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2005/08/31

ナイティ馬謖を斬る

 朝日新聞記者の取材メモ捏造事件について少し。
 朝日本社のいつにも似ないあまりにも機敏かつ峻烈な幕引きの仕方に違和感を感じている向きもあるし、それとは別に、同社が処分を発表するのみで、記者会見を開いていない点を、説明責任の放棄という方向から問題視している人々もいる。
 それぞれにもっともな見方だと思う。
 でもまあ、このテの不祥事に対する応急の措置としては、とりあえず過剰反応気味で動いておくのが平成日本の正解……というふうに、朝日の上の方の人々が考えたのだとして、それは、いたしかたのない成り行きだったと思う。
 新聞社のトップにいる人間であれば、この数年の間に、不祥事への対応が遅れたり、初期対応で身内をかばおうとしたおかげで、傷を深くした事例(雪印、山一、西武、駒大苫小牧などなど……)を、各分野で、山ほど見てきているはずで、とすれば、彼らが首切りを急いだのも、もっともな話だったわけだ。
 泣いて馬謖を斬る――どころか、身の回りの馬謖を手当たり次第に大量殺戮し続けていないと、自分の身が持たないわけですよ、平成の企業人は。って、言い過ぎか?

 記者君は、気の毒だったが、まあ自業自得だ。駐車違反で人生を棒に振ることだってある。ケチのついた職場からは、早めにおさらばして、若いうちに再出発した方が本人の為にも、良いかもしれない。
 
 この件で私が最も不思議に思ったのは、一方の当事者である田中康夫知事が発したコメント……なのですが、田中発言につていは、書いていて長くなったので、別途項目を建てて、別のエントリーとして発表することにします。あしからず。

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豚との遭遇

 涼しいので、久々に自転車で遠出。
 荒川河川敷の舗装路を川下に向かって走る。平日は人が少なくて気持ちが良い。

 途中、扇大橋のあたりで、豚を連れた散歩者に遭遇。思わず徐行。
「ぶ、ぶた……?」
 という私の好奇の目を、しかし、ピッグキーパー氏(30代男性)は、受け止めない。静かに視線を動かして、彼方の雲を見上げている。どうやら
「オレたちにかまわないでくれ」
 ということのようだ。
 気持ちはわかる。私も、イグアナを飼う者として、時にそういう状態(←「興味本意の質問は勘弁してくれ」)に陥ることがある。
 エキゾチックアニマルの飼育者は、なによりもまず世間の無理解と闘わねばならない。
「豚を飼っている人」
「豚飼いの○○さん」
「私的養豚業者の○ちゃん」
 おそらく、ピギー氏の周辺には、心ない好奇の声が渦巻いていることと思う。
 偏見に負けずがんばってほしい。
ちなみに、ぶた君は、体長60センチほどの小型ペット用品種のようだった。白地に茶の斑紋(←「煩悶」@ATOK2005)。胴輪を装着して悠然と歩く姿には、家畜ばなれした風格があった。

※「家畜ばなれ」で思い出したが、家畜を意味する英語”livestock”は、なんというのか、むごたらしい響きのある言葉ですね。
直訳すると「生ける備蓄」「歩く保存食料」みたいな感じ。
いや、たしかに、牛くんや豚くんは、存命中に既にして畜肉であるのだろうし、西洋ではあのテの生き物は、神が人間の食料として創造なされたタマモノである的な受けとめられかたをしているのだろうけれども。
でも、たとえば、イルカとかクジラとかに対して示してみせる優しさの、10分の一でもいいから、豚くんに……
まあ、いいか。おそらく、遊牧の人たちはオレら農耕民の末裔とはDNAレベルで頭の構造が違うんだろうから、こういうことで議論をするのはムダだな。

 結局、千住新橋のたもとまで行く。地図で確認すると片道約10キロ。

 
※北千住駅周辺の商店街には「祝つくばエクスプレス開通」の旗が三々五々飾られている。
 うむ。盛り上がっているようだ。
 うちの近所に南北線が開通した時の、赤羽民たちの冷淡さと比べると、うそのようだ。
 さすがは伝統の宿場町と言うべきか、この町に住む人々の血液には、交通の要衝に暮らす住人ならではの、強力な鉄分が含まれているのかもしれない。
 私自身は鉄道方面に趣味を持つ人間ではないが、新しい路線に開通されたりすると弱い。
 近いうちに乗ってみようかな、と、ちょっと心が動く。沿線に行き先があるわけではないが。

 帰路はひたすらに走る。
 この春入手したiPodシャッフルのおかげで、走るだけの自転車行が苦にならない。素晴らしい。

 岩淵水門近くの土手から、左右を見渡すと、向こう岸の川口駅近辺のビル建設ラッシュが目につく。
 川口のビルは、新しく、大きく、そして高い。
 一方、赤羽側のビルは、一体に、古く、小さく、低い。
 なんだか向こうがマンハッタンで、こっちがブルックリンみたいな感じ。
 まあ、仕方がないか。
 たぶん、20年もすれば、川口の方が断然モダンな町になっているだろう。いや、現状でも既に川口の勝ちかもしれない。

 しかし、オレらには奥の手がある。
 江戸は、開都以来およそ30年に一度ぐらいのサイクルで、丸焼けになっていたんだそうだが、そのタイミングは、ちょうど開発が行き詰まってきた頃に大火が起きるという具合いで、経済の最活性化にとって最適だったらしい。
 東京も同じだ。
 明治からこっち、震災、戦災……と、ワンジェネレーションごとに破壊と再生を繰り返してきた。
 前の戦争が終わってからのこの60年ほどは、例外的な無事が続いているが、なあに、一回トバしたと思えば良い。じきにデカいのが来る。
 地震か、戦争か、あるいはUFOとかがやってくるのか、何が来るのであれ、川向こうのちましました開発計画は、その時点で白紙だよ、と。

 午後4時過ぎに帰宅。
 2時間ほど昼寝。
 楽隠居だな。まるで。

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2005/08/21

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