パトロン
タイガーウッズの絵を掲載したので、ついでに。
マスターズでは、トーナメントを見に来ている観客を「ギャラリー」と呼ばずに「パトロン」と呼ぶ。
イヤミな習慣だよね。
「旦那衆」という感じ。お大尽遊びに特有な特権臭。まあ、「支援者」「保護者」というふうに訳しているところが多いようだけど。
いずれにせよ、ジョージア州オーガスタという土地柄や、1970年代まで黒人の入場を許さず、いまもって女性の会員を排しているクラブの空気を考慮に入れると、「パトロン」という言い回しには、やはり威圧的な響きというのか、階級的な匂いを感じ取らないわけにはいかない。
旦那様。綿畑のエンペラーたちの遠い記憶。キャディー(←ポーターだよね)を従えて歩くことが競技の一部になっているゴルフという特権的娯楽の不可思議。
で、当日、マスターズの中継をしていたTBSの松下アナは、その「パトロン」という言葉を、なんだかとてもうれしそうに繰り返していたわけで、その言い方に、「オレら、オーガスタにいるんだぜ」「そこいらへんのイエローがノコノコ来れるとこじゃないんだぜ」という感じの盛り上がりが漏れだしていたのだな。世界の松下。「世界の」という、猛烈にジャパニーズスタンダードなローカル接頭辞を自分の名前のアタマに冠して平気でいられるセンスのアナウンサー、松下。羞恥心は赤坂の駐車場にでも忘れてきたんだろうか。松下。靴下の方がまだ我慢しやすいな。オレ的には。
でもって、そのオーガスタの「パトロン」たちがまた露骨なばかりに白人オンリーで、しかもあからさまに白人プレイヤーのみを応援している。
ディマルコのファインショットには割れんばかりの大歓声。一方、タイガーのナイスショットには「ぱちぱちぱち」というお座なりな(アジエンスのCMに出てきた白人のねえちゃんたちがやっていたみたいな気のない拍手)拍手。
ディマルコに恨みがあるわけではないけど、タイガーが勝った時は、ざまあみろと思いました。
チャンピオンズディナーのメニューにチーズバーガーを選んだタイガーは立派だったと思う。
今後十年ぐらい、タイガーとビジェイ・シンが交互に優勝すると良いな。
で、チャンピオンズディナーはソウルフードとフィジーの乾燥フルーツ。あるいはヤシガニのドラム缶焼きとか。いっそ韓国人が勝ってキムチディナーを出すとか。丸ちゃんに勝ってもらって、クサヤの干物をふるまってもらうとか。
とにかく、クラス感のあるトーナメントだとか言ってる中年モテ狙い雑誌のプチブルさんたちをがっかりさせてやってくれ。たのむ。
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コメント
深く深く、海よりも深く同意いたします。
ただ、私は関西人ですので、「たこ焼き」もメニューに入れるべきではないか・・との異論はありますが。
日々本当に楽しく笑いながら、考えさせていただいています。
感謝!
投稿: 漫望 | 2005/04/14 18:03
それでもディマルコには勝って欲しかった。
純粋に勝負として今回は面白かった。
父ちゃんが勝てば小遣いUPの状況を
理解している息子とお絵かきしている
娘の対比も良かったし。
T豚SのP/Oでの二人のアプローチショット
が見られなかったCM挿入。
ダメ放送局ですね。
あ、そういや松下アナって97年の晴天の国立
でのWC予選(韓国に大逆転負け)の実況
じゃなかったかな。どうでもいいけど。
石橋貴明、もう一回松下に蹴りいれて
くれないかな?
投稿: 訛り鉛 | 2005/04/14 19:56
オダジマ氏らしからぬゴルフ話題がでたので
書き込みします。
マスターズ最終日、早朝1:45から8:35までTBSのハイライトプラス生中継を延々と視ていました。
途中関東地方で起こった地震のため、放送が中断されたため、テレビに向かって罵声をあびせ、まあここまではなんとか許容できたのですが、プレーオフのセカンド地点、ディマルコがショットを打つ瞬間にコマーシャルに突入!その後「はなまるマーケット」のオープニングまで約5分間中継がストップし、再び生中継に戻った時は、タイガーの優勝パットの瞬間でした。
信じられますか?
