虚仮のむすまで
前のエントリーで、「君が代」という歌の成り立ちとありようについて、私がなにがしかの見解を述べたのだというふうに解釈する人々がいるといけないので、一言付言しておきます。
前掲の歌詞は、アジテーションではありません。つまり、オダジマは、君が代斉唱の際に、起立しないことを呼びかける立場の人間ではない、ということです。
個人的な感慨を述べるなら、私は、この問題については、むしろ、起立斉唱推進派です。
なんとなれば、あえて「起立しない」という態度を表明することでコトを荒立てる態度は大人げない、と考えるからです。
立ったからといって別に国家や皇室に忠誠を誓わねばならぬわけでもなし、適当に立って歌っておけば良いではないですか。
これ見よがしに反抗してみせるのは、中学二年生みたいで、恥ずかしいです。踏み絵じゃないんだから。
とはいえ、式典やスポーツ観戦に臨む個々の人間のふるまいについて(つまり、立つとか歌うとか、立たないとか歌わないとかいった個人の行動の自由に関して)いちいち国家が介入することを、私が肯定的に受けとめているのかというと、もちろんそんなことはありません。
立ったとか立たないとかいったレベルの話を法廷に持ち出すのは、パラノイアのマナーです。教育がひとつの強制であることを認めるにしても、です。
そこで、妥協案というわけでもないのですが、君が代を歌う時には、派手に音程を外しにかかることを提案したいと思います。
おそらく、歌わないことや立たないことよりも、外れた音程で歌うことの方が、実質的な効果(←何の《笑》?)は大きいのではなかろうか、と。
ええ。もちろん、きちんと起立して、大きく口をあけて、朗々と歌うわけです。腹式バリトンで。
音痴と思われるのがシャクだという向きは、自分の好きなメロディーを歌えば良いでしょう。「どんぐりころころ」でも、「サティスファクション」でも、なんとか君が代の歌詞を乗っけて歌ってみれば、それはそれでひとつの表現になるはずで、かくして、わたくしどもの斉唱は、ひとつの巨大な怒号の如き前衛のハーモニーを醸すことになるわけです。
素晴らしいではありませんか。。
もちろん、「国歌の音程をハズす」ことを裁く法律はありません。
同時独唱としての一人一人の、それぞれに固有な君が代。
あまたの国際大会で世界を驚愕させること必定です。
いつの日にか、日本サッカーがワールドカップを手にしたあかつきには、わたくしどもの歌う君が代が、割れんばかりの不協和音でスタジアムを圧することでしょう。
うーん。夢に見そうだ。
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コメント
>「国歌の音程をハズす」ことを裁く法律はありません。
お久しぶりです。今回争われた義務化とそれにともなう処分の根拠は国旗国歌法ではなく都教育委員会の通達です。とりあえずそれだけです。では。
投稿: N・B | 2006/09/24 03:14
裏声で歌へ みたいなものでしょうか。読んでないけど。笹まくらは大好きな作品でして。それくらいしか小説は読んでないのに、勝手にそれをかの老害好々爺ドノの最高傑作と捉えています。
安岡さんの「夢見る女」も同じだぉ。
投稿: メルヘンひじきごはん | 2006/09/24 03:33
馬鹿
投稿: けん | 2006/09/24 06:00
中学二年生みたいな結論ですねw
投稿: ゆう | 2006/09/24 06:14
中学二年生の時のド根性を40代まで維持するのは大変なことなのです。
投稿: メルヘンひじきごはん | 2006/09/24 08:50
突っ張ることが男のたった一つの勲章なのですから。
投稿: メルヘンひじきごはん | 2006/09/24 08:51
楽器経験者ですが、君が代のメロディーは
よく聞くと厳かでいいと思いますよ。
国歌は戦うときに歌えなきゃいけない
なんていう人もいますが、そんなシチュ
にはそぐわない君が代のメロディーこそ
反戦のためには理想的なんじゃないですか(笑
投稿: M.I | 2006/09/24 09:09
葬式なんかをイマジンしてみましょう。
遺族は都立高校の卒業生かな。親戚席には在校生。一般参列者は父兄(失礼!父母って言わないと男女差別かな)
