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2006/05/05

戸塚養鶏場再訪

 戸塚校長の人柄とその方法論については、ずっと以前(2000年の10月。……前世紀ですね)に、ざっとしたところを書いたことがある。
 詳しくは、当時のテキスト(の10月2日の記述)を読んでみてください。

 私の立場は、現在でも、基本的には上記リンクで書いた内容と変わっていない。
(以下、念のために主要部分を引用)

 なるほど、T塚さんの言う通り、ある種の人間は、逆境に立てば立つほど内面的な強さを発揮するのであろう。
 厳しい体験や極限状況が、人間の可能性を広げるということも事実なのだろう。
 でも、それもこれも、結局は人それぞれだ。
 厳しさに耐えられない人間もいるし、逆境に萎縮するだけの人間もいる。
 同じ人間であっても、タイミング次第では、まったく別の反応をする。
 ある状況下では、人は、睡眠や引きこもりでしか癒されない。
 ……と、こんな簡単なことを、マッチョの連中は決して理解しない。
 
 T塚校長のこわばった表情を見ればわかる。
 ああいう人は、自分と違ったタイプの人間を理解することができない。仮に理解したとしても、彼は決して容認しない。
 おそらく、T塚校長のメソッドは、それなりの成果を上げているのだと思う。
 うまいタイミングで自分を追い込むことを知った子供は、その体験を糧に、自信を取り戻すものなのかもしれない。で、彼は、その自信をきっかけに生き方の方向を変えるかもしれない。
 が、そうならない人間もいる。弱い人間は依然として弱い。
 T塚校長の真意は、もしかしたら、弱い人間を叩き直すことよりも、むしろ彼らを踏み潰すことにあるのかもしれない。
 麦踏みと同じだ。
 麦踏みは、あれは、弱い麦を鍛えるための作業ではない。麦踏の真の狙いは、弱い麦を芽のうちに抹殺することによって、麦畑全体の強さの平均値を上げることだ。

 私は、戸塚校長のメソッドがまったく無効だと言いたいのではない。
 戸塚先生の方法論は、ある場合には、おそらく有効なのであろうし、それで立ち直った子供たちだっているのだろうと思っている。
 でも、体罰は、有効であってもなおやはり暴力ではある(無効な場合はなおのことだが)わけで、とすれば、それを行使する人間は、告訴や懲役や損害賠償や社会的制裁を覚悟した上でそれを発動せねばならないはずなのだ。まあ、先生は覚悟の上なのかもしれませんが。

 開腹手術は、悪化した病巣を切除する最後の手段として、非常に有効な医療行為であるし、ある場合には唯一の治療法だったりする。
 しかしながら、医師の免許を持たない者が他人の肉体にメスを入れれば、当然のことながら、それは傷害ということになる。
 外科医は、難しい試験をパスして、さらにインターンとして修行を積んだ上で、のみならず、失敗した場合は医療訴訟の被告となるリスクをおかして、施術に踏み切っている。
 体罰を行使する人間にだって、このぐらいの経験と見識と、資格と覚悟がなければいけないはずだ。
 先のエントリーのコメント欄でもちょっと話題になっていたみたいな、あまたある詐欺まがいの民間療法みたいな「効けばめっけもん」みたいなことで体罰教育論を振り回されたんではかなわない。

 あるいは、マッチョな教官がタコ殴りに殴りまくることで、不良少年の何割かは更生するかもしれない。
 問題は、更生できなかった場合だ。この場合、ただでさえ不適応な人間が、暴力によってねじ曲げられるわけだから、暴力の結果が物理的な傷害や死亡に至らないまでも、予後は最悪なことになる。

 戸塚校長とは離れて、体罰一般についても、一応考えるところを述べておく。うん。述べている場合じゃないんだけど。終わったら原稿書きますんで。

 子供時代を通じて、学校の教師からうんざりするほどの体罰を浴びた人間の一人として言わせて貰うに、教師の体罰の8割以上は、「教育効果」や「指導経験」とは無縁なものだ。教室で発動されている体罰のほとんどすべては、教師の側の感情的暴発に過ぎない。より端的に言えば、オダジマのような生意気な生徒は殴られがちだ、と、そういうスジのお話なのだよ、これは。
 しかも、体罰は、未熟な教師の逃げ場所になっている。
 というのも、体罰を行使すると、一時的に「教室が締まる」からだ。
 教室がざわついてどうしようもない時や、生徒たちが教師の話に集中していない時、誰か一人をつかまえて殴ると、教室の空気は一変して、たちまちピリっとした緊張がよみがえる。無能な教師は、この効果に依存する。
 で、話の面白さや、魅力や、人格的な圧力で生徒を制圧できない教師は、体罰によってそれを達成しようとする、と。ああ、思い出すだけで腹が立つ。ちくしょう。

