« 都立校の統計学 | トップページ | 浦和VS名古屋 »

2006/04/02

竜頭蛇足

 松本竜助(旧名・竜介)が亡くなった。
http://www.nikkansports.com/entertainment/p-et-tp0-20060402-14161.html

 脳出血だという。
 年齢がまったく同じなので、ちょっと特別な感慨がある。
 それに、竜介には多少個人的なかかわりがある。
 直接の知り合いというわけではないが、われわれは同じ会社のOBで、具体的に言うと、私が新卒で就職したAGFというインスタントコーヒーの会社に、竜介も在籍していたことがあるのだ。
 もっとも、高卒現地採用の工場勤務(鈴鹿に工場があった)だった竜介氏は、私が入社した時には、既に退社していた。
 それでも、私がいた当時、社内には竜介の噂がまだ残存していた。まあ、あんまりパッとした話ではなかったが。宴会では目立とうとして色々やっていたけど、あんまり面白くなかったとか、変わり者だったとか……
 AGFは、当時、離職率の低さが自慢で、「竜介が辞めて以来一人も退職者を出していない」というのが、管理職スピーチにおけるマクラの定番になっていた。
 私は、だから、その次ということになった。
「竜介以来ちゅうことになるでェ」
 と、同僚は言った。
 良い前例なのか悪い予兆なのか。
 縁起が良いのか、悪いのか、私は、どう考えるべきなのか、わからなかった。
「後悔しない自信はあるのか?」
 と、副部長は尋ねた。
「どっちみち後悔はすると思います」
 と、私は答えた。
 副部長は笑わなかった。
 私はちょっと笑った。
 楽しかったからではない。
 どういう顔をして良いかわからなかったからだ。
 竜介以来の、笑えないジョークを言った社員は、こうして会社を去った。
 そして、竜介はこの世を去り、竜介の後を追った社員はまだ生きている。
 余生、と思うことにしよう。
 おまけだ。
 そう思うと気楽で良い。
 というわけで、仕事は明日。
 明後日から二泊三日で沖縄に行ってくる。
 だから、明日一日で、原稿を3本上げねばならない。
 なあに、余生と思えば余裕の余勢。
 寝よう。
 

|

« 都立校の統計学 | トップページ | 浦和VS名古屋 »

コメント

そうだったのですか……
このエントリーの後に「生意気」を読み直すと、最初に読んだときとはまったく違って、なんだかしんみりした気持ちになってきますね。

投稿: Noisy | 2006/04/03 00:52

「生意気」の松本とは松本人志かと思って読んでました。

竜助さんですか、なるほど・・・。

投稿: 大仏 | 2006/04/03 18:49

『乃木夫妻』

「陛下が崩御召された。我らも、わかっておろう」
「…あなた。お芝居はもうおよろしいのですよ?あの方はお亡くなりになった、それでおよろしいでじゃありませんか」
「芝居?」
「そうじゃありませんの?」
「何を言っておるのだ?わしがいつ芝居をした?」
「え?わたしはてっきり…ずっと、お上手な方だわ、と思いましながら暮らしてきましたのよ?…え?」
「ふむ。どうやら大きな思い違いを、わしらはこのかたしてきたというわけだな。しかし、それもさだめか、ちぎりあったこの仲ならば。よいな」
「…なにがでございます?」
「芝居であろうとなかろうと。芝居だと思うならば、芝居でしめくくると思うがよいわ」
「…お待ちくださいませ、お待ちになってあなた。あなた何をご自分でおっしゃっているかおわかりになっていらっしゃいますの?」
「お前も、わかっているからこそのその言葉であろう」
「おほほほほほwおたわむれが過ぎますわあなた。本気にするじゃありませんか」
「ふむ。これでもまだたわむれと申すか」
すらり
「 」
「また逢おうぞ。ちぎりはとこしえゆえに」
「わたしはいy            


「…さだめと思え妻よ。すぐ跡を逝く」

…乃木は確かに思いを遂げた。しかし、彼の不在なる日本軍は、確固たる後継者の未発育なるままに魑魅魍魎の跳梁跋扈侵入を、許すこととなる…裏腹。

投稿: 774 | 2006/04/04 23:04

http://www.agf.co.jp/6_about/6_6_4a.html

ここに小田嶋さんのAGF同期の人が載っています。人事部長だそうで・・・人生いろいろですね。

投稿: ペペ長谷川 | 2006/04/07 00:12

私は新卒で入った会社、3カ月でケツ割りました。

辞める時に残念がってくれた上司がいましたが、その後の社員旅行で、過労ぎみの体で酒飲んで温泉に入ったため、旅先で亡くなりました。

会社に残っていたら自分も過労死のおそれあったな、と思います。

余生であろうとなかろうと、小田嶋さんの本が出れば読者はうれしいです。

投稿: よし | 2006/04/10 01:31

よしさん、読者はうれしいですは、

どうでしょう

投稿: メルヘンひじきごはん | 2006/04/14 11:39

>どうでしょう
へんですね(笑)。私はうれしい、に差し替えましょう。

投稿: よし | 2006/04/14 17:35

俺の苦しくもどかしい胸の内も色々です。

ヲタクはやめておりません。
もしよろしければ、2ちゃんねるのトップをねらえ2!スレッドを覗いていただけると嬉しいです。心ならずもなりゆきで、ま、口はばったいことになっております。

投稿: メルヘンひじきごはん | 2006/04/14 17:54

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/52951/9401051

この記事へのトラックバック一覧です: 竜頭蛇足:

» 野生種と家畜種 [M17星雲の光と影]
日曜は暇だったので、近くのブックオフに出かけて安本を物色。105円コーナーはなかなかに興味深い本の墓場である。基本的にはベストセラー本が圧倒的に多いのだが、そこにもやはり売る側の「売りたい本」と「売りたくない本」という選別が自ずから働いており、店側もどの...... [続きを読む]

受信: 2006/04/24 20:57

« 都立校の統計学 | トップページ | 浦和VS名古屋 »