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2004/11/30

浦和VS広島

SUPER SOCCER : 試合速報
埼玉スタジアムにて生観戦。バックスタンドアッパー席。同行はチケットを取ってくださったO野氏&C嬢。
報告が遅れたのは、ドラクエ8にハマっているから。ははは。

開始4分でネネがいきなりの一発レッド。
それでも広島は攻め手なし。なぜか。どうしてボランチが最終ラインに張りついているのか。
闘莉王のゴール以降は、まるであぶなげなし。
試合後のセレモニーは、テープの乱舞が美しかったです。
来週の日曜日は、横浜国際にてチャンピオンシップ第一戦を観戦予定。勝ちたいですね。
おまけの写真です。
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ゴール裏の人文字。「Go to Asia」。チャンピオンシップに勝ってアジア王者を目指そうということかと。

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テープでぐちゃぐちゃな客席。

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2004/11/24

駐車違反

 自宅マンション前の路上。
 30分でレッカーかよ。
 玄関を出ると、警官A、女性警官B子およびレッカー作業員C、Dがまさに撤去5秒前の体勢。
「ぅぁお」
 と思わず発声。「う」の口の形で「あ」を発音する感じの曖昧な声が出る。水中フランス語のゲップみたいな音。
「運転者の方ですか?」
「ぅおぁぁ」
 はっきり返事をするのが業腹なので、酔っ払いみたいに振舞ってみる。アルコール検査とかを要求されたら思いっきりゴネる意向。感情を乱されると奇妙なアドリブが顔を出す。うん。悪いくせだ。わかってるってば。
 婦警(←差別用語なのか?)さんは賢い。こっちの挙動不審をまるで問題にせずに、自分のペースで切符を切りはじめている。警察官僚。
 撤去作業は中止。なんとかレッカー移動料金の方は逃れる。不幸中の幸い。オレの幸せはいつも不幸の一部としてもたらされる。
「放置したことはお認めになりますね」
「もごもご」
「では、こちらに署名してください」
「ううああ」
「現在、持ち歩いている印鑑はございますか」
「おおうあ」
 最後まで挙動不審を通すも、女性警官はまったく動じない。
 あるいは署に帰ってから警視庁のデータベースに何らかの情報を入力したかもしれない。
「覚醒剤常用の疑いアリ」
 とか。
 上等じゃねえか。家宅捜索に来い。受けて立つぞ。
 

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2004/11/20

浦和VS名古屋

SUPER SOCCER : 試合速報
NHK総合にてテレビ観戦。
試合前。素晴らしい好天。すごい紙吹雪。


  • 01 左サイドをアレックスが突破。DFに当たって左CK→失敗。
  • ※立ち上がり、レッズが圧倒的に押し込む。
  • 03 浦和の激しいプレスに名古屋苦し紛れのクリア。右CK→ウェズレイがクリア
  • 04 アレックスFK→
  • 06 名古屋、ウェズレイからマルケス→ヘディングシュート→枠の上。
  • 08 ゴール右45度、35m 三都主FK。アルパイと角田が衝突。
  • ※おお、ネルシーニョの通訳を元ヴェルディの石川康がつとめている。いい選手だったよなあ。ボリビア出身だっけ。
  • 10 三都主FK→DFクリア→エメボレー→失敗。残念。
  • 12 ゴール前左45度。アルパイがファールとられる。工エエ(´Д`)エエ工。ウェズレイFK。蹴る前のポジションの奪い合いで秋田にイエロー。FKは壁。あぶねええ。
  • 15 中央をドリブルで上がった山田から左サイドエメルソン。シュートはサイドネット。惜しい。
  • 16 左サイド三都主から絶妙のクロス。エメのヘッドは枠の上。惜しい。
  • 18 永井、右サイドからDFを一人かわして左足ミドル。キーパーはじいてCK。右CKは、中央にいた闘莉王に合うも、ヘッドは枠左。
  • 19 中央左を突破した田中から中央エメルソン。わずかに合わず。惜しい。
  • 20 ウェズレイがフリーの中村に戻す。シュートは上。あぶね。
  • ※田中達也は意外なほどしっかりとしたポストプレイができる。偉い。
  • 23 右サイド、長谷部が引っ張られてFK。三都主→山田ミドル。フカシ。
  • ※名古屋角田にイエロー。
  • ※審判に抗議した山田にイエロー。審判テンパってませんか?
  • 26 名古屋ウェズレイのFK。田中がクリア。偉い。
  • 27 名古屋、ウェズレイ→マルケス→ウェズレイ→クライトンシュート→山岸はじく。あぶねええええええ。
  • 28 長谷部から絶妙なスルーパス。田中の折り返しはDFに当たってゴールライン切るCK。右CK、こぼれをネネ左足。上。惜しい。
  • 29 永井の突破を体で止めた古賀にイエロー。FKは直接楢崎。
  • ※30分過ぎからちょっと膠着状態。名古屋は外人トライアングルがコワいけど、それだけ。
  • 38 アルパイのオーバーラップ。クライトンが倒してイエロー。
  • 40 スルーパスから抜け出して中村が中央を突破。ゴールライン際からマルケスに戻してシュート。0-1。最終ライン、上がりすぎだったかも。
  • 41 永井の突破を止めた吉村にイエロー。名古屋5枚目。
  • 43 角田、おいおいイエロー二枚目じゃないのか?
  • 44 三都主スローイン。山田のクロス。こぼれをアルパイ。キーパー。ネネ。サイドネット。惜しすぎる。
  • ロスタイム マルケスOUT 平林IN。マルケス猛烈に不機嫌。なぜ?
  • 01 右サイド永井の突破。右CK→左CK、名古屋クリア。
  • 02 右サイドからのクロス。エメルソンがヘッドで落とす。三都主右足シュート。楢崎セーブ。
  • ※おお、大宮が勝っている。がんばれ。
  • 04 FK。三都主が触ってエメルソン。上。
  • ※ 後半、空回り目立つ。オレもメモが取れない。
  • 12 平林が抜け出す。闘莉王追うも、CK。山岸。
  • 13 エメルソンを倒した大森にイエロー。
  • 13 30秒後、大森またしてもエメルソンを倒す。イエロー。二枚目。レッド。
  • ※最終戦のチケット持ってるんだけど、あれがゴールデンチケットになるためには、2連敗が必要なわけで……
  • ※20分経過。なんだかカタいです。エメルソンも前回に引き続きちょっと不調。
  • 22 タコ殴り。アルパイからのクロス。
  • 22 永井を倒してファール。長谷部OUT 岡野IN。
  • 24 ウェズレイに抜け出される。
  • ※横浜リードの情報。ってことは、負けても優勝か。それはちょっと……
  • 25 アルパイシュート。ヒットせず。
  • 26 岡野右サイド突破。右CK。壁。
  • 27 永井左サイド突破→左CK。
  • 28 CKのこぼれ、ウェズレイがカウンターでドリブル。クライトンのシュート。山岸セーブ。ありがとう。ってか、ディフェンスやばい。
  • ※永井、エメ、山田が次々とチャンスにからむ。でもなんかカタいぞ。
  • ううう。角田2点目。もうメモはやめ。

1-2で試合は負け。浦和の一点は、エメルソンのPK。
ガンバが負けたために、優勝決定。ちょっとへんな風景。
ブッフ苦笑い。にやにや。
まあ、こういう優勝もいいかな。にやにや。

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記事全文2

 以前どこかのタイミングでお約束したことなので、島田紳助事件について、「Yomiuri Weekly」誌(11/21日号:11/7日発売)に掲載した記事の全文をアップします。私が約束をやぶって、そのことで浦和レッズが優勝を逃したりしたら一大事ですから。とにかく、優勝決定までは正しい人間であろうと(ry
 

  先週の当欄でちょっと触れた島田紳助の暴力事件について、この一週間で事態が進展したので、現時点で判明している事実関係と論点について、以下、ざっと述べておくことにする。
1.紳助は会見で号泣。「100パーセント僕が悪い」と、全面的に謝罪。ただし、事実関係については、「平手で一発だけ」とするなど、被害者の言い分(「拳固で数発&顔面に唾」)と対立。
2.被害女性は態度を硬化。示談に応じる構えはなく、正式に告訴。
3.テレビではタレント仲間から紳助擁護の意見が多数流される。
4.被害女性について「普通のマネージャーとは違う態度の人らしい」(おすぎ)。「この女性がやっている事は『犯罪的行為』である」(松尾貴史)「日本古来の"なぁなぁ"の文化が理解できない人」(ラサール石井)など、メディアを通じて否定的な論評が続出。
 ……うーん。ひどい。
 ぜひ強調しておきたいのは、被害女性の態度は、この際、問題の本質とはあんまり関係がないということだ。第一、彼女が生意気だったかどうかなんてことは、密室での事件である以上、他人にはわかりっこないではないか。
 とすれば、論点は
A.非のない女性を殴るのは言語道断。
B.失礼な女であっても殴れば暴行。
 ということに尽きる。つまり「状況がどうであれ暴力はいけません」 という単純な話なのだな、これは。であるから、一方において、裁判の帰趨はともかくとして、紳助が真摯に謝罪すれば解決に向かう話でもある。
 むしろ深刻なのは、被害女性をめぐる、業界をあげてのセカンドレイプ(被害者いじめ)の方だ。「芸人の世界ではこの程度のことはよくあること」「マネージャーなら、芸人のわがままは容認すべき」「帰国子女は空気を読めないから困る」という、紳助擁護派の人々が展開しているこれらの論理は、ある意味で、紳助の暴力以上に被害者を傷つけている。というのも、上記の論点は、その内に「組織の中にいる人間は上位者の横暴を甘受すべきだ」という空恐ろしい同調化圧力(っていうか、奴隷根性だよな)を含んでいるからだ。
 ついでに言うなら、「形式的な法律よりも、その場の雰囲気の方が大切だ」という、「"なぁなぁ"の文化」が野球界の裏金体質を助長し、ホークス球団前社長のセクハラを容認し、西武グループの株式名義虚偽記載を看過させた元凶であるという事実をわれわれは……って、うんそうだよ、オレは建前論を振りかざしている。中学生みたいな正論を吐いている。でもって、「空気を読」んだ業界人に対して青臭いキバを剥いているわけだ。困るよね、こういうヤツって。
 おそらく、テレビの現場において、最も大切なのは、「空気を読む」能力だ。スタジオの空気をいち早く読んで適切な突っ込みを入れるアドリブ能力。プロデューサーの意向を汲み取る状況判断力と、不祥事をかわす反射神経。業界人脈の力関係を見極める眼力。
 ……私は、反射的に弱者の味方をするテの言論を弄んでいるのではない。「同調と異端」の話をしているつもりだ。つまり、この国では、何か問題が起こった時、事の是非や正邪よりも、周囲の空気に同調的であるか否かが重視されるということだ。で、同調的な人間は生き残り、孤立した人間は排除される。そして、調子を合わせる能力が称揚され、孤立をおそれぬ勇気は忌避される。学校でのいじめも同じだ。強弱ではなく、孤立/同調の文脈で起こっている。
 一億二千万人による横並び圧力。
 いやな国だなあ。