例えば世界のサッカーファンにとってとても大事な試合の生中継で、PK戦の途中でCMが入るようなものですよ。
前にも別のメジャーの生中継で同じようなことがありました。
スポーツの生中継の意味がわからない民放は放映権をとるんじゃない!
真のゴルフファンは有料の専門チャンネルで見るんだから。
投稿: エダ | 2005/04/14 20:24
>エダさん。
私も見てました(笑)。
突然のCM入りには唖然としましたが、気を取り直して別室(CATVが来ている部屋)のBS-iでなんとかタイガーのセカンドショットから見ました。
ちなみに、2003年のCL決勝戦(ユーベvsミラン)の延長をカットした試合(←これもTBS)も生で見てました。
どうして、こう間が悪いのか?
自業自得ですね。
投稿: 小田嶋 | 2005/04/14 22:47
どなたかパソコンの機能アップについて教えて下さい。
ワードをつかって小中学生用の教材などをつくっているのですが、必要な画像をスキャナから取り込んだ際,ワードとの平行作業ができなくなることが多々あります。
(「メモリが不足しています」という表示が出ます。)
また,HDの容量もあまり大きくないため,作った教材がたまっていくと動作が鈍くならないかと心配です。
新機種を買うというのが手っ取り早い解決策だとは思いますが,買いたくないので安価な性能アップ方法を教えていただきたい次第です。
ちなみに私のマシンは政経塾製2000年式で
CPUはセレロン,HD20GB,プリンタとしてエプソンPM770,同エプソンのスキャナ,バッファローのLANカードをインストールしており,後は工場出荷と同状態です。
ちなみに私の近所にはアプライドやソフマップなど専門店はありません。デオデオやケーズならあります。
安価な容量アップ+高速化ということでお願いいたします。
投稿: オトメマチック | 2005/04/15 14:17
PGAはやはりBSでしょう。解説の佐渡充高さんは最高です。TBSも星野仙一なんか連れてきて、それだけで見る気が失せました。全米と全英を放送するテレビ朝日は、もっと最悪です。昨年の全米オープンは、毎日抗議の電話をかけました。おかげで最終日はなんとかまともな放送をしました。それとPGAなど外国人選手の顔も知らない勉強不足のカバ男は新打法がいいですね。なんで日本のゴルフ中継は、ホールバイホールを淡々と放送してくれないのでしょうか? フジのF1も犯罪的です。スポーツ中継は、地上波ではぜったい無理ですね。
投稿: うp男 | 2005/04/15 14:45
小田嶋さまはすでに書いているかもしれませんが、サッカーの観客を「サポーター」、野球で言うところのコミッショナーを「チェアマン」と呼んでいることをJリーグが作られたときに知って、私は唖然としました。
私には同じものじゃないかと思えるのですが、何か別の意味があるのでしょうか?
投稿: Inoue | 2005/04/18 09:35
Inoueさま
小田嶋せんせーではなくてすいません
僕も以前同じような疑問をもっていました。
僕なりの違いを
観客については、サポーターは「support」=支持・支援なのかなと。
クラブチームの運営では、ヨーロッパ等では実際に市民が出資して支える方式が多いって聞いたことあります。(日本では確か新潟とか)
一方、野球の観客は、英語にすると「spectators」かなと。
次にトップについては
逆に日本語にすれば、ぴんときませんか?
チェアマンは「議長」、コミッショナーは「委員長」ですよね
トップの体質が現れているように感じます(僕だけでしょうか)
投稿: tmac | 2005/04/18 15:13
すでにある言葉をわざわざ別の言葉で言い換えるときは大抵胡散臭い。
ファン→サポーター
ファンであるだけでなくサポートしろという強要もしくはおれはただのファンでなくサポートしているんだという傲慢。
プータロー→フリーター
定職につかないのは自らの意思なんだという主張。
ミュージシャン→アーティスト
俺は音楽職人じゃないんだ、芸術家なんだ。
ディスコ→クラブ
だってディスコってあれでしょ、あの昔のフィーバーとかお立ち台とか。そんなんじゃなくて、私たちみたいなコアな人たちが集まる所なの。
雪辱をはらす→リベンジ
日本語だとそのまんまですな。けれどスポーツにおける雪辱戦をリベンジとは決して言いません。リベンジとは陰惨な言葉です。スポーツの場合はリターンマッチ。
その他多数ある筈ですが、今思いつきません。
投稿: エダ | 2005/04/24 01:25