オレオレ
真夏日。
東京で一シーズンに68日の真夏日というのは、新記録だそうだ。
さるご老人から聞いた話。
ご老人が属しているとあるサークルで雑談をしているうちに判明したところでは、メンバーのうちに「オレオレ詐欺」の電話を実際に受けたお仲間が既に3人いるのだそうだ。いずれもひっかからなかったらしいのだが、なるほど、30人がひっかかるためには、3000人ぐらいに電話が行っているということなのだろう。
「オレだよ、オレ。わかんないの?」
といわれた時、「ボケてない」という見栄をはりたかったりすると、ワナにはまるのかもしれない。
中年男をターゲットに「あ・た・し」詐欺というのはどうだろう。
「いやぁーん、わすれちゃったのぉー?」
うまくもちかければ、50人に一人ぐらいはひっかかるかもしれない。
っていうか、そのテのメールならオレのところにも毎日届いてるな。
「先日はどうも あかね」
「ねえ、わすれちゃったの? かな」
「ここだけの話、聞いてくれる?」
「空メール送りました?」
「今日は主人が出張中で……」
「Re:更新ファイル」
「お返事まだですか」
あのテこのテってやつだ。
毎日何十通もこういうのと付き合っていると(Webで公開しているメアドは、この種のスパムを釣るための餌みたいなものですね)「死ねやボケ」とかいう返事を出さないでいるだけでも、けっこうな忍耐力を要する。
無視黙殺が最も賢い対処方だということはわかっているのだが、黙殺も何百回と重なるとそれなりにストレスになる。
何か一矢報いる良い知恵はないものだろうか。
※さんま
さんまが出ているJRAのCMは、あれは、テレビを見ているどういう層のいかなる心情に向けて何を訴えんとしているのだろう。
- さんま馬券について思案中
- 若い娘さんまに話しかける
- さんま生返事でオッケーする
- 新聞の見出し「さんま結婚」
- 大喜びの娘。困惑のさんま
誰かにケンカを売っているんだろうか?
あるいは、「50男にプロポーズする若い娘」というシチュエーションが、競馬ファンを慰安する、とか?
とするとJRAの連中は
「競馬ファンには独身初老の脳内プレイボーイが多い」
とかいう調査結果を独自におさえているのであろうか。
うーん。
……あり得るぞ。
「おれも若い頃はずいぶんやんちゃをしたもんだ」
とかなんとか、行きつけのスナックのさえないねえちゃんを相手に吹きまくっているさんま似の50男。
独身であるがゆえに、収入に比すればそれなりに大きい可処分所得を持ってはいるが、徐々に崩壊の相を呈しつつある人生の晩年に向けて、競馬だけが唯一の突破口(あるいは地獄の門)になってしまっている男版負け犬。
まあいいや。
馬券を買うタイプの人間がいてくれないと、オレら堅実派としても浮かぶ瀬はないわけだし。
ん?
堅実が自慢かって?
当然だろ。
男が無頼を気取って良いのは14歳まで。
よく覚えておけよ。
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コメント
使い方は間違ってますが泥棒にも三分の理、蛆虫にも一ミリの
弁解をさせていただくと、われわれ賭博依存症、競馬常習者に
もサッカー同様明石屋さんまは嫌われています。もちろんあの
CMも。け、金持ちがよ。
投稿: 古今亭もろきゅう | 2004/09/23 08:27
なるほど。競馬ファンにも嫌われているのだとすると、あのCMは、競馬ファンの嫁さんとかをなだめて(「馬券のことを考えている時の男って、全然人の話きいてないよね。うん、わかるわかる」みたいな)なんとか、ファンの生活を安からしめんとする手のこんだ策略なのかもしれませんね。
ところで、小田嶋は自分の品行方正を少し恥じています。
馬券は生まれてこの方一枚も買ったことがありません。
ごめんなさい。
投稿: 小田嶋 | 2004/09/23 16:46