 私がこの原稿を書いたのは、11月3日で、ということは、もう半月以上も昔の話です。
 いまさら蒸し返したい話でもないので、お読みになった方は、なるべくコメントしないでください。
 反論であれ同意であれ、この問題については、私はもうコメントを返しません。論点は既に出尽くしているし、意味のある議論は終了しています。
 それでは。

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2004/11/19

敬語

 敬語についてつらつら考えているうちに、関西弁に行き当たった。
 知っている人は知っていると思うが、私は関西の人たちがちょっと苦手だ。関西弁にも若干アレルギーじみた感覚を持っている。
 それでも、敬語に関しては、彼らの方が賢い対処法を知っていると思う。
 関西の言葉には、伝統の中で熟成された、ニュアンスの豊かさがある。
 その点、東京の言葉は、しょせん人工言語だ。地付きの江戸弁を漂白脱色して共通語をひとつでっちあげました、という感じだろうか。
 東京の言葉(以下、「共通語」とする。個人的には「標準語」という言い方の方が馴染み深いのだが、最近はあんまり使わないようなので)は、論理を構築するには都合が良い。万事明快で外来語や漢語との相性も良い。翻訳調の生硬な文体ともやりとりができるし、漢文の書き下し文と並べても型崩れしない。つまり、文章語としてはとてもよくできているわけです。
 でも、話し言葉としての機能は、ちと弱い。
 そもそも言葉そのものが、距離感(ニュアンス)を持っていない。もちろん、ニュアンスみたいな曖昧な要素を持って意ないからこそ、語義の明確さが担保されているわけなのだが、それはまた別の話で、ともあれ、語法やアクセントの部分でニュアンスを表現することができない共通語は、敬意や距離感を、敬語という別の枠組みで処理しなければならない。
 で、結果として、共通語には、無礼なタメ口と、よそよそしい敬語という二通りの距離しか無いみたいなことになって、関西の言葉を使っている人たちの、自在な距離感が、われわれにはうらやましく思えたりするわけなのですね。

 関東の人間から見ると、関西の人たちは、長い歴史の中で、敬語をうまい具合に骨抜きにしている感じがする。
 なにより、動詞の語尾に「はる」を入れるだけで、簡易的な敬語をでっちあげてしまっているところがすごい。
 で、その
「何してはるんですか?」
 という、ぞんざいなんだか丁寧なんだかわからない言い方を、社長から学校の先生から、犬にまで、ひとっからげに適用してしまう。
「お宅のワンちゃんな、さっき薬屋の前歩いてはったでぇ。つながんといてええのンか?」
 である。
 社長に対しても同じ。
「ほら、入社式ん時に、社長はんが言うてはったやろ、営業は足と誠意やて」
「ああ、言うてはった言うてはった」
 見事な応用だと思う。
 これを共通語でやるとおかしい。
「おたくのワンちゃんが、さきほど、薬屋の前を歩いてらっしゃいましたよ。つないでおかなくていいんですか?」
 変だ。絶対に変だ。
 社長の話でも、
「ほら、入社式の時に社長がおっしゃっていただろう。営業は足と誠意だって」
 と、標準語でこれを言うと、どうしても社畜感が漂ってしまう。
 関西の社長との、肩の触れ合いそうな絶妙な距離感は消失してしまう。
 敬称についても、関西の人たちの方が柔軟だ。
 豆とか芋みたいなものにまで、さんをつけるし、京都ではうんこにまでさんをつけるらしい(←未確認)。
 こういう感覚は、われわれにはわからない。
 
 私が関西にうまくなじめなかったのは、関西弁もさることながら、大阪の人たちの間にある対人感覚をマスターできなかったのが大きいように思う。
 まあ、私も当時は二十代前半の潔癖な若者だったわけで、そういう内気でかつプライドが高いみたいなやっかいな小僧には、なにかにつけて馴れ馴れしく感じられる大阪人のマナーよりは、東京発の他人行儀な礼儀の方が、対処しやすかったということですね。

 おそらく、東京には、「日本中から田舎者が集まってくる場所である」という事情からできあがった独自のルールがあって、それは、つまるところ一種の他人行儀ということになる。で、その「他人のプライバシーに安易に立ち入るべきではない」という、よそ者集合地ならではのルールないしは感覚が、共通語の敬語には宿っている、と。
 だから、共通語はナンパには向かない。
 友達を作ることにも向かない。
 特に、大人になった後の人間は、初対面の敬語の関係から、親しい者同士の同輩の言葉に移行できない。
 というのも、われわれは、親しさと礼儀正しさを両立させる言葉を持っていないから。
 それが、関西弁では、スムースに移行できるような気がする。
 うらやましいことだ。

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2004/11/17

日本代表VSシンガポール代表

SANSPO.COM

NHK-BS1を録画にまわして、生観戦はTBS。


  • 18:55。放送開始。水沼&美帆ちんの第一声。5秒でCM入り。2分CM→これで番組テーブル上は55分開始ということになるわけだ。セコい。
  • 客はいってないなあ。こんな埼スタ初めて見るぞ。ざっと見て4分の入りか。
  • 「勝てば天国、負ければ地獄」というキャッチフレーズを重々しく繰り返している。はは。正直、消化試合なわけだが。
  • おお、柱谷凍傷が解説だ。
  • おっと、試合開始時間には満員。ってことは、代表の客って、開始前15分以降に半分以上来るわけだな。平日だからか?
  • レッズの客は試合開始1時間前で6割、30分前だと9割は来てるぞ。ゴール裏は、2時間前から歌ってるし。見習ってくれ。
  • ※※※凡戦ですね。レポートする気しません。
  • 柱谷凍傷がさんざん指摘していたが、サイドチェンジが皆無。フットサルみたいなショートパスばっかし。
  • ボールへのアプローチも甘甘。やっぱり怪我をしたくない時期の消化試合ということか。
  • 中盤がヘボ過ぎ。
  • 前線でキープできるFWがいない。ポストもできない。どうやって攻めたらいいの?
  • シンガポールはガツガツ来ている。
  • はい、終了。無駄な試合でした。

  • ***********寸評***********
  • 土肥 :6.0 仕事なし。ロスタイムのセーブのみ。
  • 三浦淳 :6.5 高い位置で頑張っていた。
  • 宮本 :6.0 地味にカバー。
  • 松田 :6.5 得点意欲はチームNo.1。
  • 加地 :5.5 時々突破。時々ミス
  • 遠藤 :5.5 サイド変えろよ。
  • 中田コ :5.0 いた?
  • 小笠原 :4.5 パスミス連発。ボール獲られ過ぎ。
  • 藤田 :5.5 狙われてました
  • 本山 :6.0 相変わらず惜しい。
  • 玉田 :7.0 まあ、点とったからいいか。
  • 大久保 :6.0 リズム変えたが……
  • 鈴木 :5.5 イエローは余計
  • 三都主 :--  採点不能。

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ご学友

 ここ数日、「ご学友」という立場の人たちが次々とテレビの画面に現れる。
 その誰もがテレビカメラを前に、完璧な敬語を使いこなしている。
 びっくりだ。
 まあ、そういう能力を持っていなければご学友なんてやってられないんだろうが、それにしても驚くべき鍛錬と才能だと思う。
 ちなみに私は、事前に原稿を書いて、そいつをまた慎重に推敲すれば、なんとか80パーセントぐらいの敬語は使えると思う。
 でも、アドリブは到底無理だ。謙譲語と尊敬語と丁寧語を過不足なく使い分けることがまずできないし、どうせ慇懃無礼(丁寧すぎてイヤミになること。皇室報道にまわされた、レポーターのほぼ全員が、この線に落ち着いている)に陥るに決まっている。
 ご学友の人々の敬語には、敬語を扱い慣れている人間ならではの自然さがある。
 あるいは、敬語を使っていながら緊張していない、というその構えのあり方が、画面のこっち側から見ていて見事に見えるのかもしれない。
 
 でも、あんなふうになりたくはないな。
 敬語なんか使えなくても、別に不自由しないし。
 敬語を使いこなせないと恥をかくような場面が、この先無いと限ったものではないが、そういう場所や立場とは、なるべく無縁でいたいものだ。
 もし仮に、どうしても敬語を使わねばならない立場に立たされたら、「させていただく」式のインチキ敬語を連発してその場をしのぐことにしよう。
 「させていただく」の連発は、聞かされている身からすると、たしかにちょっと聞き苦しい。というのか、芸のない感じを受ける。でも、仕方がないではないか。誰も、敬語みたいなクソやっかいな身分言語の習得のために割く時間があるわけじゃないんだから。
 「参ります」という動詞が咄嗟に出てこない時には、「行かせていただきます」と言おう。
 何かを食べる時には、「いただかせていただきます」と堂々と発音しよう。

 えー。このたび、ごあいさつをさせていただく光栄にあずからせていただいておりますオダジマでございますが、本日、この場所にお集まりいただかせていただいく……じゃなかった……えーと、お集まりいただいてくださったみなみな様の、貴重なご時間――あ、お時間をいただきまして。というよりも、えー……この時間を割いていただいたことに感謝をさせていただかせていただく件につきまして、わたくしはありがとうという気持ちでいっぱいです。
 ですので、その、わたくしの満腔の感謝をもちまして、あいさつとかえさせていただくことをおゆるしいただきたいと存じている次第ですのでさようなら。
大丈夫。オッケーだ。