 体罰に反対するような論陣を張ると、たちまち「偽善者」「プロ市民」「人権屋」みたいな非難が飛んでくるのが昨今の風潮だが、なにも悪ぶるばかりがコラムニストの持ち前ではない。
 露悪的な言辞を弄したり、乱暴なご発言を並べて度胸のある漢(←「おとこp」と読む)である旨の告知宣明につとめるのは、これは中学二年生のやりざまであって、いいおとなの言論人が真似るべき所作ではない。

 とはいうものの、「体罰はいけません」みたいなお話(「9条を守りましょう(笑)」も)を、ママのスカートの影に隠れているよい子の話し方みたいに聞こえない口調で決めるのは、けっこうむずかしいミッションだったりする。
 暴力や戦争を忌避する論調には、チキンな残響が伴ってしまう。で、人権、平和みたいな絶対善を訴える口調には、どうしたって偽善臭がついてまわる。やっかいなことだ。
 

ってことは、アレかな。平和主義や人権思想みたいなものは、なるべく伝法な口調で訴えるようにすべきなんだろうか。
「あ? 体罰だぁ? 上等じゃねえか。全力で受け止めてやっから、覚悟してかかってこいや、この半端ハゲ野郎が!」
「国防だと? ははははは。ったく、小金持ちの婆あじゃあるまいし、何を昼間っからビビりあがってるんだか。いい年ぶっころがして。北チョンだろうがシナントロプスだろうが、オレが堂々の丸腰ノーガードでねじふせてやるから、心配しないで今日ンとこは寝とけ。な」
 ぐらいがちょうど良いのかもしれない。

 いや、人前でチキンを押し通せるようじゃないと、本当のオトコとは呼べないぞ、と、ここは一番、一回転した侠気(←おとこぎ)を強調しておくところだろうか。

 寝よう。明日は早い。ってか、既に空が明るいぞちくしょう。

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コメント

>いま一番欲しいものが30ギガのハードディスク
ってところを見て(いつの話だろう?)と思ったら、たかだか6年前でした。コンピュータ業界は、ちょっと油断していると浦島太郎になります。
 でも、私はいまだに30GBのHDをメインで使ってます。小さいからバックアップが取り易いという理由です。

投稿: Inoue | 2006/05/05 13:32

はじめまして、いつも楽しく拝見させて頂いております(コンプティーク時代からですからもう20年近くですね)

今回のテーマですが、一時期こういった施設の逃げ出した生徒を連れ戻すバイトをしておりました。それを踏まえた上での感想ですが、前回の戸塚ヨットスクール教育廃棄物処理業者論は、まさに正鵠を得ていると思います。
 私の個人的な感想ですが、こういった施設の生徒は、一般の社会に放置しておくと確実に害をなす少年たちでした。 そしてその厚生施設であるべきの、学校や鑑別所といったものがほとんど機能していない以上、ある程度処理的な教育が必要悪として必要なのではないでしょうか。
 
 ただ、前回の”更生できなかった場合”には少し反論させていただきます。この手の教育の結末は”命令に絶対服従するロボット”か”去勢された屍”になるわけで、廃棄物処理業者としては成功なのかもしれません。 少なくともチェーンソーを振り回して暴れたり、親の会社の売上金を従業員をバットで殴って百万単位でくすねるよりは、引きこもり担ってくれたほうが更正という意味では成功だと思います。そして処理しきれなかった部分は文字どうり”廃棄”したということでしょう(非常に不謹慎な表現ですが)

戸塚校長の「教育論」は理論的に矛盾だらけですが、彼に求められているのは「結果」であり、大義名分は後から付け足したものに過ぎません。(本人がどう思っているかは別ですが)そういった意味では、きちんとした結果を出している以上「民間治療」とは意味合いが違うと思われます。

