« サルコジとか | トップページ | 孤立力 »

2007/05/16

デブを生き抜く

 デブがらみの話ばかりで恐縮ですが。気にしてるのでね。
 厚生労働省によると、成人男性の二人に一人にメタボリック症候群のおそれがあるんだそうだ。テレビ(TBS、の夕方ニュース)で言っていた。
 なるほど。
 ところで、この「メタボリック症候群」というのは、いわゆる「肥満」とは違うんだろうか。
 ……このテの話は、もはや検索すればわかる(っていうか、最近、このテの新用語だのについて、マジメに文章を書く気持ちになれましぇん。だって、どうせググればわかることだし、ウィキペディア経由の知識を得々と披露するのもなんだかアレですし)ネタに過ぎない。だから、これ以上説明しません。
 で、詳しくは検索していただくとして、奇妙なのは、この「メタボリック症候群」という目新しくもかしこそうな響きを備えた言葉の、その診断基準がえらく大雑把であることだ。
 腹囲85センチ……って。
 人間っていろいろだぜ。
 こんなアホみたいな基準で良いのか?

 要するに
「肥満はヤバいよ」
「デブは健康に良くないぜ」
 と、昔から言われている同じセリフを繰り返せばこと足りるお話だったんじゃないのか?

 が、厚労相およびマスメディアは、古くさい教訓話を繰り返すことをせず、あえて「メタボリック症候群」なる新しい概念を創出することで、肥満に対する注意を喚起しにかかっている。
 なぜなんだろう。
 彼らはどうしてこんなまわりくどい作業にあえて従事しているのであろうか。

 以下、私の邪推を述べる。
 彼らが、メタボリックという新しい旗を振りまわしている理由は、「肥満予防」という昔ながらの生活目標が、あんまり産業的じゃないからだと思う。つまり、肥満を予防しましょう。減量しましょうというお話は、食事回数とか、あるいは一回の食事量とか、カロリーだとか脂肪摂取量とかタンパク質炭水化物総量だとかいった、いずれにしても、食事にかかわる何かを「減らす」方向の運動として結実する。と、これは、お国やメディアにとってはあんまり望ましい動きではない。
 なんとなれば、彼らは常に何かを「奨励」したり「促進」したり「活用」する方向の施策を考えたがる人たちであり、同時に、何かの消費を「減らし」たり「削減」するようなタイプの国民運動には死んでも関わりたくないと考えている根っからのアジテーターであるからだ。
 ありていに言えば、「知ってるか? マヨネーズって、同量のバターと同じカロリーを含んでるらしいぜ」「肉は肥るよね」「コメの食い過ぎもキツいぞ」「伝票メシって直接皮下脂肪になるよね」「っていうか、外食自体デブ化要因じゃね?」みたいなお話は、景気を下方誘導しかねないと、彼らは考えているわけだ。テレビ屋さんたちとしても、減食キャンペーンみたいなメッセージが、幾多のスポンサー企業の機嫌を損ねることには、当然気づいている。
 そんなわけで、「メタボリックシンドローム」関連のニュースにおいて、彼らが提示する国民のあらまほしき生活態度は、決して「節食」や「減食」という方向には向かわない。その代わりに、メディアは「適度な運動の必要性」みたいなことを、ぜひもので強調する。だって、その方が消費の拡大につながるから。
 で、ついでのことに、「おすすめの低カロリー食品」「ダイエットに役立つメニュー」「定番の運動器具」「この夏にやってみたい新スポーツ」てな調子の、いずれにしても何らかの商品を新たに購入する形のメタボリック対策を提案してくる。うん。何かを売りたいわけだよ。結局、彼らは。
 本当は、「食べない」「飲まない」「無駄な付き合いをやめる」「くだらない会食を断る」「グルメ情報に踊らされない」というのが減量の本筋なのに、だ。

 てなわけで、今日は、午前中に原稿を2本片付けて、自転車に乗った。
 荒川河川敷を下流方向に西新井橋まで走る。この間約7キロ。橋を渡って本木、本木南、扇といったあたりの町を抜けて環七にぶつかる。で、環七沿いに鹿浜橋まで走って帰宅。往復で約15~6キロ。まあ、だからって急に痩せるわけじゃないけど。

※おまけ

0516
ポタリング途中で見かけた石材屋さんの店先風景。 ハ○太郎、マ○オ、ド○えもん、ミッ○ーマウスなど、おなじみのキャラクターがお茶目な石像になっている。 ディズニーや任天堂の皆さん。勘弁してあげてください。素敵なオマージュですよ。

|

« サルコジとか | トップページ | 孤立力 »

コメント

なんか小太りの人が写真を撮っているのがガラスに映っているんですが…

投稿: hole in the world | 2007/05/16 20:17

>hole in the worldさん
>なんか小太りの……

 んー……、心霊現象だと思います。

投稿: 小田嶋 | 2007/05/16 21:02

うちの夫も小田島さんと似たお年頃です。そして長年レッズサポです。
同じようにお腹のたるみが気になりだしました。
そこで先日、レッズモデルのマウンテンバイクを購入し、
せっせとチャリ通勤を始めました。
とっても乗りやすいそうですよ。
えぇ、だからって急に痩せるわけじゃないけど。

