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2005/05/12

宴会

 衝撃的な事件に遭遇した時、あるいは突発的な悲しみにおそわれた時、人は、一人になりたいと思うものだろうか。
 無論、一人になりたがるタイプの人間もいるとは思うが、多くの人々は、孤独から逃れたいと考えるものなのではなかろうか。
 まして、共通の悲しみを持つに至った人々は、集まりたがるのが自然だと思う。
 何を言っているのかというと、つまり、宴会のことだ。

 JR西の社員が、例の尼崎の脱線事故の当日、予定通りに宴会を開いたことについて、先日来、メディアは鬼の首を取ったように騒いでいる。
 どうかしていると思う。
 今回のなりゆきについて、遺族が反感を感じる気持ちはわからないでもないし、一般的に言って、こういうタイミングでの宴会は、不謹慎だとも思う。
 でも、それにしたって、あんな言われようはない。まるで、事故の原因が宴会だったみたいな、ああいう吊し上げはどうかしている。

 もうひとつ、指摘しておきたいのは、「宴会」という言葉を使うから不謹慎な感じがしている部分が大きいということだ。
 実態は、必ずしも飲めや歌えやの浮かれ騒ぎだったわけでもなかろう。
 というよりも、同僚が死に、会社が危機に瀕している夜の酒だ。宴会のわけがないじゃないか。

 こんな事件があった夜に、まっすぐ家に帰る気持ちにはなれない。だから予定されていた仲間うちの集まりに顔を出して、同僚と情報交換をしたり、互いに嘆きを分かち合ったりしたくなる……少しも不自然ななりゆきではないと思う。
 私も、その昔、友人が突然亡くなった時、残された仲間同士で集まって酒を飲んだことがある。
 浮かれていたかって?
 冗談じゃない。
 不謹慎なのは、そういう折の酒席を「宴会」と呼ぶ人間の方だよ。

 某コメンテーターの日記ページ

 上のリンクの5月12日分の記述を読んでみてほしい。
 私の方からはあえて感想を述べないことにする。
 「皿仕上げ」という手法です。
 ええ、2ちゃんねるで学びました(笑)。

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コメント

> 某コメンテーターの日記ページ

あの…、ちょっと、マズいんではないでしょうか。相手が相手ですし…。

投稿: truely_false | 2005/05/12 12:55

ははは。
大丈夫ですよ。
皿に乗せただけで、料理はしてませんから。

投稿: 小田嶋 | 2005/05/12 13:24

 あの手のフレーム化がマスコミの中枢というか、旗艦であるテレビ局を中心に起きていることは、案外と「彼らも凄まじく不安」だからではないでせうか?( ・・)/
 というのは、これまで磐石と思えた電通&テレビ局の世界に、ほりえもんという異能者が「テレビを殺す」と乗りこんできたのが今年なわけで、護送船団で安泰と思っていたらいきなり魚雷攻撃喰らったようなものです。
 磐石だったはずの基盤に魚雷をぶちこまれた。
 もしかしたら、数年後にはテレビ局そのものが解体される可能性があるのではないか?

 さて、こういう時にセレブであるはずのテレビ局とその構成員はどう振る舞うか?
・落ち着いて、冷静に対応する
・とりあえず叩けるネタを探し、セレプのみなで袋だたきにして、不安を忘れる

 むろん、上層部のセレブは、企業買収防衛策を準備したり「最悪に備えた対応」を始めているのでしょうけど、ぶっちゃけ、下っ端のセレブにはそのへんはよく判らない。
 となれば「申し開きが困難な叩きネタ」をいっせいに叩くことで、将来自分たちが直面する「失業、失職、リストラ」の巨大な不安を忘れたいのではないか?

 あの異様なフレーム化された叩きを見ると、そんな気がしています。
 とりあえず自制を呼び掛けたのが「産経新聞」というのも、どこか意味深で……MAの恐怖に直面した本体を「内側の外様」が冷静に眺めていた。その経験があるからこそ、他のフレーム化した同業他社を冷静にたしなめることができたのかもしれません( ..)b
 それが証拠にといえば何ですが、フジテレビの現場そのものは、未だに恐慌に近い反応でJRを叩いてますからねえ。
 MAとほりえもんの恐怖を、JRを袋叩きにすることで忘れたいのでしょう。とりあえず叩いている間は、自分たちの将来への不安は忘れることが出来ますから。

