を展開しただけの話で、だとすれば、ブロガーや2ちゃんみたいな場所で、マスメディアとは別の筋道の世論形成が行われることは、むしろ健康なことではありませんか。
それに、そもそも「世論に影響を与えないような(世論誘導に結びつかない)意見表明」なんてものが、可能なのでしょうか。
海に向かってバカヤローとか、ひとりごととか、ですか?
あるいは、わたくしどもブロガーは、なるべく世論に影響を与えないように、たとえば広告の裏にでもテキストを書いて満足すべきである、と、そういうことですか?
もちろん、N速のスレッドでは、面白半分の意見が増幅されることもあるし、「祭り」と称する集団リンチ的な言論が爆発することもあります。
でも、それも含めて言論ということですよ。
もしかして、フーコーもバルトも読んでいない人間は、意見なんか抱くな、ということでしょうか。
とすると、私も、意見表明をする資格を持たないことになるわけですが。
投稿: 小田嶋 | 2007/10/14 14:18
>観念(エクリチュールの方が正確かな?)
私に尋ねられても困ります。
ちなみに申せば、「エクリチュール」なる言葉を、私は知りませんでした。
で、早速ウィキペディアで調べてみたのですが、意味するところが了解できませんでした。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%AB
デリダという人が使い始めた用語なんだそうですね。
オダジマは、デリダ氏についても、まったく知識を持っていません。
ただ、ウィキペディアの要約するところを信ずるなら、「エクリチュール」は
「その思想家の数だけ、その意義が存在すると言っても過言ではないため、留意が必要」
な用語であるようで、だとすると、「エクリチュールの方が正確かな?」もへったくれもありませんよね。そもそも。
投稿: 小田嶋 | 2007/10/14 15:43
「長文」さん
ごじぶんがオダジマさんや他の人気ぶろがーのかたたちに嫉妬してること認めはったら
ずいぶん生きるのがらくになると思いますよ
あなたが一生懸命書いているごじぶんのブログが無人気なのは世論やデリダとはなんの関係もありません。
ただただ、おもしろくないだけなのです。
投稿: ソーダ | 2007/10/14 17:06
はじめまして。
ボクシングにほとんど興味のない自分が亀田さんが負けて
「イヒヒ」とどうして思ったのかそれが分からず色々な
サイトやブログ、ニュースを漁りました。
小田嶋さんの
>ここまで来る間に、とんでもない量の翼賛報道が展開され てきたというそのことだ。
まさにメディアスクラムと言うほかに表現のしようの
ない、執拗かつ巨大な亀田ヨイショ報道
という意見には非常に共感を覚えました。
マクルーハン言う所の「メディアはメッセージである」を
地で行くメディア、それに対する批判はこの亀田戦において
私がなぜ「イヒヒ」とさせられたのかの理由の一つとして
的をとても突いています。
小田嶋さんはメディアの暴走の懸念について語っていますが
「長文」さんは多分、その点では小田嶋さんと意見を大きく
「異」としない、むしろ同意されているのではないかと思います。
ただ「長文」さんはインターネット上でもメディア発信では
なしに個人発信による「世論の暴走」が起きないかを懸念
されているのだと思います。
今回の試合はひどい試合でしたし、繰り返しますが私も
「亀田負けてイヒヒ」と思いました。
そうして「イヒヒ」と思っている人は私だけではない事、
むしろ大多数がそう思っている事をネットをうろついて
確認しました。
しかし一部のサイトでは「それでも亀田ファンだ」という人
を袋叩きにしているのも見受けられました。
>様々な意見を様々な形で顕在化させるんじゃなくて
「大多数=善」といった観念(エクリチュールの方が正確
かな?)を見えない形で強化
「長文」さんは小田嶋さん個人やこのブログの事ではなく
小田嶋さんが大事にされている「思想信条の自由」や