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2004/11/15

XP依存

 ipodは、相変わらず更新できない。さよう、WindowsXP SP2導入の後遺症だ。
 不思議なのは、私が、XPとマイクロソフトに対して、こんなにも腹を立てていながらその一方で、どうやらこの苦境を面白がっていることだ。
 その昔、マックユーザーだった頃も同じだった。
 当時のマックは、それは理不尽なフリーズを繰り返すタコマシンで、おかげで、何度眠れぬ夜を過ごしたか知れないのだが、トラブルが起こる度にマックを呪いながらも、私は決してマックを見捨てなかった。むしろ、他人がマックの悪口を言うと必死で弁護するぐらいなもので、ウィンドウズに乗り換えるなんてことは毛ほども考えなかった。
 共依存という言葉をはじめて知った時、
「なんだ、オレとmacのことじゃねえか」
 と思った
ほどだ。

 そんな私が、ウィンドウズに乗り換えたのは、マックを見捨てたからではない。
 最初は、職業上の必要から、不承不承にMac/Winの並行使用に踏み切っただけだ。
 それが、ウィンドウズを使い始めてみると、私のマック至上主義は、徐々に瓦解して行った。
 で、さらに、ウィンドウズの使用頻度が高まってくると、今度はむしろマックを疎んじる気持ちが強くなってきた、と、そういう成り行きだった。
 ウィンドウズが素晴らしかったから?
 違う。
 だって、私が使っていたWindows98は、自作マシンとの相性もあったにしろ、MacOS8.6に勝るとも劣らないダメOSで、おかげで私は、何十回も再インストールを繰り返さねばならなかったのだから。
 にもかかわらず私がWin派に転向したのは、おそらく、自由意思ではなく、宿命に由来する行きがかりだったのだと思う。
「古手のパソコンユーザーは、平安をもたらしたマシン(OS)よりも、苦境をともにしたマシン(OS)に、より深い愛情を抱く傾向にある」
 と、そういうことなのだな、おそらく。
 こんなにひどい目にあっているXPについても事情は同じで、トラブルに遭えば遭うほど精通してきていて、でもって、精通すればしただけ離れがたくなってきているわけで、つまり、アレだ、銀ちゃんに対するヤスの心境みたいなことになっているわけだ。
 それゆえ、
「OSテンは安定してますよ」
 という、古いマカー仲間の人々の声をきいても
( ´_ゝ`)フーン
 と、気の無い返事をするばかり……と。
 やれやれ(←村上春樹風)。
 

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2004/11/14

永井!!

やべっちFCにて天皇杯、浦和VS福岡戦など、数試合のダイジェストを見た。
永井はのびのびやればワールドクラスだな。
エメルソンがいない時に良い結果が出ることが多いのは、やはり安易にパスを送らず、最後まで自分で行くからだろう。そうだ、ナギーよ。強引に行け。
デビュー戦で井原をぶっこ抜いてから、遠回りをした感じもあるが、案外この先化けるかもしれない。

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2004/11/13

○僕の日記

 昨日の記事の本文(テンション)中で引用したテキストのひとつについて、リンク先を明記しておくことにします。
 あらためて読みなおしてみて、あんまり面白かったので。それに、テキストを書いた本人が「(この文章は)多くの人の目に触れて欲しい」と書いていることでもあるし。

 とあるスタッフの日誌(11/08)

 リンクが無効化する可能性(まあ、反響殺到でしょうから)を考慮して、以下にざっと内容を要約しておきます。


  1. 書き手(僕)は、『クイズ! 紳助君』のスタッフの一人。おそらく構成作家。
  2. 今年の4月26日の打ち合わせ、で番組内で紹介するVTRの構成を担当した「僕」は、MC打ち合わせに前に、控え室にいた。
  3. 忙しくて昼飯を食べる時間がなかったため、その控え室で3時過ぎにサンドイッチを食べていた。
  4. ディレクター(U君)の声が聞こえたので、食べながらあいさつ。サンドイッチを食べながらだったので、モゴモゴした「おはよ~っす」になってしまう。
  5. と、奥に人の気配。なんと紳助がいつもより早めに到着していたことがわかる。
  6. あ!」と背筋が冷たくなりました。僕の気のない「おはよ~っす」が、紳助さんに向けられたものと勘違いされたかも!そう感じたから。でも、ちゃんと「おはようございます!」と言い直すタイミングもなく、そのまま打ち合わせに突入してしまいました。
  7. うひゃあ!…紳助さんのテンションを下げてしまったのではなかろうか。打ち合わせ中、ずっと心配でした。
  8. 案の定というか、その日、紳助さんのストレスが本番で爆発しました。いつになくトークが喧嘩腰。しかも、キーワードは“挨拶”でした。
  9. G控え室での僕の気のない「おはよ~っす」から怒りが始まっている気がして、僕は、本番に立会いながら、背中に汗をびっしょりかいてしまいました。

 ……と、「僕」は、上記の経験を紹介した上で、「僕たちはこれほど気を使っている。あのマネージャーも、もっと気を使うべきだったのでは」という結論に論を導いているわけなのが、結局のところ、自爆していると思う。
 彼としては、放送番組の制作現場が緊張感溢れる特別な空間であることをアピールすることで、島田紳助司会者を擁護するつもりだったのだろう。
 が、結果として、こちらの印象に残るのは、「まるで平壌だな」ということだけだったりする。
 じっさい、皇帝の侍従だってここまでびくびくしていないと思う。
 特に上記6~9の流れは、哀れでさえある。
「若手Dに向けて返したモゴモゴしたあいさつを、紳助さんに聞かれてしまったが、あれが紳助さんに向けた『おはよ~っす』だと、そういうふうに誤解されていたのだとすると一大事だ」
 なんて、ふつう、こんな心配しますか? 北朝鮮じゃあるまいし。

 まったく。
 11月12日分の日記もなかなか。
 ぜひご一読あれ。

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2004/11/12

テンション

 紳助の事件について、書くべきことは既に書いた(今週号のYomiuriWeekly掲載分は、雑誌が店頭から消える頃にでもアップしようかと思っています)。いまさら付け加えることはない。

 ただ、紳助を擁護する人々の発言の中に、気になる言葉があったので、ちょっと掘り下げてみたい。

「本番前の演者のテンションを下げる行為だけは、誰がなんと言おうと絶対にあり得ない」「物創りのハイテンションな現場で……」「……紳助さんのテンションを下げてしまったのではなかろうか。打ち合わせの中、ずっと心配でした」
 出典(注:上記「」内は、それぞれ別の人間による別の発言です。つまりソースは3種類あります。)については、反論が来たりすると面倒なので、明かさずにおくことにする。肝心なのは、発言の内容であって、誰が言ったかではないわけだし。
 この「テンション」なる言葉は、おそらくテレビ制作現場における頻出単語なのであろう。
「おまえどうでもいいけど、本番前にテンション下がるようなこと言うなよ」
「5分前です。テンション上げて行きましょう」
「ってか、地を這うようなテンションでそういうこと言われてもなあ」
 ……そうですか。テンションねえ。
 つまり、アレですね。制作者および出演者が、繊細微妙かつ高度な精神的境地に到達しているのでなければ、良いモノは創れないよ、と、そういうお話ですよね。
 はは。
 あなたたちは何様なんですか? と言いたいな。ぜひ。
 何を芸術家ぶっているのか、と。
 自分のかかわっている「物創り」を、何か特別で高尚な作業だと思い込んでいる人間が、世間に向けて自分の偉さをアピールしている、と、あたしにはそういうふうに聞こえるな。
 いいですか、クリエイターのみなさん。
 夕食の献立を考えている主婦だって、出勤前に今日の巡回ルートについて思いをめぐらせている営業マンだって、みんな自分なりには集中しているわけで、誰もが、できれば集中をさまたげられたくないと思っています。
 でも、多くの人々は、歩きながら考え、考えながら手を動かし、手を動かしながら周囲の声に耳を傾けなければならない立場に置かれている。当たり前の話です。
 オレらパンピーは、そういうガチャガチャした空気の中で、ものを考えたり、作業を進行させたり、何かの準備をしたりして、そうやって毎日を生きている。
 じゃあ、テレビの人たちは特別なんだろうか?
 冗談じゃない。
 そりゃ本番前は緊張するだろうが、それもまた商売のうちだという、それだけの話じゃないか。
 君たちのうちの誰かが、ちょっとしたことで集中を乱しがちなのだとしたら、その理由は、彼が極めてデリケートな孤高の境地にいるからというよりは、単に発想に行き詰っているからか、そもそも集中力が希薄だからだ。

 どこだかのプロゴルファーが、ショットに集中する余り、飛行機が真上を飛んでいたことに気づかなかったというエピソードを聞いたことがあるが、実際、ゴルフの世界では、ちょっとしたことで集中を乱されてしまうゴルファーは、ヘボという烙印を押されることになっている。
 テレビの現場であっても事情は変わらない。
 よってたかって、周囲から腫れ物に触るようにしてもらわないと物が創れないクリエイターがいるのだとしたら、要するにそいつには才能がないのだ。
 物作りのハイテンションな現場だと?
 笑わせてもらっては困る。
 弘法は筆を選ばない。雪舟は柱に縛られながら足で絵を描いた。レノン&マッカートニーは移動中の車の中で歌を書き、ミスター・ボージャングルズは納屋の軒先で新しい振り付けを考案した。
 オレだってそうだ。事務所に通っていた当時は、バイトの兄ちゃんたちが後ろからいきなり話しかけてくる中で原稿を書いていたし、子供が小さかった頃は、5歳児にアタマを蹴られたりしながら打ち合わせの電話に出ていた。それで何の不都合があったわけでもない。
 勘違いしないでくれ。私は、自分を弘法大師やビートルズと同格に置きたくてこういう話をしているのではない。制作環境やメンタルコンディションについてグダグダ言うヤツはヘボだ、と、そのことを言いたいだけだ。
 