 これも個人的な意見ですが、戸塚校長の教育方針には嫌悪感を覚えますが、少年たちを彼に委ねるところまで放置、または追い込んだ教育者、親にはそれ以上の嫌悪感を覚えます。戸塚校長を非難する教育関係者は、なぜ「あそこに預けるのなら私たちが教育する」と言わないのか?それこそが究極の偽善だと思います。 
 

投稿: サイボーグMSX | 2006/05/05 17:26

>きちんとした結果を出している以上

 それに最大の疑問があるのです。戸塚が実際に結果を出しているなら、少々の乱暴には情状酌量の余地はあるわけです。
 ヨットスクール卒業生追跡調査などの情報がありましたら、お教えください。

投稿: Inoue | 2006/05/05 18:44

Inoue さん

>ヨットスクール卒業生追跡調査などの情報がありましたら、お教えください。

私が仕事をしていたのは10年近く前ですし、戸塚校長の機関ではありませんでしたので、あくまで個人的な体験と感想と言う形でコメントさせて頂きます。
 
 私もこの手の私塾が全国にどれくらい存在するのかは解りませんが、戸塚ヨットスクール以外にもこの手のカウンセリングスクール(と当時は名乗っていた)は相当数存在します。私は某施設の”捜索隊”のアルバイトをしていた訳ですが、まさに命がけの仕事でした。
 そこに収容されていた少年は、確か14歳から28歳だと記憶していましたが、ほとんど全員が何かしらの傷害事件を起して公的の機関(鑑別所や少年院)のいわば卒業生でした。
 当然凶悪さも半端ではなく、家族の通報で自宅に急行すると、母親の頬骨が陥没(スパナで殴打した)ケースもあったほどです。
 そういった連中を連行するわけですから、当然こちらの対応も勢い暴力的になるわけです。私たちは常時当時は珍しいアメリカ製のスタンガンを常備しておりました。
 何人かの少年を捜索、連行しましたが例外なく彼らは人間と言うより野獣でした。当時膝を噛み千切られた傷跡はまだ私の左足に残っております。

 その機関でどういった教育が行われたかは解りませんが、そこの指導員は「命令に服従するまでは人間として扱わない、対話や教育はその後だ」と語っていました。実際その機関の卒業生は少なくとも野獣の目はしておりませんでした。(私の膝に噛み付いた少年は、わざわざ自宅まで挨拶に来ました)まあ結果は「命令服従なロボット」と「去勢された屍」の目でしたが、(比率は私の私見では8対2ぐらい)人間の形をした野獣よりは社会に適応できるのではないでしょうか。ちなみに脱落者はいないそうです、何しろ釈放させないんですから。
 ちなみにそこの指導員は全員軍隊経験者でした。軍隊は不特定多数の人員を一定期間の訓練で均等化した教育しないといけないため、こういった訓練のノウハウは万国共通なのだそうです。

 正直卒業生のその後の人生がどうなったかは定かではありませんが、公的な教育機関、厚生施設より、具体的な結果を出していると思います。たまに再入学する少年もおりますが、少なくとも再犯率が実質8割を超えている少年院よりは更正していると思います。

 ヨットスクールの実態は解りませんが、恐らく送り出した息子がそのままで帰ってきていたのなら、30年も潰れないでやれる訳がないと思うのですがどうでしょうか?だって確実に「死人」が出てるのに入学させたい親がいるんですから。

投稿: サイボーグMSX | 2006/05/05 19:35

 丸山ワクチンというものがあります。二重盲検法を用いた臨床試験では有効性は否定されていますが、依然として使用する患者はいます。最後の望みを託しているわけですね。
 絶望的状況になると、人間は何かにすがってしまいたくなるものなんです。

 少年院や刑務所に入るのは、すでに重大犯罪を犯した人であり、民間更生施設に入るのはそこまでは行ってない人ですから、サンプリングにバイアスがあって、あまり情報としては価値がないです。申し訳ありませんが。

投稿: Inoue | 2006/05/05 20:36

サイボーグMSXさんの書き込みは大変興味深かったです。コメント欄まで読んだかいがありました。
小田嶋先生には悪いけど、本文の印象が薄れてしまったほどです(笑)。

で、Inoueさんの質問に対して、サイボーグMSXさんは実体験から丁寧なコメントを返したのに、それに対する直後のレスはちょっと不誠実ですね。
代案もなく批判するだけなら誰にでもできます。
戸塚憎しの感情が先に立って、人の意見に耳を傾ける余裕を失っていませんか?