「意思表明の自由」を奪っているそれらの動き(つまり亀田
ファンを叩くような行為、どんなに亀田が悪くても亀田ファン
であるのも自由ですよね)に対する危惧だと思います。
実際に「長文」さんは何故かソーダさんから小田嶋さんに
「嫉妬」しており「ブログも不人気」とされて暗黙の内に
発言を抑制されていますね。
>マスメディアによる一面的な情報による世論形成って
不愉快だよね、と、そういうスジのお話を展開しただけ
の話で
イラクの「三バカ」の頃から「長文」さんの仰る「ネチズン」
が激化していき、ネットによる一面的な世論形成が見受けられ
それについて「長文」さんは語っているのだと思います。
キャス・サンスティーン著の「インターネットは民主主義の
敵か?」という著作においても個人サイトが同じ意見の人達
を束ね、その思想を強化させ合い(エコー・チェンバー)
それによって思想が激化し世論となっていく事の危険性に
ついて触れられています。
最後になりますが「エクリチュール」なんてそんなに
コムツカシク考える言葉ではなく「喋り言葉」に対比した
「書かれた言葉」ってほどの意味合いとして使っておられるの
ではないでしょうか。
でも「長文」さんフーコーやバルトまで持ってくるのは大鉈
振りすぎです(苦笑)。
「知の権力」といわれても仕方がありませんよ(苦笑。
投稿: もしかしたら私も長文? | 2007/10/14 21:23
>もしかしたら さま
ネチズン(ないしはネトウヨ、あるいはネットイナゴ)と呼ばれる人々の集団的な言論のあり方が、見ようによっては、相当に薄気味の悪いものだという点については私も同意します。
しかしながら、ネチズンの不気味さの主たる部分は、彼らが「匿名」というリスクを負わない立場から石を投げていることに起因しているもので、その意味では、ブロガーの発言は、ネチズンの暴走とは別に考えるべきだと思います。それに、ネチズンの「祭り」にしたところで、ネット誕生以前から常に存在していた群集心理と、そう遠いものではありません。
群衆のいる場所(デモだとかストライキだとか市民運動だとか提灯行列だとか)には、いつも熱狂と同調と単純化と暴走がありました。いまでも同じです。
マスメディアに属していたり、正統な言論的立場に立脚している人々(つまり、メディア内に発言する場所を持っている人間)は、きちんとした教養(←って何なんでしょうね?)を持っていない人間たちが、衆をたのんで発言することに嫌悪感を抱くものなのかもしれません。。
でも、ブログの炎上を面白がって集まるネットイナゴの連中にだって、彼らなりの理屈はあるわけです。
もちろん、そのネットイナゴ諸君の暴走をそのまま正義と認定するわけには参りませんが、まっとうな知的教育を受けた者が、正しい経路(アカデミズムとかジャーナリズムとか論壇とか文壇とか市民集会とか機関誌とか)を通じて発したものだけを「言論」として扱ってきたこれまでのあり方が、この先通用しないことだけは、確かであるはずで、そのことは、方向性として、望ましいことなのだと私は考えています。
でなくても、言論というものが、初対面の人間に向けてフーコーだのバルトだのエクリチュールだのといった単語(ないしは人名)を既知の事実として持ち出してくることを奇異なマナーと思っていない人たちの間で、大人の玩具みたいな形で流通し続けている現状が健康なあり方であるとは思えません。
私自身は、たとえばシュガー・レイ・ロビンソンみたいな人名を持ち出す時には、その前に、相手の顔色を見ます。で、相手が知らないかもしれないと判断した場合には、「ずっと昔、シュガー・レイ・ロビンソンというボクサーがいて、私はその人のビデオを見たことがあって、たいそう感心したのですが、そのシュガー・レイ・ロビンソンがですね……」というふうに、なるべくしったかぶりと思われないように話します。まあ、自己保身と言ってしまえばそれまでですが。
投稿: 小田嶋 | 2007/10/14 22:50
義務教育放棄の親と言えばもう一人!