 バラエティー番組の司会者をとりまく空気がピリピリしているのは、彼の芸に対する執念がオーラを発しているからではない。単に権力が周囲を威圧しているだけだ。

うひゃあ!…紳助さんのテンションを下げてしまったのではなかろうか。打ち合わせ中、ずっと心配でした。考えすぎ、と思われるかもしれません。でも、番組の本番直前のメイン司会者の神経は普通ではないのです。莫大な予算をかけ、たくさんのスタッフが時間をかけて準備をした番組を、最終的に面白くするもしないも自分次第なのだというプレッシャー、そこから生まれるストレスの大きさは、想像を絶するものがあるはずです。番組の評判が悪ければ、すべての責任を自分が背負わされても仕方がないという覚悟とともに、常に真剣勝負。ゲストで出演するのと、番組を仕切る立場ではワケが違います。
   ……と、こんなふうに裏方が前の人間を甘やかすからいけないのだよ。  問題はテンションの高低やあいさつの出来不出来ではない。  スターという神話的存在を仮定しないと現場がドライブしないのは、芸能界がサル山構造的な病理におかされているからなのであって、テンション云々は、ボスのご機嫌取りをしている連中の弁解ないしは、照れ隠しに過ぎない。  ついでに申せば、テレビの制作現場が、「あいさつの出来ない人間」「空気を読めない人間」を異常なほどに嫌うのは、彼らの世界が上意下達の身分制秩序に支配された封建社会であるからにほかならない。

 2ヶ月ほど前だったか、偶然に見た深夜番組で、関西の若手のお笑いの連中が「憧れ芸人について語る」だとかいうテーマでトークを展開していた。
 記憶では「憧れ芸人」と、テロップが表示されていた。
 なんという恥ずかしい構成。
 いい若い者が、会社の先輩を誉め倒しているのだ。しかも、無頼な口調で、自らの率直さを誇るみたいにして、だ。
 その、身内ボメの、業界内ヨイショの、何の工夫もない土下座トークを聞きながら、私は確信した。少なくとも関西のお笑い芸人の世界は、どうしようもない支配・隷従、小突き回し・尻尾振り、威張り散らし・おべっか使いの世界になっている……ははは。大論文になってしまった。
 さあ、そろそろテンションを落として仕事に戻ろう(←棒読み)。

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2004/11/10

※コメントについて

 各記事へのコメントに対して、いまのところ小田嶋は反応したりしなかったり、ケースバイケースで対応しています。
 もう少し具体的な言い方をすると、要するに「答えやすい質問や気に入ったコメントにだけ反応している」わけです。
 あるいは、無視されて不愉快に感じている方がおられるかもしれませんので、以下に、皆さんからいただいたコメントに対する当方の対応について、おおまかな原則を記しておきます。


  1. 荒らしはスルー
  2. 煽りは放置
  3. 内容が立派でも口調が失礼なコメントには対応いたしません
  4. 普通の読解力があれば理解できる内容についての不要な質問にはお答えしません
  5. 小田嶋の痛いところを突いた質問、または小田嶋を完全に論破し去ったコメントに対しては、グウの音も出ません

 つまりまあ、ここではオレが王様だよ、と。
 これぐらいの独裁権がないとブログなんてやってられません。

……って、こういうのは、トップページに常時掲載すべきなのかも

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サッカーマガジン1000号

 ジーコと岡田さん(Fマリノス監督)の対談が良かった。
 ジーコがここまで率直に自分の言葉でサッカーを語ったのははじめてなんではなかろうか。
 これまで、ジーコのインタビューというと、言っていることはもっともでも、表現の仕方が月並み過ぎるというのか、面白味に欠けるものが多かった。が、今回のお話は非常に具体的で生き生きしている。
 岡田さんという人は、そこいらへんのジャーナリストよりずっと有能なインタビュアーなのかもしれない。
 というよりも、たぶん、ジーコみたいな人は、ジャーナリストやライター相手だと木で鼻をくくったような決まり文句しか言わないのだ。
 それが、同じサッカー人(監督仲間として認めた人間)に対しては、心を開いて胸のうちにある宝物を見せてくれる、と。
 
 トルシエが神戸の監督になるという噂が出ている。
 ぜひ、実現してほしい。
 そう、必要なのは嵐だ。
 野球界の現状を見ればわかる通り、腐敗はむしろ、小春日和の穏やかな空気の中で進行する。
 とすれば、順調に見える今この時にこそ、混乱が準備されねばならない。
 フィリップよ。
 また、ちゃぶ台をひっくり返しに来てくれるんだよな?
 フレンチ星一徹ってやつだ。
 日産のゴーンさんもいなくなるらしい。ぜひ後釜をたのむ。
 そして、たくさん問題を起こして、思うさまに暴言を吐き散らして、日本のサッカー界をひっかきまわしてくれ。
 川淵さんを怒らせ、記者諸君をエキサイトさせて、議論沸騰の百家争鳴のシュトルム・ウント・ドランクのミックストアップコンフュージョンを捲き起こして、ついでに、ジーコにも、ぜひ君のあの素敵なフランス風の皮肉をぶつけてやってくれ。
 なーに、ジーコだってまるっきりの素人じゃない。
 彼もまた君と同じく、冷静さを失った時に真価を発揮するタイプの真のサッカー人だ。
 たのんだぞ。

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2004/11/09

SP2の陰謀

  • Windows XPのSP2をインストールして以来、マシンがおかしい。
  • ipodの更新ができない。っていうか、認識しないぞ。
  • でもって、ipodをつないだままの状態で、ipod本体をリセットすると、おそろしいことにPCの電源が切れる。おいおい。
  • 電源の再投入をしても、ipodの接続を強制的に解除(←抜くなというメッセージを無視してケーブルを抜く)しないと、OSが立ち上がってくれない。
  • WinDVR(テレビのキャプチャーツール)で、録画ボタンを押すと画面が黒くなる→あきらめて停止ボタンを押すとそこでハングアップ。アプリが死んでエラー報告画面登場→何度やっても同じ。
  • カシミール3Dという数値地図描画ソフトの「カシバード」(3D風景描画)というプラグイン機能を立てて、しばらくいじっていると、突然OSごとダウン→セーフモードで立てると、ディスプレイアダプタがどうしたこうしたというメッセージ。インテルのホームページからドライバをダウンロードしてきてインストールしてようやく解決。
  • おそらく、デバイスドライバ(ウィンドウズと外部の周辺機器を仲介するソフト)関連のいくつかが要更新または使用不能になっている。
  • デバイスドライバの更新なんて、素人には不可能だぞ。
  • こんなハイリスクな新バージョンを、自動更新で乗っけるなよな(YES/NOの選択はあるにしても)。
  • おそらくXP更新によって生じる各種のトラブルは、99パーセントのユーザーにとって、セキュリティーホールがもたらす潜在的な危機よりずっとリスキーであると思われる。
  • アップルだのアダプテックだのといった、絶対に日本語での説明をしないメーカーから自分の環境に合った更新用のデバイスドライバを入手して、それをまたインストールするという作業は、ひとつ間違えると致命的な事態(OSの再インストールとか、ハードディスクの消去とか)を招きかねないんで、PCで仕事をしていて、代理マシンを持っていない人間としては、そんなこと、こわくてできねえよ。
  • おそらく、この不安定さは、買い替えるまで改善しないだろう。
  • 氏ねやビル

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2004/11/07

ウロボロスのヘビ

 昨日の記事(鍋味噌)で、読売新聞社&日テレ間の有価証券報告書虚偽記載問題について、「(朝日新聞は)ウハウハだろう」という意味のことを書いたが、そんなに単純な話ではないのかもしれない。
 読売の失点が朝日の得点である分野(部数競争とか、スクープ競争)もあるだろうが、より広い意味では、彼らは運命共同体で、巨人&阪神みたいな盟友関係または相互依存の同業者だったりする。

 ずいぶん前に、とあるメディア企業の社員から、
「日本の新聞社、テレビ局と、広告代理店は、お互いに複雑に株を持ち合っていて、一種の運命共同体みたいなことになっている」
 というレクチャーを受けたことがある。
「まあ、何と言うのか、5匹のヘビが順番にお互いの尻尾をくわえていて、ひとつの輪になっているみたいな感じだな」
「じゃあ、連中が、自分のくわえている尻尾をいっせいに呑みこむと、輪っかは消えるのか?」
「ははは。で、ある時、何もない空間から、突如五匹のヘビのウンコが出現するわけだな」
「おまえはどうするんだ?」
「オレは大丈夫。どうせヘビの足だから」
 現在、彼は会社をやめて独立している。
 足だけのヘビ。
 まあ、オレも似たようなものだが。

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浦和レッズVS清水エスパルス

SUPER SOCCER : 試合速報
見てない。


  • 11月4日:O野氏より、「これからエスパルス戦のチケットを買いに行く。よろしければご一緒に」というご親切な申し出。パブロフ反射で「行きます行きます」と答える。
  • 20分後:当日は正午より八王子で法事の予定であったことを思い出す。半べそでチケット断念の電話。
  • 11月6日:録画予約して法事に出かける。神仏を呪う。
  • 天罰覿面。帰宅後まっ先にビデオを再生してみると女子ゴルフ……うう。
  • …………
  • で、現在、スーパーサッカーで確認中。
  • ゲストはガス魔神、土肥。好きなキーパーなんだけど、半年ぐらいはPTSD。
  • 大黒@ガンバ、すご。
  • レッズ対エスパルス戦は、キタジの軸足ゴールで次郎長がリード。
  • おおお、酒井友之@都立豊島高校←準地元認定……がミドルで同点。
  • そして若頭闘莉王が決勝点。うんうん。
  • …………
  • まあ、アレだ。なんだかんだでサッカーは胸糞の改善に寄与してくれる。