投稿: みきはら | 2005/05/12 16:15

私はライブドアぽすれんのDVDを見るのに忙しくて、地上波テレビのバラエティなんか見ません。

投稿: Inoue | 2005/05/12 17:33

 多様性の放棄と、同一性の保持、これがマスコミの定義の一つとすれば、読者視聴者から抗議が来そうな論調は取れないでしょう。

 ただこれ、いずれブログの世界もそういう方向へ行きそうな気がしますね。NIFTY-Serveも昔はそういう所があったし、2ちゃんねるなんて、マスコミの反対というバカの一つ覚えを除けば、異論は袋叩きにするし。
 コメント欄に押し寄せて反論という名の誹謗中傷を書き込んでいく集団が現れた時に、いったいどれだけのブロガーが耐えられるか。

投稿: えいじ | 2005/05/12 17:51

 ここのblogにはコメントスパマーがあまり到来しないですねい。blog主がある程度有名人で、しかも投稿に制限がないんだから、いくらでも襲来しそうですけど。
 私のところにまでスパマーが襲来して、現在はexcite会員のみに限定中。
 しかし、blog内容に関連したスパムメールは一件もきません。
 2ちゃねらー(的な人たち)は言葉は勇ましいけれど、公開されたアドレスにe-mailを出すほどの勇気もないんです。

投稿: Inoue | 2005/05/12 21:25

クリックしたら、えらいところへ飛んだのでびっくり。「思い上がり」+「傲慢」を絵に描いたようなコラムで、ちょっとだけ読んだ事もあるのですが、嫌になって止めました。ナンシー関流に言えば「何様!」ですな。
 久しぶりに読んで気分が悪くなったので、『ふへの国から』でも読んで気分直しをします。

投稿: CROMA | 2005/05/12 22:27

どうなんですかね。
この事故が起こった日からその後数日間、
事故原因が判明していく過程をTVやwebニュースで注目していましたが、
JR西日本が実際に叩かれているところは見ていません。
何故だろうと考えてみると、
事故から原因究明に関する事柄は社会ニュース、
遺族のあれこれJR社員のあれこれはワイドショーニュースと
分かれて報道されているのではないかと。
俗世間を辛口で切るオダジマ氏はその俗世間の動向にアンテナを張り巡らしているために
ワイドショーもしくはその手の番組を結構見ているのではないかと。
いずれにしろ、叩かれる側もひとりではないので自殺者でもでない限りは
たいして痛くないのではないかと思います。
いや、違うな。オダジマ氏はメディア全体の叩きを問題にしたかったのではなくて、
カ○ピーの言動を問題にしたかっただけなのでは。

投稿: eda | 2005/05/13 02:41

>JR西日本が実際に叩かれているところは見ていません。

そうですか?
事故後、これまで報道されることのなかった
駅でのオーバーランを執拗に報道することや、
事故当日にJR西日本社員が酒を飲んでいたことを
ニュースで詳細に取り上げること自体が、
“叩く”という行為なのではないでしょうか?

それにしても
>強きに媚びて弱気(ママ)を叩く
というのは、某コメンテーターご自身の……。

投稿: ミツ | 2005/05/13 03:55

いや、ニュースとしては知っていますよ。
つまり字面としては知っているけど、そういう
報道がなされる番組を見ないので映像的には
(あくまで個人的には)見ていないということです。
例えば事故と関係のない電車のオ-バーランをニュースでやることは
単に馬鹿げているだけで、
別に「叩き」というほどのものでもないでしょう。
JRの社長が遺族に頭を下げ、
遺族から罵声を浴びせられる場面の報道なども
「叩き」とはいえないでしょう。
「叩き」となるのは直接的被害者でもない人たちが
良識の仮面をかぶり嵩にきて
執拗に非難するような行為だと思います。
で、多分TVのワイドショーその他ワイドショー的な番組
もしくは煽るのが好きな週刊誌、夕刊紙などが
「叩き」の主体になっているのではないかなと想像するわけです。
想像でものを言ってスミマセン。

投稿: eda | 2005/05/13 05:22

見ていないのなら、まず見てから言うべし。
個人的つぶやきなら、自分のサイトかノートにでも
書くべし。空気を読むべし。(俺のことだ)