> 少年院や刑務所に入るのは、すでに重大犯罪を犯した人であり、民間更生施設に入るのはそこまでは行ってない人ですから、サンプリングにバイアスがあって、あまり情報としては価値がないです。

ちょっと論旨が分かりにくいんですけど、つまり、「少年院上がりの人間を更生できたら、そのテの施設を認めてやるよ」ってことですか。
少年院に入れられそうな人間を更生させたという体験なら、サイボーグMSXさんが既に書かれていますが…?

投稿: abc | 2006/05/05 23:15

サイボーグMSXさんの話は実体験として面白いですね。教育関係者の偽善という視点も興味深い。
ところでinoueという人は大石さんのブログでもこういう根拠のない言い切り(はてどこにバイアスがかかっているのか?)が目立つので、一部の読者からは不興をかっています。
>あまり情報としては価値がないです。
なんて、一体誰のブログに書き込みさせてもらってるんだか。

投稿: nor | 2006/05/06 01:00

 私はすべて根拠を挙げております。読解力に乏しい方が理解できないだけです。
 仕方がないから、「バイアス」を説明しましょうか。
 治療法の有効性を議論するには、患者をランダムに2群に分けて、2種の治療法による結果を比較することによって、有意差があるかどうかを検定します。
 単に自分が対応した患者だけで「有効率○○%」とかいう報告は、その時点でサンプリングが偏っている(バイアスがかかっている)わけです。

 たまたま、公的な更生施設(少年院や刑務所)と比較してモノをおっしゃっているから、それと比較しましたが、むしろ、何もせずに「放置」した場合との無作為対照試験をすべきなのではないでしょうか。(これが私の代案)

 70年代にセーリックマンという心理学者が行った「作られた無気力」という実験と、MSXさんの見た結果は見事に一致しており、その点ではかなり信憑性があると思いますが、戸塚の場合は「無気力やヒキコモリまで治る」と公言しておりまして、全く信用がおけない。人為的に無気力を作ることは簡単ですが、無気力を克服する方法(効力感の育成)には決定的な方法がないのです。

投稿: Inoue | 2006/05/06 06:36

うん? Inoueさんが初めに、

> ヨットスクール卒業生追跡調査などの情報がありましたら、お教えください。

と聞くから、サイボーグMSXさんは、ご自身の体験と絡めて、誠実にレスされたのではなかったですか。
それを、「何もせずに放置した場合と比べていないから価値がない」とは。いやはや……

投稿: abc | 2006/05/06 11:26

>私が仕事をしていたのは10年近く前ですし、戸塚校長の機関ではありませんでしたので、あくまで個人的な体験と感想と言う形でコメントさせて頂きます。

最初にご自分でこう仰っているように、MSXさんのお話はどんなに凄絶であっても結局は個人的な体験談であって、普遍的な真理ではない。
それを各論でなく一般論として大々的に適用しようとすることのヤバさは、新しいエントリーで小田嶋さんが書かれている通りです。
ここの堂々巡りの議論を見ていると、最初に小田嶋さんが見ていたテレビの中もこんな感じだったのかなあ……などと思います。

投稿: Noisy | 2006/05/06 12:13

本論ではないのですが。小田嶋さんの本文最後。
 
> 平和主義や人権思想みたいなものは、~「あ?体罰だぁ?上等じゃねえか。~「国防だと? ははははは。~」
 
痛く気に入りました。この手の笑かせがファンにはたまらない。今度機会があれば是非このネタを膨らませて、何か一つ。
 
タフで硬派な平和主義。魁!!偉愚庵塾。
駄目?

投稿: かず | 2006/05/06 20:16

 香山リカの「ぷちナショナリズム」か何かの文章で、自民党の文教族国会議員と話をしたら、そいつが、
「自分は幼少のころ、祖父から厳しい剣道の練習をさせられた。それで培った気力と体力が今の自分を支えている。こういう教育が今の子どもには欠けている」
と言ってたので、あきれ返ったそうです。こんないい加減なポリシーを家庭内で実践するならともかく、国家政策として遂行しようというのだから、危険きわまりない。
 個人的体験の根拠無き一般化、他人への無遠慮なおしつけ、専門家の軽視・・・この辺の問題をまさに教育してやらなきゃならない。