横峯ヨシローですね!(ヨシローにシローって名前も似てる)
さくらが練習のために学校を休み、そのことでクラスメートにいじめられたとかで、学校に乗り込んだと自慢していました。
こういう親はおかしいんだ!というのをTVでちゃんと言ってくれないと、真似する親が出てきそうで怖いです。
ちなみに、どちらも子供が3人で、全員同じスポーツをやらしています。
横峯家の姉二人は根性があったので、ヨシローに反発して一時ゴルフをやめていたみたいですが。
投稿: mari | 2007/10/14 23:42
先日の興毅選手の試合…負けっぷり、見ました。翌日の報道で。
感想は『やっぱりなー。』
弱いくせに大口叩くな、が世論だと思います。
でも、散々マスコミに取り上げられた通り、トレーニングは素人にはなかなかできないものだと思いますし、彼は努力していない訳ではないのです。ただ、相手が悪かった。
大毅選手の試合もたしか判定でしたよね、。そこでマスコミが一斉に彼を叩いた。
でも、私は、マスコミのそれは彼らの努力を舐めてるとしか受け取れない。
もちろん、毎回のマスコミや対戦者に対するため口、悪態…。私が相手なら赦さざる行為。腹が立たないとは言いません。彼らの未熟さ、トレーナー(お父様)の不注意さを除けば。
社会は、勝ち負けにあまりに終着しすぎではないか。
盛り上がるな、とは言いませんが、稚拙なのは周りの大人もではないでしょうか。
投稿: ケフィア | 2007/10/15 00:09
>小田嶋さん、
レスありがとうございます。
>群衆のいる場所(デモだとかストライキだとか市民運動
>だとか提灯行列だとか)には、いつも熱狂と同調と
>単純化と暴走がありました。いまでも同じです。
私も同意見です、仰るとおりだと思います。
前述のキャス・サンスティーンの著書には古代ギリシア
まで遡って討議性民主主義の重要性に1章を割いています。
ですから
>このブログの事ではなく
と加えたのですが、誤解があれば申し訳ありません。
エクリチュールもフーコーもバルトも高校の現代社会で
習った単語(人名)でしたが、小田嶋さんの顔色を見ながら
書くためにはかなり長い首をしていなければなりませんでした。
短い首しか持っていなくてすみませんでした。
やはり義務教育以上の言葉をネット上では使う事は「奇異な
マナー」なんでしょうか?
私は「翼賛報道」と言う言葉を中学生の頃習った事がないか
習っても忘れてしまってるバカたれです。
知ったかぶりにならないように
>コムツカシク考える言葉ではなく
>フーコーやバルトまで持ってくるのは大鉈振りすぎ
と加えたつもりなんですが。
これはもはや「亀田」論ではなく「ネット」論に変わって
きましたね。
これ以上の板汚しは失礼ですので華麗にスルーして下さい。
投稿: もしかしたら私も長文? | 2007/10/15 00:19
さんまが亀田兄弟と交流をもつきっかけはレギュラーラジオヤングタウンで詳しく語っていますけどね。
キムタクはさんまが亀田兄と食事をする事になってキムタクもよんでからの付き合いで、さんまとキムタクに関しては文章にあるような報酬が介在する感じではないと思いますよ。
一例として、観覧チケットに関してもTBS招待じゃなく亀田からの直招待なので、逆にお祝金が高くついたとボヤいておりました。しかも、直に電話連絡して待ち合わせしてジムまで一人でチケット受け取りに行ったとか。その時お茶も出してくれなかったとか・・・
投稿: とんく | 2007/10/15 06:47
>とんくさま
なるほど。ってことは、あの「黄金の3点セットプレゼント」は、
1. あくまでも有名人同士の心あたたまるプライベートな交友に過ぎないもので、
2. それを、複数のメディアが、偶然かぎつけて、なぜか一斉に大々的な報道を展開した現象なのであって
3. プロモでもなんでもないし、
4. まして、番宣がらみの事前活動なんかではまったく無い。
5. だから、報酬だとか見返りだとか条件だとか相互便宜供与だとかそういうものは一切発生していない。
と、そう考えるべきだ、ということですね。
6. 有名人であるあの人たちは、誰かに何かをプレゼントする時には、いちいち記者を呼んで、写真を撮らせるもので、テレビカメラがはいっていたのも、あくまでも偶然。
7. 3人のプレゼントが、足並みを揃えて黄金グッズという方向で一致したのも、まったくの天の配剤というヤツで、誰が書いたシナリオでもない。
と。
投稿: 小田嶋 | 2007/10/15 10:49
>エクリチュールもフーコーもバルトも高校の現代社会で
習った単語(人名)でしたが、小田嶋さんの顔色を見ながら
書くためにはかなり長い首をしていなければなりませんでした。
短い首しか持っていなくてすみませんでした。
やはり義務教育以上の言葉をネット上では使う事は「奇異な
マナー」なんでしょうか?