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2004/11/06

法事

 8時半に赤羽を出発。案の定の渋滞。そりゃそうだろう。東京中の粗忽者が紅葉狩り目的で中央高速に結集してるわけなんだから。
 正午より八王子の霊園にて法要。なんたらかんたらのお道具。いがらっぽい煙。硬い革靴と窮屈な黒服。初対面の坊主の読経。秋風。故人の面影? うまく思い出せないな。だって17回忌だぜ。
 午後1時。高尾にある「う○い竹亭」という料理屋で昼食。
 懐石。懐に石だと。何の比喩だろう。鬱のことか? それとも秘めたる殺意ぐらいだろうか。
 無駄に手のかかった工芸品みたいな料理。微妙な味。煩雑な説明。仕込みから数えると4日間かけたという黒豆。確かに柔らかいが、それがどうしたというのだ? グリコのプッチンプリンはもっと柔らかいぞ。甘過ぎないぎりぎりの甘みの奥に、かすかにゆらめいているほろ苦さが上品であることは了解したが、当方には「そうですか」ぐらいの感想しか浮かばない。プッチンプリンの方が好きだな。オレは。
 壬生菜、丹波黒豆、佐島の鯛と、食材のいちいちが出自を誇ってこちらに平伏を求める。
 へー、丹波ですか、とどうしてオレが豆なんかにお世辞を言わなければならないんだ?
 松茸と鱧の土瓶蒸し。なるほどね、こういうものを繊細な味というのですか。ええ、上品ですよね。あたしは好みませんが。
 不味いといっているのではない。
 ただ、平目の菊花鮨みたいな、技巧に走った美術品みたいな料理を出されると、なんだかこちらの美的センスを試されているようで居心地がわるいのだよ。
 もみじの葉で飾った器。ステドラーの消しゴムみたいな歯ざわりの鶉の山椒焼き。どんぶり一杯ほどの砕氷の上でシナをつくる鯛の刺身。
 そして、演出。
 苔むした水車。錦鯉。水辺の石榴。アンシンメトリーな石灯籠。淡く紅葉した楓の葉と、その向こうに広がるギザギザの空。
 おそらく、動物に詳しい人間よりは植物の名前をたくさん知っている男の方が、文化人としてポイントが高い。
 ジャパネスク趣味は私の痛いところをつく。
 だって私は理科第二分野の中で、花の名前だとかを覚えるのが大嫌いな生徒だったから。キョウチクトウ、ガクアジサイ、シンビジューム。知らないよ。名前を並べてみただけさ。咲く季節も知らない。誰かに花束を貰ったら、見てないところで捨てる心遣いは持っているが、ウチにはもって帰らないな。だって、花を好むやつって毛虫と一緒じゃん。
 それにしても、相棒よ。信じられるか? 二時間半だぞ二時間半。冗談みたいな柿の白和え(たぶんアメリカ人なら激怒するだろうな。ホワットイズディスタイニーテイストレスキューブ?)からはじまった食事が、香の物でフィニッシュするまでの時間が実に150分だ。
 どんなに美味いものであっても、そんなにまでもったいぶられたんでは、私は、冷静さを失って味を感じることができない。
 正直な話、こういう席では牛丼か何かをどーんと出してもらうのが一番ありがたい。カレーライスならさらに結構だ。故人もきっとよろこんでくれると思う。もってまわったことのきらいな人だったから。
 
 午後8時前に帰宅。
 PCを立ち上げて、blogをチェックする。
 何もかもが急速に面倒くさくなってくる。
 おい、君らはオレに何をしてほしいんだ?
 会員制レストランのテーブルに犬のウンコか何かをぶちまければ、度胸のある野郎だと認めてくれるとか、そういう条件の取引きなのか、これは。
 オレのblogはいつから中坊のチキンレース会場になっちまったんだ?
 いいか、相棒
 オレたちは、殴った方が負けというゲームをやっている。
 紳助もそれで負けた。
 わかるだろ?
 殴って勝つためには、アメリカとイラクほどの戦力差があってもまだ足りない。
 えんがちょには鍵が閉められないし、なめくじには防衛線がない。
 というよりも、オレらが闘っているこの砂漠の消耗戦には、そもそも勝利者がいない
 そういう時代なんだよ
 だから、オレは我慢をする。
 皮肉やあてこすりを散りばめ
 パラドクスを弄び、イヤミを並べ立てながら
 それでも手は下さない。
 揚げ足を取り、減らず口を叩き、面当ての捨て台詞を推敲しつつ、
 そうしながら、顔にはいつでも笑みをうかべていなければならない。
 そうだとも、いやな稼業だよ
 でも、続けるしかないんだ
 ほかに芸もないわけなんだから

 オレはもう寝るよ
 あんたも休んだ方がいい。
 中年男が詩を書くようになったらおしまいは近い。
 

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味噌鍋

ナベツネ渡辺恒夫元東大共産党細胞ピーンチ!

※渡辺恒雄氏名義株、実際は読売が保有 日テレが報告訂正

 日本テレビ放送網は5日、渡辺恒雄・読売新聞グループ本社会長の保有と記載していた株式が、実際には読売新聞グループ本社の保有だったため、00年3月期から04年3月期までの有価証券報告書を訂正したと発表した。東京証券取引所は同日、「上場廃止基準にある虚偽記載に当たる」などとして、同社株を上場廃止の可能性があることを示す監理ポストに置いて審査を始めた。
 日本テレビによると、71年から「読売新聞との親密性のシンボル」として、読売新聞が保有する株の一部を同社トップの名義にしており、渡辺氏名義株の配当や課税に関しては読売新聞が処理してきたという。西武鉄道の株主の虚偽記載をきっかけに東証から全上場企業に送られた「会社情報の適切な開示」を要請する手紙を機に社内で調べたところ、見つかった。
 04年3月期の有価証券報告書によると、日本テレビの筆頭株主は8.48%の読売新聞グループ本社で、2番目が6.35%の渡辺恒雄氏になっている。訂正後は「渡辺恒雄名義の株について、実質所有者は読売新聞グループ本社である」との注記をつけ、今後はすべて読売新聞の保有として記載することを検討している。
 日本テレビ総合広報部は「法律的には問題ないが、誤解を受けないよう訂正することにした」と話している。
 一方、読売新聞東京本社広報部は、読売新聞が関東財務局に提出している大量保有報告書では渡辺氏の名義分も保有者・読売新聞社で報告している、と説明。今回の訂正は「大量保有報告書との不一致を訂正したもので、証券取引法の虚偽記載などには当たらない」としている。 (11/05 23:18) asahi.comより。


 Asahi.comの記事は、時間がたつとリンク切れになるのがちょっと不便。というわけで、コピペさせてもらいますた。たぶん、朝日さんもこの記事のコピペに文句は言わない(っていうかウハウハ)でしょうから。
 それにしても、堤、中内、高塚、海老沢と、今年は各界のジョンイルの厄年でしょうか。もしかしたら神様って、本当にいるのかもしれませんね。ありがとうゴッド。グッジョブ。
 紳助に代わるおもちゃが出て来て良かった(笑)。
 しかも大物。
 これでまたしばらくニュースが楽しいぞ、と。
nabemiso.png
おまけのイラストです。「たかが選手」発言の時に描いて、捨てずにとっておいたいたずら描きが、こんな時に役に立つとは。なんだか、塩漬け株が大化けした時みたいなうれしさですね。
脳味噌のクソ化。ミソもクソも一緒の財務処理。ミソをつけ続けるトップ。クソまみれの晩節。

鍋底に あらわれ出たる 兜首
兜首〔かぶとくび〕:討ちとった首で、かぶとをつけたままのもの。大将首〔身分の高い人の首にいう〕@学研国語辞典
あらわれでたる→現れ出たる→洗われ出たる→あら我出たる
かぶとくび→兜首→株とクビ

※渡辺恒夫さん(78)の人権に配慮して、若干表現を改めるとともに、新作俳句を追加しました。2004年11月06日 07:16
※追加訂正2004年11月07日 00:25

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2004/11/05

記事全文

 しょうがないなあ。
 アクセス解析を見ると、勝谷氏の日記ページからけっこうな人数の観客がこっちに流れて来ている。
 まあ、皆さんこういう揉め事が好きなんでしょう。
 というわけで、サービスついでに、YomiuriWeekly誌に掲載したコラムを全文載することにします。部分引用をソースに水掛け論を展開していても仕方がありませんので。観客の皆さんはどうか全文を読んだ上で判断してください。オダジマが下劣なのか、勝谷氏が怒りんぼなのか、それとも両者ともが論争好きの口だけ番長なのか。
 ところで、有料で販売されている雑誌のソースをウェブに載っけて良いものなのか、実のところ私は良くわかっていないのですが、まあ、自分の書いた原稿ではあるということで、編集部には「ごめんなさい」と言っておきます。無断掲載の埋め合わせは若干宣伝になるかな、といったあたりのなぁなぁのナニでひとつ。ついでに宣伝すれば、既に原稿をアップしてある来週号掲載分のコラムでは「紳助報道をめぐるテレビ業界のセカンドレイプ体質と『空気を読む』人々の奴隷根性、およびわが国の社会に蔓延する同調化圧力の光と影」をテーマに格調高い論旨を展開しています。乞うご期待。興味のある方はぜひ買ってください。全国有名書店ならびに、お近くの読売新聞販売店にて絶賛発売予定です(笑)。

島田紳助が吉本興業の女性マネージャーを殴ったらしいのだが、実は、このニュースの第一報が流れてから、まだ半日しかたっていない。
 ので、事件の真相は、まったく判明していない。現時点で確かなのは
1.紳助は確かに何らかの粗暴な行動をとったようで、本人もそのこと自体は認めているもよう。
2.被害者はコラムニスト勝谷誠彦氏の女性マネージャーらしい。
3.日刊スポーツ紙の第一報(27日付け)では、「紳助と勝谷が口論になり、それを止めようとした勝谷のマネージャーが紳助に殴られた」ということになっている。
4.同日のサンケイスポーツは、「女性は40歳前後。専属マネジャーではないが、この日は紳助について同局入り。 当初、紳助はこの女性を社員とは知らなかったようで社員と気付いた後、 「なれなれしい言葉遣いの女性にブチ切れ、つい手が出てしまったようだ」(関係者)。 としている。
5.同日朝のテレビ朝日「やじうまプラス」には、勝谷氏が生出演しており、当然、番組は、芸能ニュースのトップでこの事件に触れた。が、内容は、被害者が警察に被害届けを出した旨を伝えるのみで、ほんの10秒で次のニュースに移動。勝谷氏のコメントも、「自分は現場にいなかった」というだけ。で、なんだかニヤニヤしている。何を隠しているんだ? 記事にして稼ぐためにネタをセーブしているとかか?
6.報知新聞は、一面トップ扱い。見出しは「紳助吉本女性社員殴る」。「紳助」と「殴る」の文字は、それぞれ約10センチ四方の巨大活字。
7.フジのめざましテレビは、このニュースを黙殺。「スマップ世界進出?」だとか「長渕剛CM初主演!」だとかいったヒモ付き情報の送出に終始。
 と、以上のニュースからわかることは、
A.まるでわからん。
 ということに尽きる。だって、基本的な事実関係にしてからが、ソース毎にまるで食い違っているわけなんだから。
 というよりも、一連の報道ではっきりしたのは、事件の真相ではなく、メディアのスタンスなのであって、紳助のような「数字を持っている」タレントに関する報道は、それを伝えるメディアの立ち位置によって、まったく違ったニュアンスになる、ということだ。
 ってことはつまり、私のような独自の取材ルートを持っていない人間が、テレビと新聞(とインターネット上に流れている噂)発のネタを元に原稿を書く場合、可能なのは、無根拠な憶測を並べる立てることか、でなければ、情報の真偽とは別に、自分の好き嫌いを述べるぐらいがせいぜいということになる。
 そんなわけですので、以下、ジャーナリズムとはほど遠い私的な臆断であることをお断りした上で、私見を述べる。
・紳助は下の立場の者には徹底的に威張り散らすタイプだと思う。というよりも、’70年代の暴走族に由来するケジメが関西お笑い界の対人マナーのスタンダードになっているわけだ。
・全治数日の怪我は「ほんのかすり傷」だが、件の女性この程度で警察に被害届けを出したということは、マジに腹に据えかねた(まあ、年増を罵倒させたら日本一だし)のか、でなければ、誰かに知恵をつけられたからなのだろう。
・知恵をつけたのだとすれば、勝谷某ということになるが、氏は悪知恵で紳助に勝てるつもりなのだろうか。
・真相がどこにあるのであれ、おそらく、少なからぬ人々にとって、関係者の共倒れが最も望ましい結末である。はず。

