« 瀕死 | トップページ | 新潟戦 »

2006/07/20

十条の隣

 18日は夕刻から六本木にて会食。
 名目は「9条どうでしょう」五万部突破祈念祝賀パーティ。
 本来は五万部突破を記念して開催される運びになっていた会合なのだが、町山氏の帰国タイミングと販売部数上昇曲線から予想される五万部突破ポイントが確実に一致する保障がないという判断からやむなく「祈念」を旗印に……というのはウソ。ただの顔合わせです。タイミングが事後にズレ込んだだけで。
 事後共犯?
 いや、むしろ共謀共同正犯でしょう。しかも確信犯の(笑)。
 メンバーは、共謀共同共著者の内田樹さん、平川克美さん、町山智浩さん、不肖オダジマの4名、および担当編集者のナカノ嬢と出版局のタジマ部長。
 町山氏とは十何年かぶりの再会。
 相変わらずの博覧強記。ただし、ジャンク情報限定。開陳されるのは、面白いけど役に立たないお話や、笑えるけど朝礼の訓示には使えないエピソードに限られる。そのあたりのカンドコロが絶妙。そして、驚天動地でありながらも一般向けのメディアでは到底公開不能なネタの数々……いや、面白かったよ。一日たって、半分ぐらい忘れてしまったのが残念だけど。
 後に残らない知識。
 本当に貴重な情報は、記憶に残らないのかもしれない。

 内田先生には、たくさんほめていただいた。恐縮汗顔。身の置き所がないといった感じ。こんなにほめられたのは長期欠席していた幼稚園に半年ぶりで通園した時以来かもしれない。
 ありがとうございます。先生にならって、私も人をほめる言葉を使いこなせる男になりたいと思います。それも陰口でなく、面前で言える胆力を併せ持って。
 道はけわしい。
 本人を前に賞賛の言葉を述べてなお皮肉に響かず、卑屈にも思われず、物欲しげにも見えないでにいるためには、人格の陶冶が不可欠なのであろうからして。
 課題だな。この先20年ぐらいの。

 平川さんは悠揚迫らぬ風格を感じさせる人でした。平川大人と呼びたくなるような。それでいて、ポソッともらすコメントがけっこうヤクザだったりする。ビジネスの世界に身を置いている人は、文字を相手にしている人間たちに比べて度胸が座っているのかも。まあ、動かしてるものの量と大きさが違うからなあ。

 というわけで、店員が無愛想になる時間まで歓談。
 本当に五万部売れたら、ぜひもう一度。
 場所は、九条の町なんかどうでしょう。
 ほら、十条の隣の、わが町、赤羽ですよ(笑)。
 

|

« 瀕死 | トップページ | 新潟戦 »

コメント

九条の町。
うまいね、どーも。
あ、先日はありがとうございました。

投稿: hirakawa | 2006/07/20 00:14

初めまして、遅まきながら「9条どうでしょう」読みました。

9条を守ることが自己目的化してしまった無邪気な護憲派。(「健康のためなら死んでもいい」というギャグを思い出します。もっともそれだけの覚悟があれば、まだマシなのですが)
また「備えあれば憂いなし」などという子供じみた理屈で「国防」を論じる改憲派。(憂いが無くなる程の「備え」って、何? 世界最強の「備え」を持つアメリカの、あのビビりようを説明してくれ、小泉さん)

そんな護憲・改憲の二者択一で思考停止してしまったような現状(世間も私のアタマの中も)に、苛立ちを感じていましたが、131ページ最後の「わかりましぇん」の一言で、やっと解答らしきものに出会った気がしました。

そうか、わかんねぇんだ。北朝鮮がほんと攻めてくるのか、それに対して(憲法改正を含め)どれだけ「備え」ればいいのか、実のところわからない、いや、わかるはずがない。
それをキッチリ認識して、「わからない」ことに自信を持って(笑)自分なりにもう少し考えていこうと思いました。

余計な事ですが、Mac OS9.2 IE5. という私の時代遅れなパソコン環境では、ココログには(文字化けして)書き込めないんですね。ROMはできますが。
慣れない OS X.幾つ、Safari(?)、ことえりで悩みつつ。

投稿: kuni | 2006/07/21 20:43

>hirekawaさま
 >あ、先日はありがとうございました。

 いえいえ、こちらこそ。楽しいお話をきかせていただいて脳味噌の変な場所が刺激されました。
 ちなみに、十条は、その昔、自衛隊の駐屯地や米軍の野戦病院がありました。
 私は、小学校五年生の頃、駐屯地に侵入して空薬莢を拾っているところを自衛官に捕獲されて、30分ほど腕立てふせの訓練!をやらされたことがあります。
 軍隊経験というほどのものでもありませんが。

投稿: 小田嶋 | 2006/07/21 21:10

>kuniさま
 「わかりましぇん」のくだりは、自分ながらあんまり無責任な気がして、最終ゲラの段階で削ろうかどうかずいぶん迷ったのですが、積極的な評価をはじめて目にして、ちょっとほっとしました。

 なんというんですか、判断の難しい問題や論点が不明瞭な議論に限って、自信満々に断言する論者が集うような傾向があるわけで、そういう現状に対しては、まず「わからん」という事実(だって、当方にとってはっきりしているのは「わからん」という事実だけですから)をぶつけておこうかな、と、そう考えた次第です。
 まあ、無責任といえば無責任ですが。

投稿: 小田嶋 | 2006/07/21 21:18

>kuniさん
「ぞうさんちv2」というブログの2004.12.11付けの記事で
「Mac版IEのコメント欄の文字化け解消法」が紹介されています。
OS9.22&IE5.17環境で起きた自分の文字化けは、これで直りました。

投稿: よし | 2006/07/21 23:08

九条どうでしょう僕も読みました。
やはり小田嶋隆先生の部分が一番光っていたように思う
「わかりましぇん」のくだりにはちょっと呆れてしまいましたがまあ先生自身が無責任とおっしゃるとおりなのでしょう
この本の内容をそのまま現実の国家安全保障に持ち込まれては主権者のひとりとしてたまりませんが、良くも悪しくも無責任な立場だから論じられた内容だと思いましたw

これからもがんばってください

投稿: ハスミ | 2006/07/21 23:12

京都の九条大橋(?近くでとりおこなふもいとをかし

投稿: メルヘンひじきごはん | 2006/07/22 05:01

「9条どうでしょう」読みました。
それぞれ面白かったです。
小田嶋さんの章が一番わかりやすかったです。
サッカーも憲法も、ままならないもんだと思いました。

投稿: つぐみ | 2006/07/25 12:06

「9条どうでしょう」読みました。
小田嶋さんの憲法9条の改正案が
今まで見たことのある改正案の中で
一番おもしろかったです(笑)

投稿: おじい | 2006/08/01 22:30

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/52951/11015365

この記事へのトラックバック一覧です: 十条の隣:

« 瀕死 | トップページ | 新潟戦 »