勘違いをなされているようなので。
フーコーやバルトについて、名前だけなら私だって知っておりましたよ。その他、アリストテレスにしてもショーペンハウエルにしても。あるいはもっと難しい人たちの名前だってたくさん知っています。
でも、その彼らの本をきちんと読んで、理解しているのかというと話は全く別で、たとえば私は大学の授業で、1年間にわたってフッサールの学説(「世界観の論理」だかの授業で、担当教授がフッサールをやっていた人でした)を学びましたが、誇張抜きで、一言半句すら理解できませんでした。まあ、腐った授業でしたが。
なので、人前でフッサールの名前を持ち出すようなことはしません。
>そこにはフーコーやバルトが言うような社会的な力が働いていると思うし、その意味で
というような言及の仕方は、残念ながら、高校の授業の範囲(まあ、上の引用にしてもエクリチュール云々にしても、貴兄の発言ではありませんが)でカバーできるものではないと思います。
いずれにしても、高校の授業で名前だけ知った程度の人名を、どんどん引用するタイプの人間を、私は信用しません。
投稿: 小田嶋 | 2007/10/15 15:31
みのもんたが、グローブをプレゼントしたのは、秋山選手でした。
同じような時期に、同じような選手に肩入れ(みの氏は、ランダエタ戦以来、亀田一家に対しても、一貫して応援する姿勢をみせていました)していたので
http://sports.livedoor.com/article/detail-3729808.html
勘違いしたようです。
どうもすんませんでした。
本文も訂正しておきます。
投稿: 小田嶋 | 2007/10/15 16:44
さんまが亀田兄弟と交流をもつきっかけはレギュラーラジオヤングタウンで詳しく語っていますけどね。
キムタクはさんまが亀田兄と食事をする事になってキムタクもよんでからの付き合いで、さんまとキムタクに関しては文章にあるような報酬が介在する感じではないと思いますよ。
一例として、観覧チケットに関してもTBS招待じゃなく亀田からの直招待なので、逆にお祝金が高くついたとボヤいておりました。しかも、直に電話連絡して待ち合わせしてジムまで一人でチケット受け取りに行ったとか。その時お茶も出してくれなかったとか・・・
http://takoashi.air-nifty.com/diary/2007/10/post_5ebb.html
>とんくさま
なるほど。ってことは、あの「黄金の3点セットプレゼント」は、
1. 、
2. それを、複数のメディアが、偶然かぎつけて、なぜか一斉に大々的な報道を展開した現象なのであって
3. プロモでもなんでもないし、
4. まして、番宣がらみの事前活動なんかではまったく無い。
5. だから、報酬だとか見返りだとか条件だとか相互便宜供与だとかそういうものは一切発生していない。
と、そう考えるべきだ、ということですね。
6. 有名人であるあの人たちは、誰かに何かをプレゼントする時には、いちいち記者を呼んで、写真を撮らせるもので、テレビカメラがはいっていたのも、あくまでも偶然。
7. 3人のプレゼントが、足並みを揃えて黄金グッズという方向で一致したのも、まったくの天の配剤というヤツで、誰が書いたシナリオでもない。
と。
小田様
わざわざコメントありがとうございます。
1.について
キムタクはさんまのことを親友とさえ言ってるほど、さんまとキムタクがプライベートで非常に仲がよいのはご存じですか?
テレビでは多くは語られませんが、両名のラジオ番組ではしょっちゅう語られてることです。
2.について
きっかけは亀田の対サマン戦軽量の際にさんまの写真をもって登場したことからですが、これについてはTBSなりのまわりがさんまを引きずりだすという思惑も介在していたとも考えられますが、この時はさんまは名前を出してくれたお礼に何か贈り物をするという程度のことをTBSを通じて連絡していたみたいです。ただしこの時はそういう約束をしたことすらさんまは忘れていて、後日ミネラルウォーターを贈ったとかなんとか。(ちなみに軽量時に使われたさんまの写真にもなんであの写真なんだとかいろいろ憶測がありまして・・・あれ、マスコミ等が用意する宣材写真じゃないんですよね)
3.4.7.について
亀田・TBS側がさんま・キムタクを利用たプロモ、番宣がらみの事前活動に決まってるでしょう。ただしさんま・キムタク側は会見などにも姿を見せてない等、あまり積極的でないことは分りますよね。この辺りの何故、両名が金の贈り物を贈ることになったかといういきさつ等もラジオで語られてます。
まあ、当然、事前にプロモに使用することは事前了解があってのことでしょうし、どこで誰が、あんな下品な贈り物を購入資金を含めて調達してきたのかはいろいろと邪推してもいいのでしょうが。
5.について