投稿: ひるね | 2007/05/16 21:58

少々太ったところで肺がんになるよりはマシでしょう。肺がんよりは。

投稿: M | 2007/05/16 23:22

 「食べない」「付き合いをやめる」で、半年で15キロ痩せましたよ。至極健康です。月2回、成分献血するぐらい。
 なんで巷にあんなにダイエット本が出てるのか不思議ですね。一銭もかからない(むしろ金が節約できる)ってのに。

投稿: Inoue | 2007/05/17 06:16

「代謝性症候群」だと、なんだか代謝酵素の遺伝子異常みたいなものを連想してしまいそうです。横文字のままだと(もともと概念そのものは欧米発)、ちょっとマイルドな印象かも。「デブ」は差別語かもしれませんが、今のところ「メタボ」には、侮蔑的な語感はあまり付与されていないような。「痴呆」→「認知症」、「分裂病」→「統合失調」みたいな言い換えに近いかと。でも、要するに「糖尿病/心筋梗塞/脳梗塞/腎不全」予備軍ということですから、物流・外食産業への配慮というより、単純に医療経済面からのキャンペーンだと思いますよ。

投稿: bbdqn | 2007/05/17 07:38

えーっとですね。アメリカ映画「THE CORE」の話は前しましたやね。

果たして今の異常気象が「アメ(ダ公)の超科学に拠るヤラセ」なのか(科学公開の原則は超絶的に死文化してますのでそのことも頭の片隅には)、やっぱすポールシフト(も少し突き詰めるとポールワンダリング)がおきつつあるのか…今手元のコンパスはさほどおかしな向きには向いてませんが…ム 話が散漫だぃ…それを勘案すっとですネ。

オゾンホールの理由はフロンガスでは毛頭徹尾アリエナス。

フロンガスが、小規模発電に経済的かつ有用過ぎるのです、おそらく。

フロンガスの気化熱に拠る冷気と、温水に拠る温度差、それを用いた発電は、多いに大いなるとれめんだすわんだふぉーな電力インカムを齎すのです、かなりのローテクで。その先手を打ったと俺は見てますのである。

これを基礎に常温核融合を軌道に乗せられた日には。誰とは言わねど語らねど、書かねど描かねど黙らねど、優雅~~~~~にゃお暮らしとはバイバイバイナラばいばいきん。なんではないしょかね。

俺の懸念はこっだにようけ仕組まれた出来レ…

おとことおんな~♪ 小椋さんもいけずやわァ。って俺のことなんか頭になかったしょけど。計鼓舞即浜QUO間たない、ッテガー たなぐ、ってここの言葉で 担ぐ ってことなんすよネ。

ま、後はことが進んでいかねとマタマタガイでキチな扱いをされかねんので。こぐらいで。アデュオースアミーゴ北京巻き~ノシ

投稿: MeXi | 2007/05/17 08:23

メタボリック世に憚る。w

投稿: koz | 2007/05/18 10:05

こんにちは。養老孟司先生が
メタボリックについて
「半分も異常にするとは何事だ」という
趣旨のことを書いて怒っておられました。
私もつまらないことだと思っています。

結局こうした中高年のデブいじめは、
カテキンとかのトクホものが売れすぎて
しまうことの反動なのではないかと思います。
売れることが錦の御旗になってしまい、
結果少数派への理不尽な攻撃が
正当化されてしまっているのでしょう。
「あるある大辞典」の事件もそうですが、
ご指摘の通りで現代日本のひとつの
病理であると見ています。

一昔以上前ですが筒井康隆氏がデブを
弁護しておられたのですが、
現代とは周期的にデブいじめが生じる
時代なのでしょうか。
しばしば問題はことデブだけに
とどまらないので何とかならないかと
思っています。


私も実家に帰ると母が健康健康と
ばかりいう病気になっていて
辟易しております。

投稿: bun | 2007/05/21 11:11

股々某つぶさりた寮の話をして恐縮ですが…初めてでした?まぁともあれ。

69年の闘争に「勝利」したけど大衆の眼にはニャハニャハとしか映らなかったことを思案した寮生の中に、「もう政治では大衆を釣れないベシ。こりからは健康だベシ」と発案した者が居るとの米ントを、俺は寮のテープ起こしのバイトで聞きながらキーパンチしましたです。

こんなこと書いて叱られるかな?

でもしかし 叱られるほどにナニクソる

投稿: MeXi | 2007/05/22 18:35

追伸:livedoorニュース
http://news.livedoor.com/article/detail/3170003/

デブエモン(一瞬期イケメモン)、俺ぁ同時期居たんすけど、顔…観た?観ない?観てたら中寮と北寮の渡り廊下で見られたことがあったかもです。下から見上げる見つめ方でした。寮費を10分の1に騙ってた辺り、あまり深くは 一般寮生ほどにも 立ち入ってなかったんすな。彼のその後を考えると妥当なスタンスです。ム る で留めたいンである。

投稿: MeXi | 2007/05/22 18:45

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: デブを生き抜く:

« サルコジとか | トップページ | 孤立力 »