投稿: Inoue | 2006/05/07 01:18

abc さん、nor さん

コメントありがとうございます。私のつたない実体験として楽しんで頂ければ幸いです。

Inoue さん

>無気力を克服する方法(効力感の育成)には決定的な方法がないのです。

戸塚先生の場合は解りませんが、絶対的な権力構造を植えつけることによって、命令による行動=無気力の克服はある程度は可能だとは思います。 ただ、人間のロボット化は教育では断じてないので、自発的な効力感の育成は確かに決定的な方法はないのかもしれません。
 
 ただ、私自身経営者として、そして指導員として永遠のテーマとして追い続けて行きたいと思っています。実践実行しなければ、どこかの都知事のように「言うだけ番長」になってしまいますからね(笑)

投稿: サイボーグMSX | 2006/05/07 05:44

>それを、「何もせずに放置した場合と比べていないから価値がない」とは

 abcさま。刺抜き地蔵とか、江戸時代からある歯痛のクスリとかは、実はとっても効果があるんです。100%近くが治ります。
 理由はいわずともおわかりでしょう。自然治癒するからです。歯痛も炎症が進んで組織が壊死してしまえば痛むことはない。
 昔のヤブ医者は、自然治癒したら自分の手柄、死んだら「天命です」ということにしてました。
 登校拒否児の追跡調査によると、親が登校刺激を与えずに放置して(ただし”戻る”手立ては用意しておく)おくと、8割以上が学校に戻ったり別のマトモなライフコースに戻ります。神経症状は登校刺激が原因でおこるんで、下手に介入すると逆効果になることも多い。
 今の戸塚ヨットスクールのページでは、登校拒否は何もせずにいると長期化してヒキコモリになったり家庭内暴力に発展すると書いてあって、徒に不安を煽る内容で、吐き気を覚えます。実は親の不安を鎮めることこそが一番重要なのですがね。(大学の教育学で教わった話)

投稿: Inoue | 2006/05/07 07:19

私も戸塚による、諸問題への対処法の一般化・万能化には嫌悪感しか覚えないんですよ。
でもだからこそ
「Aという人間に対してはBによる、Cという対処法も有効である」という話に対して、
「でもDという人間には対処できないのだから、Bによる対処法は須くダメである」という結論は導き出せないですよね。

>一般の社会に放置しておくと確実に害をなす少年たち
つまりinoueさん自ら仰るところの「何もせずに社会に放置」することができない人間に対する「処理的な教育」の有効性について(のみ)の話をスライドさせて、無気力や不登校の克服まで一般化しようとしてるのが皮肉なことにinoueさん。と傍目には映りました。

inoueさんは知識量としては膨大なものをお持ちのようで、大変勉強になりますが、対話の相手としては???

内容をスライドさせたっていいのですが、その前に「サイボーグMSXさんの話、これはこういう問題にについては有効だと思われます、しかしこういう問題に対してはどうでしょうか~」というような留保、前置きがないと私のような一般的ジャパニーズには「詭弁」と受け取らがちなのですよ。

投稿: nor | 2006/05/07 13:37

 ああ、家庭内暴力の話をしたいわけですか?斎藤環さんの本によると、親と子を引き離すことが最良の対処法だそうです。子どもを施設に入れるんじゃなくて、親がどこか別のアパートを借りて、そこでしばらく生活すると、治るなんだそうです。両親がいなくなる必要はなくて、もっとも暴力の犠牲になっている方(多くは母親)を別居させる。
 まあ、これも、臨床経験の結果出てきた対処法なんで、比較対象試験をしないと有効性については確実なことは言えないという留保はつけときますが、民間矯正施設に入れるのが全てじゃないということは確か。

投稿: Inoue | 2006/05/07 18:28

>と聞くから、サイボーグMSXさんは、ご自身の体験と絡めて、誠実にレスされたのではなかったですか。

いや、サイボーグMSXさんのご体験が真実なのかどうか、どうやって判定すればよろしいのでしょうか?
少年犯罪が都市部で急増してると言うことのようですが、これって、ただ単に警察が厳重に検挙するようになっただけとちゃいますかね?
60年代前半の少年犯罪のピークに比べれば、今の若者は平和呆けと言ってよいほど凶悪犯罪を起こさなくなっていると思いますけど。

投稿: y-mat | 2006/05/07 19:09

Inoueさん。
「バイアスすら理解できていない素人が軽々しく『結果がでた』などと言うな」他諸々のご高説はありがたいと言えばありがたいのですが。ここは「偉愚庵亭憮録」なのですから専門的なご意見の連続発表はしかるべき場所でおこなってはいかがでしょうか?医療関係もしくはご自身のサイトなりで。その……はっきり申し上げて、市井の人々はドン引きなのですよ。
  
ん?それとも私のようなお馬鹿なパンピーを再教育、啓蒙していると??
 
