手錠
小林薫容疑者の現場検証映像を見ていると、手錠および腰縄の部分にモザイクがかかっている。
ははは。
まだこんなことをやっているのか。
おそらく、この手錠モザイク処理は、不起訴処分になった容疑者とかから
「容疑者に過ぎない段階で、手錠姿を全国放映されたことで社会的なダメージを受けた」
みたいな抗議があった場合に備えての、事前弁解みたいなものなのであろう。
いや、それすら考えていないのかもしれない。
単なる前例踏襲の機械的処理。問題用語にピー、手錠にモザイク、韓流におばさん映像。条件反射。
というよりも、テレビ各局が手錠姿にモザイクをかけるようになったきっかけは、三浦和義だったかが手錠姿を全国放映されたことについて損害賠償の訴訟を起こして勝訴したからなのかもしれない。
いずれにしても、彼らが人権に配慮しているつもりなのであれば、モザイクをかけるべきは容疑者の顔であって、手錠ではないはずだ。
だって、手錠モザイクの場合、モザイクをかけていようがいまいが、状況からして、モザイク部分が手錠であることは誰にだって即座にわかってしまうことだからだ。
つまり、メディアが手錠にモザイクをかけている理由は、人権に配慮しているからではなくて、人権に配慮してますという姿勢をアピールしているからに過ぎないわけだ。
よく似た話に、「プライバシーを配慮して、声を変えています」というヤツがある。
あの、内部告発者だとかのインタビュー音声が、低いノイズまじりの音声に変調されるアレだ。
実は、あれは、知っている人には、判別可能だったりする。
というのも、人の語り口を個別化している要素は、必ずしも声のトーンだけではないからだ。
イントネーション、訛り、発音のクセ、間の取り方、接続詞や常套句の使い方などなど、個々人のしゃべり方には思いのほか強い個性がある。
昔、とある知り合いがテレビのニュース番組のインタビュー(←たしか市販パソコンソフトの違法コピー事情についてのお話だった)を受けて、例の変調音声が流れたことがあったのだが、私の耳は、最初のセンテンスを聴くなり、「おい、Kちゃんじゃないか」と、一発で声の主を識別した。いや、私が特別に良い耳を持っているというお話ではない。誰だって、知り合いのしゃべり方は、声が変わっていてもわかるということです。
結局、この場合も、「音声を変調してあります」の目的は、発話者のプライバシー保護ではなく、メディアが、取材相手を安心させるためだったりするわけで、安心してゲロったおっちょこちょいの業界人は、放映後、ちょっとした業界内有名人になるwけですね。くわばらくわばら。
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