さて、先生は?まぁ、受付、案内、駐車場係、そうそう駅前で指差し看板持って突っ立っている人よく見かけるね。
こんな役回りかな、先生方は。
こんな先生方が、葬式当日、真っ赤なポロシャツにジーパンで登場、祭壇の前でお辞儀をするのはイヤだ。お経を上げるのは真っ平だ。
「俺たちのセンスやマナーに合わない、赤い服着て何が悪い、信教の自由や服装の自由は憲法で保証されているんだぞ。ゴラー」ってな感じの葬式なのかな。
サル程度の脳みそしか持ち合わせていない(という演技をしている先生方。うまい具合に教育界に潜り込んだマルクス坊やや主体思想の北朝鮮オタク)な人たちを炙り出すために、当分の間、こんなバカバカしい都条例も必要かも。
まぁ高裁で逆転判決、最高裁は棄却で合憲判決確定。でも時間がもったいない。
おっと、それが先生たちの後ろの機関の狙いだから、困ったもんだ。
最後は、サル並みの高校生をどんどん退学させて、かっての自由で、ちょっとだけ程度の高い都立高校を復活させてもらいたい。
劇薬都知事、オリンピックよりこちらをお願いしますよ。
投稿: リベラリスト | 2006/09/24 12:44
君が代の出だしの「き」を「た」にすれば
万事丸く収まると思うのですが。
投稿: てっちゃん | 2006/09/24 14:45
よくわからんな。生徒の私服はオッケーで先生の私服はいかんという理屈が。自由は生徒だけのものか。
都立高が私服で登校オッケーなのはうらやましかったものですよ。
民は民で汚れるのが大好きな生き物。というか、汚れることを義務付けられてるのが神ならぬ民であって…実は民主主義のいかがわしさはそーゆーところにあるます。
投稿: メルヘンひじきごはん | 2006/09/24 16:04
リベラリスト氏のコメントは、主張はともかく、比喩としての出来が悪すぎ。同じ出来が悪いのでも、以下のほうがまだまし。
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こんな先生方が、葬式当日、街宣車に乗って軍服で登場、祭壇に日の丸を揚げ、お経の代わりに君が代を全員に強制。
「俺たちのセンスやマナーに合わない、軍服着て何が悪い、君が代歌わん奴は強制退場で懲罰研修じゃ。ゴラー」ってな感じの葬式なのかな。
サル程度の脳みそしか持ち合わせていない(という演技をしている都知事。うまい具合に政治界に潜り込んだ天皇教徒や主体思想の北朝鮮オタク)人たちを炙り出すために、当分の間、こんなバカバカしい例えも必要かも。
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> おっと、それが先生たちの後ろの機関の狙いだから、困ったもんだ。
これは違います。日教組はとっくに君が代闘争を実質放棄してます。戦っているのは個人。
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> 最後は、サル並みの高校生をどんどん退学させて、かっての自由で、
> ちょっとだけ程度の高い都立高校を復活させてもらいたい。
この部分だけ、ちょっと魅力的ですね。サル並み高校生とサル並み都知事の行き先が心配ですが。
トータリタリアニスト
投稿: haimo | 2006/09/25 12:49
東大のコンパは盛り上がらないこと著しくお寂しいものでしたが、郷里に帰ってからのバイト先でのコンパのノリのよさにぶったまげましたなー。下戸ですが、楽しかった、うん。
と、いうわけで、まぁ、それぞれに、よさが、あります。うん。エリート諸君の九割九分九厘九毛がそれを知らずに一生を終える現状をなんとかせにゃなりますまい。
東大ではちょっと目立つことをしようとすると冷ややかな視線を送られるものでしてな。そりゃ、ちょっと目立って人心でもつかもうものなら国レベルの影響力に直結するような場所でしたからな。ま、いたしかたない。
そういう、サル並み諸君には与えられている友情への無条件の信頼みたいなものが、エリート諸君には許されないことを知りつつエリートになれなれと尻を叩くことほど酷いことはないと俺は思いますよ。
投稿: メルヘンひじきごはん | 2006/09/25 23:58