またラジオでの話になりますが、TBS側は特番を含めてさんまを試合にからめた番組に出てもらおうとアプローチしているようですが、試合が早く終わっための穴埋めコメントすらさんまは拒否していて、お笑いバラエティ等での共演しか実現していないのが現状のようです。キムタクもしかりですよね。
そういう状況で、報酬だとか見返りだとか条件だとか言うのはナンセンスではないですかね。
6.について
だから、記者発表してるのは亀田・TBS側だけでしょう。
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亀田問題に関わらずテレビを含めたマスメディアには裏がありそれを読む楽しさがあるのも当然分かってますが、この件に関しては、まあ、普通に眺めていたら、おっちょこちょいのさんまにキムタクが引きずられて痛い目にあったというのがしっくりきますけどね。
ちなみにランダエタ戦以降、さんまは「付き合いがあるから亀田側」と前置きしながらもかなり批判的に亀田家を語っています。今後、試合を見にいくことも無さそうです。
投稿: とんく | 2007/10/15 19:09
>とんくさま
私とて、さんまだとかキムタクみたいな立場の人間が、いまさらはした金ほしさに動いたなどとは思っていません。
ただ、TBSが亀田一家の存在を巨大にみせかける過程で、キムタクの知名度やさんまの人気を利用するということはあったはずで、彼らもそれを知りながら、名前を貸したのは事実だったのだろうと考えているわけです。
「報酬」がカネではなかった可能性もあります。
「つきあい」や「義理」(つまり、彼らがTBSなり亀田周辺の誰かと付き合っていく上で、どうしても断り切れない行きがかりがあったとかなかったとか、そういう話です)みたいなものが介在していたのかもしれないし、冠番組や接待ドラマに関わる条件じみた話があったのかも知れません。
とにかく、私としては、さんま&キムタクと亀田一家の間に、純粋な友情が介在していたようにはどうしても思えないわけです。
まあ、彼らの間に友情があったというのなら、それはそれでまた面白い話ですが。
いずれにしても、私は
>おっちょこちょいのさんまにキムタクが引きずられて痛い目にあった
というほど、無邪気な話だとは思っていません。
問題は、メディアの内部にいる人々が「身内」という感覚の中で、お互いに利用しあっている癒着構造(つまり、有名人同士が互いの名声を利用し、複数のメディアが互いの影響力を合算してコトを起こすということ)にあります。
今回の騒動も、どうせカメの尻尾を切り落とすことで、すべては落着するのでしょう。
他の民放局がTBSを責めることもなく、新聞や雑誌がブームの仕掛け人を断罪することもなく、その他のマスメディアが亀田を擁護した人々の名前をリストアップして攻撃することもないでしょう。
そういうことです。
くだらん騒ぎですよ。
すべてが終わってみると、無知な父子家庭の哀れな子供たちが使い捨てになっていただけの話で、亀田ムーブメントの恩恵にあずかっておいしい思いをした人々は、誰も傷ついてないわけですから。
というわけで、私は次週の読売ウィークリーでテリブル伊藤の話でも書こうかなと思っています。
竜宮城で遊んだ人たちには、誰かが玉手箱をプレゼントしてあげないといけないのでしょうから。
投稿: 小田嶋 | 2007/10/15 19:56
やったれ〜
できたらここにもうpきぼん
全然関係ないが「長文」と「もしかしたら」は同じ人に見える。頭悪そうさが。いちいちまともに相手する小田嶋さんの律儀さに萌
投稿: き | 2007/10/16 01:50
キムには弱めのケムリ頼み申しあげまする。やつが闇の顔をたといもっていてさえ、義理があるのでありまふる。
大毅がニヤリともしなかったことに俺はなんちゃってヒールではないなにものかを観たので。フルボッコは俺の仕事じゃねーなと思いましたる。
投稿: FF2遣い | 2007/10/16 07:35
あと、俺がフラ現代思想から学んだことは
「韜晦韜晦そして韜晦の中に、一滴劇薬を隠せ。
甘く考えてはならない」。
五月革命の失敗だけで、大量生産される居丈高淫乱女とホモ。
「お前は、世界を巻き込むのだ そのことを忘れてはならない」。
ミニスカートを苛め抜くジーンズ女。俺は宅配バイトで手コキ女が平凡なジーンズ女子大生を装い給料を受けとったを垣間見 ははむ 思いましたる。
偽装は 並じゃあねえと。
投稿: FF2遣い | 2007/10/16 07:48
遅ればせながら読売ウィークリー読みました。Good Job!
しかしアレでもなお、溜飲が下がったとは言い難いですよね。
あーいうヤツらは、テレビ業界という限られた世界の中ではしっかり生きていけるのでしょうが、その外に足を踏み出せば汚らしいクズにすぎないんだよ、と思い知らせてやりたいものです。
投稿: kettsu | 2007/10/24 23:56