 以上、全文です。
 若干補足すれば、当コラムの結論は、
と、以上のニュースからわかることは、
A.まるでわからん。
 ということに尽きる。だって、基本的な事実関係にしてからが、ソース毎にまるで食い違っているわけなんだから。一連の報道ではっきりしたのは、事件の真相ではなく、メディアのスタンスなのであって、紳助のような「数字を持っている」タレントに関する報道は、それを伝えるメディアの立ち位置によって、まったく違ったニュアンスになる、ということだ。

 の部分にある。
 私がニッカンスポーツの「第一報」(←言っておきますが初期の記事について正式な訂正記事が出たのは翌日ですよ)や、サンスポの記事をはじめ、5つのソースからの情報を並べ立てたのは、「おいおい、各ソースで言ってることが全然違うじゃないか」ということを示すためで、勝谷氏の関与を示唆するためではありません。
 野次馬プラスについての部分は、昨日分の日記で既に書いた通り。ここでも私は事実と違うことは書いていない。


 勝谷氏がムッとしている(←「まことに下品で下劣な文章」というお言葉をいただきました)結語の部分についても一言。ここで私は、「ジャーナリズムとは程遠い臆断」である旨を断ってはいるものの、要するに氏を揶揄している。
 ま、勝谷氏をネタに笑いを取りに行ったわけだ。
 とすれば、これを読んだ勝谷氏が不愉快に思うのは当然ですね。
 わかりました。謝罪します。ごめんなさい。若干下品でちょっぴり下劣かつお茶目な文章でした。
 ということで、この件は手打ちにしてくださいな。
 ええい、イラストも載せちゃえ。
shinsuke2.png
※上記Yomiuriウィークリー掲載分のイラスト。

shinsuke.png
※ついでに、ずっと前に「キスいや」についての原稿につけたイラスト。
 そういえば、今朝、2ちゃんねるで「起訴だけじゃイヤ」という秀逸なフレーズを発見しました。

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2004/11/04

島田紳助司会者(笑)

 いいかげん、この話題から離れたいんだけど、あんまり展開が面白いから……まったく。
 島田紳助司会者@TBSニュースだってさ。

 これって、@2ちゃんでずいぶん前から笑い話になってたネタそのまんまですよ。
 稲垣吾郎が稲垣メンバーなら、紳助は、島田司会者かな。
 いや、島田紳助タレントとかじゃないのか?
 島田紳助元漫才師はどうだ?

 と、一週間も前にこういう感じのスレッドを見た記憶があるのだが、まさか2ちゃんねらーの無駄話をそのまんま、しかもネタとしてじゃなくて、マジな肩書きとして使うとは。
 底抜けのバカ。
 おそらく、

報道&社会班(釈迦違反←オレのIMEって天才だな)は、呼び捨てないしは容疑者呼称を主張。
制作の現場は、さん付けをきぼんぬ。
編成の偉い人が迷ったあげくに、「ナカとって司会者はどうだ?」ぐらいなアホ提案。
若手社員「あのー、それ2ちゃんでガイシュツですが……」
部長「ん? きみ。あの字はキシュツと読むんだよ。それぐらいのことも知らないでキミは……」
若手社員B「お言葉ですが、あれは、2ちゃん用語では……」
編成局えらい人A「ええい黙れ黙れ、司会者といったら司会者だあ」
 ぐらいの、会議があったのでありましょう。

ちなみに、@2ちゃん情報では、11月4日現在、各メディアの呼称は

NHK:島田紳助所属タレント
NTV:タレント島田紳助さん
TBS:島田紳助司会者
C X:島田紳助容疑者
ANB:島田紳助司会者

共同 :島田紳助タレント
新聞各社:島田紳助容疑者

ということです。
 ○○につけるクスリはない、ってことですな。
 おまけに、リスクを犯す根性もなし、と。
 

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抗議

 さきほど、Y誌の担当編集者氏より、コラムニストK氏より抗議があった旨の電話。そちらには電話はきていませんか、と。
 きてません。まだ(笑)。
 勝谷氏は、編集長宛てに直接電話してきたとのこと。
 やはり、先週号の私のコラムに感情を害しているらしい。
 コラムの中で、ニッカンスポーツ紙の誤報(訂正前の第一報。「勝谷氏と紳助が口論になって、止めにはいったマネージャーが殴打された」という内容。翌日に訂正記事)をそのまま引用いることも問題視していたという。まあ、これは、実際にオダジマが読んだ記事がその第一報で、締め切りが水曜日の午前中だったのだから、どうしようもない。←と、編集部では、説明しておいてくれたそうだ。

 勝谷氏はなお、編集長に「自分はきちんとコメントしている。SPAを読め」ということを言っていたという。
 で、編集部が送ってくれたSPA誌の、勝谷コラムのFAX(←著作権勘弁)を読むと、おお、やるじゃないか勝っちゃん、テレビではこの件について「コメントできない」ということで押し通している彼が、きちんとマネージャー嬢をかばう内容の原稿を書いている。以下に一部を引用する。

「A嬢は優秀なマネージャーで、私が不利益を被ったことは一度もない」「紳助さんは彼女が吉本の上司を呼び捨てにしたのが立腹の原因だと言っている。同じ人たちについて私の前でも彼女は時に呼び捨てにしていたが、私はまったく違和感を覚えていなかった。なぜなら彼女にとってその人たちは社内の身内である一方で、担当しているとはいえ私は外部の人間なのだから……後略」

 なあんだ。はじめっからこう言ってれば良かったのに。やればできるんじゃないですか勝谷さん。
 でもやっぱり、テレビでは言えないんだろうな。なにしろ相手はあの吉本だから。
 ともあれ、SPAに書いただけでも、大変な勇気だと思う。勝谷さん。頑張ってください……って、抗議されるといきなりこれか?
 違います。
 是は是。非は非。そういうことです。
 SPAの原稿の全文を私がここにアップすることはしないが、内容は至極まっとうで、ぜひ広く読まれるべきテキストだと思う。当件に興味を持っている方はぜひ、立ち読みするなりして一読してください。
 それから、紳助を擁護している吉本興業、芸能界ならびにテレビ局関係者のみなさん。勝谷氏は、マネージャーを堂々擁護しています。ぜひ、その点を考量するように。
・勝谷氏が本職である活字を通じてマネージャー擁護発言を展開しjはじめたということ。
・にもかかわらず、テレビでは明確な擁護発言をしていない点。
 と、こういったあたりを見るにつけ、テレビの現場の腐りっぷりがうかがえます。

 ああ、原稿に戻らねば。と、ここは編集者向け(笑)の独り言、カッコ棒読み
 

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吉本言論人

 コメント欄でEさんが紹介してくださったリンクから、話題の映像を入手。
 以下は、その映像の中にあった11月3日のテレビ朝日系「やじうまプラス」での勝谷氏の発言。

「……ホントにね、たとえば今出ているウィークリーヨミウリでもオダジマナントカという人がね、こないだのやじうまのここでボクの反応を書いているんだけど《にやにやしながら10秒ぐらい触れただけだった》とかなんとか。そんなことないよね。ちゃんとあんときもコメントしたし……ホントにいいかげんなこと書くな、コノヤロー……」
 ちなみに、ここで言及されているオダジマの記事の当該部分は以下の通り。
同日朝のテレビ朝日「やじうまプラス」には、勝谷氏が生出演しており、当然、番組は、芸能ニュースのトップでこの事件に触れた。が、内容は、被害者が警察に被害届けを出した旨を伝えるのみで、ほんの10秒で次のニュースに移動。勝谷氏のコメントも、「自分は現場にいなかった」というだけ。で、なんだかニヤニヤしている。何を隠しているんだ? 記事にして稼ぐためにネタをセーブしているとかか? 