『読解力に乏しい方が理解できないだけです。仕方がないから「バイアス」を説明しましょうか。』とか『ああ、家庭内暴力の話をしたいわけですか?』なんて書き方はいくら正しくても反感を買うだけですぜ。先生。

投稿: 何様 | 2006/05/07 20:57

何様様
取り入ってお話したくメールしたところ、こんな状況になってしまうのですが…
「 ----- The following addresses had permanent fatal errors -----

(reason: 550 Host unknown)」

投稿: y-mat | 2006/05/07 21:42

y-mat さん

確かに調べてみましたら、少年犯罪の急増と言う表現は適切な表現ではなかったですね、お詫び申し上げます。

http://kogoroy.tripod.com/hanzai.html

ただ、無報酬活動である保護司の高齢化、絶対数の不足、また更生少年からの暴行や、保護観察からの逃避という問題が現実として存在することは
ご理解下さい。
 しかし60年代前半の少年犯罪のピークは本当にどういう状態だったんでしょうね。私は恩師の中学教師のOBである保護司の補助(まあボディガードみたいなものです)をしておりますので、今度聞いてみます。

>体験が真実なのかどうか、どうやって判定すればよろしいのでしょうか?

まあ私の書き込みは、居酒屋ののんだくれの親父の戯言と大差ないレヴェルですので話半分に聞いていただいて結構です。記憶があいまいな部分もありますし。
 
 ただ、今回の小田嶋先生のテーマは自分自身の現在活動していることに関係があると思い、ここでの皆さんの意見を聞きたいと思いまして書き込みさせていただきました。そういった意味で小田嶋先生やご意見を下さった皆様に大変感謝しております。ありがとうございました。


投稿: サイボーグMSX | 2006/05/07 22:47

無意味に挑発的な書き込みで申し訳ございません。

>ただ、無報酬活動である保護司の高齢化、絶対数の不足、また更生少年からの暴行や、保護観察からの逃避という問題が現実として存在することは
ご理解下さい。

了解しました。

まあ、無報酬と言っても、他に生計を立てなきゃならないワケで… 要はお金が回ってこないからなのではないかと。
おカミの仕事を増やすのも何なんですが、金かけるべきところには、ちゃんとお金かけなきゃならんと思います。(それが一番難しいのでしょうけれど)

投稿: y-mat | 2006/05/08 00:58

サイボーグMSXさん「そこに収容されていた少年は、ほとんど全員が何かしらの傷害事件を起して公的の機関(鑑別所や少年院)のいわば卒業生でした」
Inoueさん「少年院や刑務所に入るのは、すでに重大犯罪を犯した人であり、民間更生施設に入るのはそこまでは行ってない人ですから」
( ゚Д゚)ポカーン
いきり立って持論をまくしたてる前にまず元の文章を読め、と

投稿: つーか | 2006/05/09 15:54

ま、あんまり追い詰めてあげないでおきましょうよw
自己主張の激しい高校生くらいの年代にはありがちなことですし。

投稿: . | 2006/05/09 19:19

国防が弱いと観るや、竹独問題であわよくば、ですからなぁ。

他の国との戦が、内政への不満のガス抜きなのはよく言われることで、今回もそれは変わりないわけで…政治のトップってのは、常に共犯関係的な共感によっても繋がって居るものだと思いますよ、国際関係。わけわからんの下々に従えてることになってるのは同じなわけで。

だから言うまでもなく、こちら側があちらさんにお頼みして話をこじらせてややこしくして いただいてる 大いにありうる話なんです。心臓ちゃんはこれが盛り上がれば総理間違いないわけですしね。うまみありまくりです。

元寇すらやらせな戦だったのかも、と今日思い至り、かなりショック受けました。

投稿: メルヘンひじきごはん | 2006/05/09 23:48

無能な教員は生け贄を作る事でクラスをまとめようとする。イジメの対象を教員が選択したり、タイミングを教員が指示命令していたりするのはソノ為である。

投稿: 左半死体 | 2012/12/22 18:27

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