では。

投稿: うーん | 2005/05/13 11:01

JR幹部を記者会見時に罵倒した記者が
居た時に世間は彼を擁護すると思ったら
バッシングされてましたね。
いくらJR西が酷いからといってヒステリックな
マスコミ対応が迎合されるはずがありません。

まぁ勝谷氏のもそうとうヒステリックですが
小田嶋氏のは逆にJRに好意的過ぎな解釈ですよ。

まさか飲めや歌えで芸者を呼んでなどとは
イメージしていませんし、おそらくしんみりとした
酒の席だったと思いますが、
事故当日にやるかなぁとは思いますよ。

友人が突然亡くなった時の例を出していますが
例えが少し違います。

例えるなら、友人が急病・事故で病院に
運ばれたその時に、共通の友人と
酒の席を設けるか?というほうが近いでしょう。

投稿: ぷぷん | 2005/05/13 14:23

>ぶぶんさん
 こういうタイミングで、JR西の人間が酒席(まあ、宴会でも良いですが)をもよおしたことについては、不謹慎だと思います。
 そのことは、前段で書いてます。
 ただ、気持ちは理解できるということです。
 ひどいことがあった時ほと呑みたいものですからね。
 だからといって、呑みたい時にはどんどん呑めとい言っているのではない。
 遺族感情に配慮して、あるいは、世間の目をはばかって、二三日はおとなしくしてた方がベターだったのでしょう。
 とはいえ、呑んだ人間がいたからといって、そのことを全国ニュースで糾弾するほどの問題でもない。
 まして、外道の鬼畜のと罵られるのは、あんまりじゃないかと思うわけです。
 畜生、人殺し、キチガイ、チンピラ……。
 私は、マスメディアの言葉狩り(の行き過ぎと腰の引けっぷり)について、常々不満の気持ちを抱いている者の一人ですが、いくらなんでもキチガイ人殺しは、と。
 要は程度問題ですよ。

投稿: 小田嶋 | 2005/05/13 15:28

ソニーだったら叩いてないよね
そんなレベルのマスコミだよ

投稿: けん | 2005/05/13 15:33

優れたモノ書きならば差別用語を使わなくても、いくらでも相手を罵倒することができます。うどん屋が差別用語を使うのは、モノ書きとして未熟であるうえに、罵倒する相手のことをなにも知らないからです。
摺タソならば「ひとつだけ言っておく。わたしがこの世でただひとつ我慢できないのはダブスタの卑怯者の二枚舌の東大卓月曰コンプレックスの芯に粉っぽさが残ったうどんを出すうどん屋だ!」と差別用語を使わないで見事に罵倒することができます。
自称コラムニストならばこのくらいの芸は見せてほしいものです。ゴミコメントばかり書いているえいじクンも見習ってくださいね。

投稿: うp男 | 2005/05/13 18:15

>eda氏
僕はJRの事故直後から今週の初めまで入院していたんですが、
本を読むかテレビを見るぐらいしかやれることがありませんでした。
僕が入院してる最中のテレビはそれこそ気持ち悪いぐらいにJR叩きのオンパレードでしたよ。
新事実があるならまだしも同じようなネタでズルズルと…。
叩くにしてももう少しクオリティの高い放送はできないものかと。

投稿: epi | 2005/05/13 19:50

内田樹さんという方のHPで初めてブログなる存在を知り、リンクを辿りながら数時間もかけて様々なブログを読み耽ってしまいました。自分一人では決して思いつかない観点がこんなにたくさんあることに正直感動しています。この「JR宴会」についても、人間の弱さについて想いを馳せれば十分に納得できます。「某コメンテーター」なる方も、「前日に記した我が写真情報の価値」を懸命に高めようとしてるんですね。本当に感動的です。

投稿: marvy | 2005/05/20 22:37

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「宴会」偉愚庵亭憮録 あの事故以来のマスゴミのJR西日本叩きは不快極まりないもので、出来るだけTV等を見ないようにしていた。 どんな人間だって心に弱い部分を持っていて、何か失敗すればまず最初に出てくるのは、ほとんどの人が 言い訳だと思う。 今彼らがやっている行為は、そんな人の弱い部分を抉り出して晒し者にして吊るし上げ、ゲラゲラ笑いながら 見ているようなものだ。 結局彼らは、自分たちが執拗に糾弾している対象を「人間」だとは思っていないのだろう。 ゲームで言うところの「ボスキャラ」、ドラマなどの悪役の親... [続きを読む]

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