 細かい言葉尻はともかく、あの時に勝谷氏が残したコメントが、「自分は現場にいなかったから軽々にコメントできない」という内容のものだったことは事実だ。
 で、問題は、その「軽々しくコメントできない」というコメントが「きちんとしたコメント」なのか、それとも「コメントを逃げた態度」なのかというところにある。
 検証してみましょう。
 まず、勝谷氏が
「自分は、現場にいなかった以上事情を知らないわけだし、事実関係について憶測のコメントを垂れ流すわけにはいかない」
 という意味で言っている部分は、至極もっともだ。その意味では、「コメントできない」という彼のコメントは、「きちんとしたコメント」だったと言うことができる。
 しかしだ。
 勝谷氏に期待されているのが、どういう種類のコメントであるのかということを、もう少し深く考えてみると、事情は違ってくる。
「真相はどうなんですか?」
 という質問に対しては、答えなくてもよろしい。彼はそれを知り得る立場になかったわけだし、双方の関係者から色々と話を聞いていたにしても、立場上、軽々しいコメントはできない。また、彼の立場で自身の考えを述べることは、事態の混乱に拍車をかけることにもなりかねない。よって、その質問に対してはノーコメントが最もきちんとしたコメントだ、と、ここまでは認めましょう。
 でも、
「で、そのマネージャーというのは、どんな人なんですか?」
 という質問には、答えたほうがいいんではなかろうか。
 実際、メディアには、様々な形で件の女性が常識はずれだとか、空気が読めないとかいった話が流れているわけで、それを否定できるのは、勝谷氏をおいてほかにはいないわけだから。
 このあたりのことは、実は、大石英司氏が、そのblogの中で既に書いている。私がそれを読んだあとで同じことを書くとなんだかパクリみたいで気持ちが悪いので、お許しをいただいて以下にそのまま引用することにする。
大石英司の代替空港
 もう一点、たとえば、昨日「バカヤロー!」発言があった番組内でも同様の発言があったけれど、「僕の関与しないところで起きた。彼女(女性社員)の人柄について聞かれることも多いが、個人情報の漏えいになるので言わない」ということをここ数日繰り返している。
 これは全く変な話で、「人柄」って、個人情報かぁ? 違うでしょう。いやぁ、彼女は仕事熱心で生真面目で、良い相棒ですよ、と言ったら、それは個人情報ですか? 単なる誉め言葉でしょう。これじゃまるで言外に、あの女はとてもやな奴で全く使えない、でもそれ言っちゃうと個人情報になるから拙いだろう? と表明しているようなものでしょう。
 ネット上で、彼女に関して、これほど不利益情報が出ていて、それを知らんはずもない。そのほとんどは、芸能界が出所で、元を質せば吉本がばらまいているに違いないんだから。彼は、彼女を知っている個人として、いや、ネット上で言われているようなことは無いし、そんな女じゃない、と否定できるのに、それをやろうとしないのはなぜか? それはやっぱり、普段彼が罵倒している組織人間なりの深謀遠慮が作用していることはあまりにも明白であって、そこを批判されているわけでしょう。

 つまりアレだ。人柄についてのノーコメントは、これは、「コメントを逃げている」ことであり、実質的には「否定的なコメントを流している」というのと同じになるわけなのだな。
 私が、当日の「やじうまプラス」で、勝谷氏のコメントから受けた違和感の源泉も、実にこの点にある。
「いや、普通の人ですよ。少なくとも私にとってはちゃんとしたマネージャーです」
 ぐらいの発言があってしかるべきだと思って、私は画面を注視していた。
 ところが、氏はマネージャーの人品について何も言わない。
 言わない以上、この人は、このマネージャーについて自分が悪感情を抱いていると思われてもかまわないのか、でなければ、会社に気を使っているのだろう、と、まあ、そう判断したわけだ。
 そんなわけですので、吉本言論人、だな、と、そういうふうに論評してこの問題は終わり。同じ土俵の人じゃないんだから。

 コラムニストを名乗る人間が、芸能プロダクションに籍を置いて、自由な発言が展開できるものなんだろうか? ああいうしがらみの中に身を置いて、言論活動のマネジメントを興業の世界の人間に委ねて、それでもなお自分がメディアに対してフリーハンドを確保していると思い込むためには、相当に図太い神経が必要だと思う。
 少なくとも私は、吉本興業所属のコラムニストが書くメディア評をまっすぐ鵜呑みにはできない。
 だって、そうでしょ? レストラン付きのソムリエが何を言ったところで、商売の分は割り引いて聞かないと都会人とは言えないでしょうが。あるいは、葬儀屋の紹介でやってきた葬式用の坊さんに誰が心からの功徳を期待するのか――というのは、ちょっと違うか……訂正します。葬式をやるからナマグサというわけではないですね。南無阿弥陀仏。ただ、坊主にしろコラムニストにしろ、肩書きだけでお経を詠んでいられる時代ではないよ、と、そういうふうに申し上げておきましょう。合掌。
 
 実は、私にもずいぶん昔、プロダクション関連の話はあった。大手ではないし、芸能プロダクションでもないが、いわゆる文化人のエージェントみたいなことをやっている会社から、マネジメント契約をしないかともちかけられたのだ。
 どうしたのかって?
 うん。
「毅然と断った」
 と言いたいところだが、本当のところは、うじうじ迷っているうちにバブルがはじけて話が立ち消えになりました。ちょっと残念。
 でもまあ、その時に色々と考えたことは無駄ではなかったと思っている。
 ものを書く商売の人間は、基本的に原稿料で糊口をしのがなければならない。これは、世間で思われているほど簡単なことではない。
 雑誌の原稿料、書籍の著作権料という本筋の収入だけで生活を立てている物書きが、いったい日本中に何人いるんだろう。
 おそらく、たいした数にはならないと思う。
 さてしかし、作家であるとか評論家であるとかいった肩書きは、使い方次第では、そのまま換金できたりする。
 講演料というヤツだ。
 私もバブルの頃に、何回かシンポジウムの出席者だとかイベントがらみの講演だとかで非常に高額な(←原稿料と比べてということですが)ギャラをいただいたことがある。
 例の文化人エージェント会社からオファーがあったのは、そうしたシンポジウムか何かの後の打ち上げの席でのことだった。
「どうです? ウチと契約すれば、このテの仕事をどんどんお世話しますよ」
 という感じのニュアンスだった。
 あるいは、詐欺だったんだろうか?
 いまとなってはわからないが。

 さて、講演料で食うためには、一定の条件がある。
 しかるべき有能なエージェントを持っていること、または、業界に強力なコネクションを持っていること、でなければ、高い知名度が不可欠だ。
 そこでテレビ出演ですよ。
 テレビ出演自体のコストパフォーマンスについて言うなら、そのリスクと拘束時間と神経疲労に比して、振り込まれてくる文化人換算のギャラ(ありていに言えば芸能人と比べて破格に安いということ)は、たいしてありがたいものではない。
 でも、テレビ出演には、「知名度」というおまけがついてくる。
 この「知名度」というヤツは、作家評論家の肩書き以上に、およそあらゆる形での換金が可能な素晴らしい資本財なのでありまして、だからこそ勝谷氏も、「オタジマナントカという人」という、プチ有名人が無名人について言及する時に独特なニュアンスをこめた口調で語っていたわけです。
 そう、知名度。
 売文業者にとっては、シャブみたいなものだ。
 と、活字とネットの蛸壺に引きこもっているオダジマ何とかはコメントするのでした。
 というわけで、仕事に戻ります。月ハナの5日間は超売れっ子なのでね。

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2004/11/03

ナビスコ決勝

SUPER SOCCER : 試合速報
※04年ナビスコカップ決勝:浦和レッズ VS FC東京 @国立競技場
 去年まで、11月3日は二年連続でナビスコの決勝で国立に居たのだが、今年はチケットが手にはいらなかった。
 毎年チケットを取ってくれているO氏によれば、今年は10秒で敗北だったそうで、確かに、いきなり完売だったもんな。残念。
 というわけで、自宅でテレビ観戦。フジテレビ。この局は基本的にプレイ中はCMを入れないし、実況の青嶋さんもきちんとしたアナなので安心。でも、カザマさんがちょっと……。


  • 国立は超満員。8割ぐらいは赤い人たち。ううう。現場に居たかった。
  • 13分:永井のドリブル。足をひっかけたジャーンにイエロー。
  • 29分:エメルソンの突破を止めたジャーンに二枚目のイエロー。退場。うん。ちょっとキビしかったかも。スローで見ると、故意に足をひっかけたというより、偶発的な接触という感じ。あるいは若干シミュレーション気味(倒れ方にちょっと演技が……)かも。
  • ともかく、エメルソンのあのスピードには審判も惑わされるということで……まあ勘弁してやってください。
  • ※前半は、数的優位を生かせず。どこが悪いのかはわからないが、ガス戦独特の停滞感。なぜだろう。
  • 3トップのせいというより、中盤が機能していないように見える。何を攻め急いでいるのか、DFからの粗雑なロングボールが多い。
  • とはいえ、ガスの選手たちも、90分こんなペースで動けるわけはないのであって、たぶん後半になればレッズが圧倒することになるだろう。うん。
  • ※後半開始
  • 攻められない。どころか、立て続けのピンチ。大丈夫か。
  • エメルソンキーパーと1対1はずす。ううう。
  • 19分:アレックスOUT、平川IN。石川にやられ気味だったし、仕方ないか。
  • ※押され気味のまま30分経過。どうしてガス戦っていつもこうなるんだろう。
  • 今野が邪魔。いい選手だなあ。
  • 32分:啓太のヘディングシュート。枠の上。
  • 33分:永井の折り返し。ニアのエメ、ファーの達也、いずれももう少しのところで届かず。惜しい。
  • 35分:左コーナーからアルパイのヘッド。戸田がヘッドで弾き出す。メチャ惜しい。
  • 40分:エメルソン惜しい。なんだか今日は……
  • 43分:左エメルソンからのクロス。達也ドフリーでヘッド→ポスト。ぐえええええ。
  • ※後半30分以降は一方的なレッズペース。このまま終了。延長入り。

※延長戦延長戦は、Vゴール方式だとのこと。たのむ。

  • 2分:エメルソン、田中達也連続シュート。いずれも土居土肥がはじく。当たってるなあ。
  • 2分:エメルソン、ゴール正面からミドル。枠の上。
  • ※延長戦もレッズのペース。ガスは動けなくなっている。このままなら時間の問題。ぜひ。
  • 6分:レッズの波状攻撃続く。ガスはベタ引き。平川の突破から逆サイド
  • 7分:長谷部→田中→エメルソン→キーパーキャッチ。土居土肥、何かが憑いている。ううう。
  • 8分:平川から田中達也。枠の上。
  • ※膠着状態。延長前半終了。うううう。
  • 延長後半0分:エメルソン、コース狙う。外す。
  • 1分:啓太ミドル。
  • 3分:闘莉王オーバーラップからシュート。土居土肥弾く。CK。
  • 4分:啓太キーパーと1対1。ミドルはずす。
  • ※永井OUT、岡野IN。たのむぞぉおお。
  • 6分:右サイドを突破した岡野からエメルソンに絶妙のクロス。ヘッド。土居土肥弾く。CK。土居土肥神。
  • ※攻めあぐむ。苦しい。
  • 14分:ネネ→山田→エメヘッド→枠の上。惜しい。
  • 16分:ルーカスFK。あぶね。
  • ※延長前後半終わって0-0 PK戦。ううううう。

