減量苦
近況などを少し。
- ああ、減量中だよ。
- っていうか、減量以外ほとんど何もやってないぞ。
- つまり、アレだ。何事かを成し遂げるためには、ほかの色んなことをあきらめないといけないってことだよ。勉強になるだろ?
- とにかく、ゴールデンウィーク明けからこっちの約1ヶ月半の間、節食に励んでいます。
- 基本的な原則は「太陽が昇っているうちは、ものを食べない」ということ。うん、イスラム方式。ムスリムになったわが友トルシエに敬意を表して。
- まあ、お菓子ぐらいは小ずるく食べてるわけだけど。
- それでもなんとか、一日一食+ビタミン剤+手近な菓子類で一日をしのいでいます。
- 運動はしたりしなかったり。面倒くさいんでね。
- そんなこんなで、この50日ほどの間に、約6kgの減量に成功。パチパチ。
- うんわかってるってば。「安全で理想的な減量ペースは1月に2キロまでです」だとか、そういうお話がしたいんだろ?
- そのテのきいたふうなお説教は、ぜひ冷静な人間に言ってあげてくれよ。オレは聞く耳持たないから。
- 第一、冷静な人間が減量なんかすると思うか?
- いや、冷静な気持ちで減量を始めた人間がいたとしても、だ。減量中の人間が冷静でいられると思うか? メシもロクにくってないのに。
- で、減量以外は何もできてないわけだよ。さっきも言ったとおり。
- つまりどういうことなのかというと、この一月半の間にオダジマが成し遂げた仕事は、「ふだんの半分しかモノを食べない」というそのことに尽きるわけだ。おどろくべきことに。
- いや、定期刊行物の連載分だとか、最低限の仕事だけはなんとかこなしましたよ。「減量のおかげで本当に食えなくなりました」なんて、シャレにもなりゃしないから。
- でも、食わんがための仕事以外の、世間の付き合いやらなにやらは全部シャットアウトさせて貰ったわけだ。
- ん? ものを書く人は見聞を広めないと、だと? ふん。くだらねえ。見聞なんぞくそくらえだよ。大体、食い物もロクに食ってないのに目や耳が機能すると思うか? 無理だよ、無理。呼吸と睡眠で精一杯。なんにもする気がしないね。
- 仮にコンサートのチケットだとか芝居の招待券だとかが手に入ったとして、オレは行かないよ。タダでも。迎えのハイヤーが来てさえ。
- だってそうだろ? 「こんなに腹がへってるのに、わざわざ都心に出かけて行って音楽なんか聴く気分にゃならねえよ」と、そういうことなわけだよ。
- もし、この一月半の間に、人生を左右する出来事であるとか、どうしても成し遂げないとならない大切なミッションだとかがあったら、オレは即座に減量を放棄して、メシを食ったはずだと思う。だって、食べないと気力が湧かないわけだし、気力が湧かないと人生にぶつかっていくことはできないじゃないか。
- そういえば、禁煙の時もそうだった。最初の一ヶ月は、禁煙以外のあらゆることがすべてストップしたっけ。
- 禁酒の時も同じ。禁酒にかかりきり。禁酒とトランキライザーと抗鬱剤で奇妙なテンションになって、空回りしておりましたね、少なくとも半年ばかりは。
- 結論:減量はヒマ人にしか達成できない。
- とりあえず、10kg落とすところまではやってみようと思っている。
- で、リバウンド、と? かもしれないな。上等だよ。人生浮き沈み。ヒューマントランポリン。結構じゃないか。畜生。
- ため込んだ仕事がドミノ式になってるんで、詳しくは後日。ではでは。
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コメント
私もメタボリといわれるふとっちょです。
老人健診なんかでヤセロといわれ、どうしたらいいんだと言えば、食い物減らして運動しろ。この歳じゃもうめんどくさい。これ本心。
それにつけても相変わらずの冴えたコメント。
この期間、減量以外何もしなかった。
運動なんか面倒くさいだけ。
冷静な人間が減量なんかすると思うか。
一ヵ月半何をしたか、「普段の半分しか食わなかったことだ」
代弁してもらっているような、面白くも哀しいパラドックス。
私と違って、この世に生きき続けていただきたい人には、ご苦労ですが減量にも頑張っていただきたいと思います。
投稿: 小高英二 | 2007/06/22 18:59