※PK戦結果




FC東京ルーカス○馬場○今野○梶山×加地○
浦和レッズ闘莉王○長谷部○田中×山田×

うううう。さようなら。
※土居→土肥 天荒雄酒造蔵主氏のご指摘により訂正 2004年11月09日

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2004/11/02

ハラスのいない日々

 いつまでも紳助の記事がトップにあるのもイヤなので、ちょっと無駄話を書いておく。
 昨日、イギー氏のエサを買うべく立ち寄った西友ストアで奇妙な経験をした。
 経過は以下の通り。


  1. 午後二時ごろ、ショッピングカートを押しながら、地下一階の生鮮食料品・雑貨売り場を物色。
  2. トイレットペーパー、シャンプーなど、いくつかの商品をカゴに入れる。
  3. 色々と品物が増えるうちに、デカい荷物を持って帰るのが急に面倒になってくる。
  4. で、商品を棚に戻す。こういうものはもっと近いドラッグストアで買った方が得策だし。
  5. となると、わずかの野菜のためにレジを通るのも面倒な気がしてきて、結局何も買わずに店を出る。
  6. エスカレーターの前にいたおっさん(店の警備員)が、空のカゴとカートを受け取る。
  7. 一階に上がって、店の前に止めてあった自転車のカギをはずしていると、なぜかさっきカートとカゴを受け取ったおじさんが、こっちに向かって歩いてくる。
  8. 「ん? 何ですか?」という顔でおっさんの方を見ると(耳にはipodのイヤホンが入ってるんで、会話はできない)、おっさんはなぜか目をそらして通り過ぎる。
  9. 「ヘンなオヤジ」と思いつつ自転車を引いて歩き出す。
  10. 10メートルほど進んで振り返ってみるとおっさんはまだこっちを見ている。

 どういうことなのだろう。
 万引きか何かと間違われたのだろうか。それともオレの考え過ぎか?
 まあ、確かに平日昼間の時間帯に来店する背広を着ていない中年男は、警備員からしてみれば要注意人物なのであろうし、店内を一通り歩いたあげくに何も買わないで帰るというのも、十分に疑わしい行動パターンではあるのかもしれない。
 年はとりたくないものだ。これで

  • 私が二十代の若者であったならば、おっさんは私を疑わなかっただろう。
  • 時間が月曜日の午後二時でなかったら、おっさんは私を怪しまなかっただろう。
  • 私が背広を着たリーマン姿の男であったなら、おっさんは私を追跡しなかっただろう。

 つまり、アレだ。平日の昼間に歩いているカジュアルウェアの中年男は「ヘンなおじさん」だ、と、そういうことなのだな。
 昔、中野孝次さんだったかが、どこかで
「犬を連れていることの利点のひとつは、真昼間に住宅街を歩いていても怪しまれないことだ」
 という主旨のことを書いていた。
「白昼、住宅街を歩いただけで、自分が怪しまれていると思うのは、この人もちょっと神経症気味だな」
 と、その原稿を読んだ当時、まだ二十代だった(と思う)私は、そうに思ったものだが、自分が四十台半ばを過ぎてみると、確かに世間は、自由業者のオヤジに対して変質者を見るような視線を返してくるものなのであった。
 中野さん。
 世間は、犬を連れていない中年男を許してくれないんですね。
 オレらは、犬とワンセットではじめて一人前なんですね。
 オレは、神経症でしょうか。
 オレの清貧はニセモノなんでしょうか。
 ハラスは元気ですか?
 オレもハラスみたいな友達がほしいです。
 中野さん。
 男の晩年は、犬なしではキツいんでしょうか。
 イグアナはダメですか?
 昼間の住宅街を歩けませんか?
 オレは、ヘンですか?
 

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生意気

 紳助に殴られた女性について「帰国子女で、独特のマナーの持ち主らしい」「名うてのトラブルメーカー」「生意気」という感じの風評がメディアに流されはじめている。
 @2ちゃんの紳助関連スレで、工作員が書き込んでいるというだけではない。
 テレビやラジオの番組、それにインターネットのホームページを通じて、芸能界の様々な人間がこぞってそう言っているのだ。
 ま、セカンドレイプだな。
 あるいは、アフターリンチ、という言葉は無いんだろうか。
 
 「生意気に相当する英語は無い」という話をどこかで聞いたことがある。
 確かに、生意気(なまいき):一人前あるいはその地位でもないのに、偉そうなあるいはさし出がましい態度やふるまいをして、小憎らしいこと。(←岩波国語辞典より)ということを一語で表現する単語が、外国語の中に存在するとは思えない。単語として独立するには、意味内容に当たる概念が瑣末矮小だし、条件が細か過ぎる。←ポルトガル語では、「軸足と蹴り足を交差させる形でボールを蹴るこまっしゃくれた技巧」のことを「ラボーナ」と言ったりするが、それと同じぐらいに瑣末だと思う。 
 つまり、生意気というのは、極めて日本的な感覚なわけだ。
 その、極めて日本的な感覚からすると、低い立場の者は、一人前に振舞ってはならない。
 逆に言えば、高い立場(地位、年齢)にある者が低位者に対して高圧的にふるまうことは、少しも悪くない。悪くないどころか、むしろ上位者はすすんで下位者を叱咤せねばならない。
 封建単語、だな。
 弱い者いじめをベースとした人間関係。
 著しく日本的な身分意識だ。

 被害女性が帰国子女だったとするのなら、「偉い人(名前のあるタレントや会社の上司)の前では、犬のようにふるまう」という日本人ならある程度誰でも持っている対人プロトコルを欠いていた可能性はある。
 まあ、帰国子女が封建的で知られる(っていうか、江戸時代だよな、吉本の連中が体現している身分感覚って)芸能プロダクションに居たこと自体不思議と言えば不思議な話なのだが。

 百歩譲って、被害女性の態度が生意気だったのだとして、だ。
 だからといって、殴って良い理由にはならない。当たり前の話だ。
 紳助が自分で言っていた通り、100パーセント悪いのは紳助で、弁解の余地はゼロ。同情の余地も同じくゼロ、だ。

 態度が悪いからという理由でその人間を殴るようなやり方は、教育現場であってさえ忌避されている。
 まして一般社会で、40歳の人間を相手にやって良いことではない。

 もちろん、失礼な人間に出くわして腹を立てるのは人間として当然の感情ではある。
 しかも、失礼な人間というのは、どこにでもいる。
 普通に社会生活を送っているだけでも、まともな返事をしないそば屋の店員だとか、客の前で露骨にため息をつくコンビニのレジ係みたいなものに遭遇する機会はいくらでもあるし、タクシーの運転手の中にも時々けんか腰のオヤジがいたりする。だからといって、それらをいちいち殴打矯正訓育教導していたんでは身が持たない。というより、傷害罪で検挙ですよ、単に。

 紳助に対しては同情論がボロボロとこぼれてくる。
 同情の余地があるから?
 違うね。
 弱者(この場合は被害女性)を叩いて、強者(紳助)に媚びてるだけだ。
 弱きを助ける同情論にみせかけた、さらなる弱い者いじめ。ゾクの世界でよくある、殴られた人間に対するリンチみたいなものだよ。

 同情論者の言い方では、紳助もある意味で被害者ということになる。
「芸人の世界ではこの程度のことは常識ですから」
 たしかに、その通りではあるのだろう。
 芸人の世界は、相撲部屋と同じで、「無理扁に拳骨と書いて兄弟子と読む」みたいな、そういう原理でできあがっているのであろうし、兄弟子や師匠の暴虐に笑って耐えることが芸人の第一課であるのかもしれない。マネージャーやADも同じことで、殴打罵倒は挨拶代わり、極悪非道なイジメも日常茶飯事――でもって、「それもまた修行のうちや」というキメ台詞ですべてが免罪されるわけだ。
 とすれば、芸能プロダクションという特殊な社会に身を置いている以上、多少の理不尽は覚悟の上じゃないか、という理屈が出てくること自体はわからないでもない。
 
 が、それでもなお、暴力は犯罪である。
 少なくとも建前上は絶対的に悪だ。
 芸人世界の常識が何と言っていようが、それに優先する日本国憲法というより支配的な原理が暴力を否定している。
 であるからして、たとえ芸人といえども、建前論でもって告訴してくる人間がいたら、潔く罪を認めねばならない。
 野球界の裏金と同じことだ。
「みんながやっていることだ」
「この世界ではこれが常識なんだ」
 というのは、諸君の住んでいる矮小な世界の常識に過ぎない。世間から見れば非常識。それだけの話だ。
 キミたちのその金魚←鉢みたいに閉鎖的な世界でスタンダードになっているからといって、裏金や暴力が免罪される理由はひとつもない。どんなに封建的な職場にだってきちんと法律の網はかかっているんだから。そうでなければ、法律の意味がないじゃないか。
 な。
 キミだってわかってるはずだろ?
 行列の出来る法律事務所で長いこと下働きをしてるわけなんだから。

 ついでにもうひとつ建前論を述べさせてもらうが、プロダクションの社員というのは、世間ズレしがちな芸能人の常識(←この表現、ちょっと変ですね。「世間の常識から遊離がちな芸能人の感覚」に訂正しておきます。2004年11月04日17:43)を正す立場にある人々だ。
 だから、マネージャーが生意気なのはむしろ当然なのであって、説教されるべきだったのは、きみだった、と、そういうことなのだよ、紳助君。

「なんでワイがこんな目にあわなならんねん」
 と、キミは思っているかもしれない。
 まあ、キミにしてみれば、不祥事をカバーしてもらうために事務所に所属しているという思いはあったはずだ。
 であるから、たとえば、そこいらへんの素人を殴ってしまったり、ファンの小娘に手を出したらヤクザが出てきちゃったりとか……そうした面倒ごとの尻拭いをするために骨を折ってくれる存在であるはずの事務所の人間が、あろうことか、オレを訴えるのかよ、と、納得できない気持ちはあるだろう。
 飼い犬に手を……と。

 が、紳助よ。
 キミは考えを改めなければならない。
 飼い犬はキミなんだ。
 芸のある犬かもしれないし、稼ぎの良い犬かもしれない。
 でも、犬は犬だ。

 というわけで判決。
 島田紳助は、むこう3年間、犬耳をつけた状態でテレビに出演すること。
 似合うぞ。
 で、松本が骨を投げたら、いついかなる場合でも拾いに走る。寝ていようが風呂にはいってようが
「ほらー、紳どん、拾ってきいやぁー」
 と、声がかかったら、四つんばいで全力疾走。
 松本よ。
 責任重大だ。が、きみならできる。
 たのんだぞ。
 

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